ハーフが会社に就職してみた_第18話_駐在員やってみた

ドイツで駐在員になったけど日本の会社員の延長だった? グローバル企業とは名ばかりの日系大手で本格的に駐在してみた。

ドイツ駐在も「日本の会社」だった

 

 

コダモンです。

 

 

ハーフであるコダモンが、日本のカイシャに就職してみた話。  

 

 

第18話:ドイツに出向してみた

 

 


 

 

「コダモン、お前はもっとカイシャの中身と仕組みを知れ!」

 

 

そのような「カイシャの期待」を、およそ2年間の本社勤務で、なんとかクリアしたドイツハーフ。

 

 

事業の拡大に一役買う事を期待されながら、欧州におけるビジネスサポートと拡販へ向けて、海外駐在が決まりました。

 

 

その行先はドイツ。

 

 

まぁ…。これ自体は、そもそも中途採用枠で入社した時の、募集要項でも明記されていた内容。

 

 

ハーフである自分が海外経験とドイツ語能力を最大限に生かせる職務

 

 

そして…。

 

 

グローバルな人間になるためのキャリアパス

 

 

この2つを目指して、自分はそもそもこの日系のカイシャへの入社を決めた。

 

 

自分のサラリーマン生活の中でも、今回の「ドイツ行き」は、ひとまずのゴールだったのです。

 

 


ドイツへ行く前に…

 

 

業務の引継ぎ作業を進める中で、当然、自分が所属する営業部内でも「コダモンのドイツ行き」が通達されました。

 

 

周りの同僚も「このハーフはいつかドイツへ行く」という事を知っているので…。朝会の中でそれが部長の口から通達されても、別段驚く様子もなさそうでした。

 

 

部署の朝会で部長からその事実を知らされた時のみんなの反応も、けっこう薄い…。

 

 

「へーとうとう決まったのかー」

 

 

「いつから向こう行くの?」

 

 

みたいな反応で、とても淡白。

 

 

彼ら/彼女らの中には、国内転勤や海外駐在を既に経験済みの人もいる。そして、営業という職業柄、同僚の出向や、出戻りで営業部へ戻ってくる人など「入れ替え」を常日頃から頻繁に経験しているのです。

 

 

誰かがどこかに飛ばされるような事態には、慣れっこな営業たち。

 

 

それに加えて、ドイツハーフの場合は、そもそも社内でも有名になるほど「ドイツ」との関連性が高い。そして、欧州のビジネス状況を考えた時に、今回の決定は、そのタイミングも妥当だったのです。

 

 

そのため、みんな「頑張ってねー」くらいのノリでした。

 

 

そこから、すぐにワイワイガヤガヤと「送別会」の話題になって…。その予定もスッと組まれたし (笑)

 

 

その後は引継ぎ作業をメインに、着々と駐在に向けた下準備を整えました。

 

 

引っ越しの準備など、プライベートな部分でも忙しくなり始めた頃には、もうドイツ行きが「すぐそこ」まで来ていた。

 

 

そして、いよいよ慣れ親しんだ営業部ともお別れです。

 

 

…。

 

 

送別会は、部署をあげて開いてもらいました。

 

 

これまでは、会費をしっかり徴収されて、しかも嫌々ながら参加していた、営業部の飲み会。

 

 

歓送迎会となるとまた別ですが…。自分が送別されているというのは、何とも変な感じがしました。

 

 

今回は送り出される側ということで、自分に対しては会費の徴収ももちろんないし、ささやかなプレゼントもいただいた。

 

 

「慣れ」というのはコワイもので…。これまで何度も同僚の送別会に参加してきたので、自分が「送別される側」だという実感が、あまり湧かない。

 

 

「コダモン、何か一言挨拶しろよ!」

 

 

とか言われていじられながら、上司のみんながお酌をしてくれたり。

 

 

「お前にはあの時苦労させられたわ…」

 

 

ドイツハーフの過去の失敗談で盛り上がったり。

 

 

そうやって、これまでとは違って「自分を中心に」進む送別会に、ようやく実感が湧いてくる。

 

 

お酒も進んで、その場はとても楽しかったし、雰囲気も終始和やかだった。

 

 

けど…。

 

 

自分の中では、同時にとても寂しい気持ちがありました。

 

 

営業部への転属となって「日本の社会人」を知り、そこに2年ほど在籍し…。本当に様々な経験があった。

 

 

仕事は嫌で嫌で仕方なかったけど、そこで学んだものは大きかったです。

 

 

法人営業と社内の折衝業務。雑務レベルの仕事から、役員へのプレゼンなどのハイレベルな仕事まで、一通りの「社会人経験」を積めました。

 

 

これまでとても親身になってコダモンを育ててくれて、最後まで愛されキャラでいじられキャラだった、上司のシノハラさん。

 

 

時には厳しく、兄貴肌で引っ張ってくれた、ハトリさん。

 

 

彼らとも、ここでお別れ。

 

 

そうです…。

 

 

おそらく本当にお別れ

 

 

それを思うと、不覚にも泣きそうでした。

 

 

ドイツへ出向となって所属先が変わっても、同じ営業という仕事柄、この先も日々の業務の中でやり取りは続きます。

 

 

また、ドイツで駐在している期間中に、日本へ出張となることもあるでしょう。

 

 

このカイシャに属しているうちは、彼らとは今後も接点があるのです。

 

 

しかし…。

 

 

コダモンの中では、もうこの時すでに「カイシャ生活の終焉」が見えていました。

 

 

ドイツ駐在が決定となった今でも、それは変わらなかった。

 

 

だから…。

 

 

この時の「別れ」が持つ意味が、とても重く感じられたのです。

 

 

どこかナイーブにも聞こえますが…。

 

 

カイシャを辞めて転職した今、昔のカイシャ生活も思い出すときに、唯一笑って思い出せる事は「人」です。

 

 

シノハラさんやハトリさんと一緒に仕事をできて…。自分は幸せだった。

 

 

所属していた「部署」や激務だった「仕事」、自分が少なからず残した「功績」などは…。まったくどうでもいい事実。

 

 

今でも尊敬できる、お手本になる上司に恵まれていたこと。カイシャ生活の思い出は、それが真っ先に思い浮かびます。

 

 

…。

 

 

若手だったドイツハーフが、これまでは幹事になって率先して準備をしてきた部署の飲み会も、これが最後。

 

 

今、この送別会で集まっているメンバーでワイガヤするのも、これが最後。

 

 

これからは、まったく新しい仕事と職場環境が待っています。

 

 

行先は、学生時代に何年も暮らしていた、慣れ親しんだドイツ。

 

 

そこで「日系企業の出向者」として、ドイツの社会人として、働く日々がはじまります。

 

 


2年ぶりにドイツへ「帰国」

 

 

必要無くなった家具を処分して、転出届を提出して、大量の荷物を事前に日本から送り出して…。

 

 

とうとう移住がはじまりました。

 

 

諸々の事務的な手続きと、ドイツへの移動は、けっこうすんなりいきました。

 

 

しかし…。ドイツへ降り立った後は、意外にも苦労した。

 

 

大手企業だったため、手続きや出向準備の作業自体はサポートも多く、基本的には困ることはなかったのですが…。

 

 

それは日本側だけの話だった。

 

 

ドイツの拠点へ着任してみたら…。

 

 

「○○の準備がまだ終わっていません」

 

 

とか…。

 

 

「えっ? ○○の件なんて聞いてませんけど」

 

 

とか言われてしまい、実はコダモンの受け入れ態勢がまだしっかり整っていなかった事が判明。

 

 

「マジかよ…」

 

 

ドイツに着いた途端にコレだったので、さすがに面食らってしまいました。

 

 

「でも…それもう2ヵ月前に日本から伝えましたよね!?」

 

 

みたいなシチュエーションも、けっこう多かった。

 

 

久しぶりにドイツの洗礼に遭うドイツハーフ…。

 

 

現地で対応してくれる人事の人も、別に悪気はない。けど、なんともお粗末な対応をまず経験してしまいました。

 

 

しかも、いったんドイツへ来てしまったら、日本からのサポートが目に見えて貧弱になった。

 

 

出向者をいったん送り出してしまったら、あとは「新しい所属先」の問題だと言わんばかり。

 

 

「郷に入れば…」みたいなやり方かしら。

 

 

ドイツハーフだから、現地で何でも自分で解決できると思われてたのかも。

 

 

何はともあれ、ドイツで仕事を始める前に、そもそも移住と「業務を始めるまでの諸手続き」に時間がかかってしまった。

 

 

こっちが急ぎの要件だと言っても、なかなかとりあってくれないドイツ人。

 

 

そういえば…。

 

 

ドイツで学生をしていた時も、何か簡単な申請を済ませようとしただけで、「構内をたらい回し」にされたなぁ…。

 

 

そんなほろ苦い思い出が、蘇ります(笑)

 

 

それほど、ドイツへ来た途端に「対応の違い」に直面しました。

 

 

自分が駐在しているのは、もちろん同じ系列で、日系の企業なのに…。

 

 

…。

 

 

そこで働いている人間の国籍が変わるだけで、その「働き方」と「思考回路」はガラっと変わります。

 

 

日本は、全ての仕事がマニュアル化されている事が多く、また社員一人一人の仕事がとても丁寧です。

 

 

社内外問わず、高いサービスを提供しようとする精神があり、さらにそこに「残業を普通に行う文化」も加わり…。期限を遵守することに対する意識がとても高い。

 

 

かたやドイツ。

 

 

いくらでも納期を無視します (笑)

 

 

その対象が日本からの出向者でも、おかまいなし。

 

 

ドイツ人は、自分が契約書にサインした内容の仕事だけをこなそうとするので…。良くも悪くも、その働き方と業務に対するマインドセットが、非常にサッパリしています。

 

 

ただ…。ここ2年間を日本で過ごし、バリバリの法人営業で日本式に鍛え抜かれたドイツハーフは、それを「怠惰」だと感じてしまった。

 

 

ドイツ人の対応は、国民性が単純に反映されただけの「よくある事」なのに…。

 

 

そんなこんなで、まず久しぶりの「ドイツの空気」、そして「ドイツのペース」に慣れることからのスタートになりました。

 

 


ドイツでの上司は「日本人」?

 

 

ドイツには、コダモンの他にも日本からの駐在員がいました。

 

 

彼らは、みんな自分より1 ~ 2年ほど前にドイツへ移住してきた、本社からの出向者。

 

 

現地の全てのスタッフを統括するレベルのトップから、コダモン同様の下っ端まで。

 

 

…。

 

 

日本にいた時から、これから勤務地となるドイツでの組織体制は知らされていました。

 

 

欧州のマーケットが巨大なこともあり、そこで活躍する営業チームは、かなり大きい。

 

 

しかし、営業マンとして駐在員となるのは、その体制の中ではコダモンが最初。

 

 

現地の営業組織は、完全に「外国人」だけで成り立っています。

 

 

ドイツ人だけでなく、様々な国籍の人員で構成されていた。

 

 

そしてそこに、ある意味「特別枠」として、日本からの出向者であるコダモンが加入。

 

 

現地のスタッフ達からすれば…。

 

 

この新入りのドイツハーフは見た目が外国人だけど、その存在自体は「本社から来たお客さん」。

 

 

その特殊な出向者に対して…。

 

 

「あいつはどれだけ仕事ができるんだい?」

 

 

「どうやって接したらいいの?」

 

 

「どこまで情報を共有したらいいのだろう…?」

 

 

そのような声が、どこからともなく上がっていた模様。

 

 

まぁ…。無理もない。

 

 

いきなりチームメンバーが増えたのに、その新メンバーの「仕事」と「役割分担」が明示されていないからです。

 

 

そのような状況の中でも、海外チームへうまく溶け込む必要があるため…。自分がこれからドイツでどのように活動していくか? それが重要でした。

 

 

いつまでも現地の人間から「本社からのお客さん扱い」されていては、まったく効率は上がらない。

 

 

また逆に、現地のチームの一員ではあるものの、その「一部に完全に成り下がって」しまっては、わざわざ駐在となった意味がない。

 

 

これは…。意外にムズい (笑)

 

 

「コダモン、お前には『本社の考え』をもってドイツから働いてもらわないと意味がない!」

 

 

そのように、日本にいた時からお偉いさんに念を押されていたからです。

 

 

…。どうやって実行したらいいんだコレ。

 

 

何はともあれ、とりあえず働いてみる。

 

 

…。

 

 

ドイツで直属の上司となった人は、営業部門の部長さんでした。

 

 

40代後半のエネルギッシュなドイツ人。

 

 

その彼は営業歴20年以上で、バリバリの営業マンといった感じ。

 

 

欧州のタフな顧客と渡り合ってきた経験があるため、よく喋るひょうきんなキャラながら、いつもどっしりと構えた人でした。

 

 

しかし…。

 

 

駐在となってからというもの、この部長さんと密に関わる事は、最後までほとんどありませんでした。

 

 

なぜなら…。

 

 

日本人駐在員だったお偉いさん

 

 

彼が、実質自分の上司のような立場にいたからです…。

 

 


異国の地でも「日本」を実践する駐在員

 

 

コダモンが出社すると、現地のスタッフや同僚は、誰もが気さくに挨拶をしてくれて、みんな「ハーイ」とか「ヨロシクー」という感じ。

 

 

大学時代に慣れ親しんだ、海外特有のフラットな上下関係が、そこにはありました。

 

 

拠点長クラスの偉い人でも、向こうがOKならば敬語を使わなくなる。

 

 

年が離れていても、上下関係があっても、お互いに「下の名前」で呼び合うような間柄にもなれる。ドイツの組織では、それが当たり前なのです。

 

 

しかも、みんなの服装もとてもカジュアル。

 

 

エンジニアなどは、ジーパンにポロシャツです。

 

 

なんて風通しの良いこと…。

 

 

こんなところにも、日本との違いを実感します。

 

 

それとは逆に…。

 

 

とても日本式に、どことなく「重み」を感じる迎え方をしてくれた、日本人駐在員たち。

 

 

みんなもちろん律義にスーツ姿 (笑)

 

 

コダモンの他にも、欧州には駐在員が散り散りに配置されていました。

 

 

その中でも、市場の大きいドイツには、ざっくり6人ほどの駐在員がいた。

 

 

そんな彼らが、「新入りの駐在員」を品定めしているような…。少しだけピリピリした感じがありました。

 

 

ドイツ駐在員として、ドイツで働いている日本人たち。

 

 

彼らは…。

 

 

 

ドイツという異国の地でも年功序列をしっかり実践していた

 

 

 

みんな当然のように、「日本式」を実行しながら働いています。

 

 

そして、そんな彼らは、どこなく周りのドイツ人からは敬遠されているようにも見える…。

 

 

国も文化も違うのに…。ドイツのオフィスの中には、小さな「日本」があった。

 

 

そして、その小さな世界で結束する駐在員たちは、明らかにドイツ人とはその「働き方」が違った。

 

 

新しい所属先にたった数日出社したばかりだけど、それはとても明確でした。

 

 

夜まで残業をしているのは日本人だけ

 

 

ドイツ人社員はみんなとっくに帰宅しているのに。

 

 

朝早くに出社して16時くらいにはさっさと帰宅するドイツ人。それを尻目に、案の定いつまでも残業している日本人駐在員たち…。

 

 

延々とムダ会議をしているのも日本人だけ

 

 

オフィスに留まる時間を必要最低限にすること。それはドイツ人にとって死活問題です。

 

 

仕事を分刻みでバリバリこなして、それが終わったらさっさと帰る。

 

 

そんな彼らを、「ムダ会議」などで拘束することはできません。

 

 

そのため…。ドイツ人が帰ってから、日本人だけで集まって会議してる (笑) どんだけ効率悪いんだ…。

 

 

休日にメールを書くのも日本人だけ

 

 

これはもう彼らのお家芸。

 

 

ドイツ人は、休日になると社用ケータイもオフにします。彼らのプライベートな時間は、まさに聖域。

 

 

それとは真逆で、休日にもメールをチェックして、電話までしてくるのが日本人。そして、日本の駐在員。

 

 

…。

 

 

このように、本社にいた頃と同じ「そのままの光景」が、ドイツの駐在員にはありました。

 

 

既に出向者として働いている彼らは、上司であり先輩。

 

 

「この新米をどう扱ってやろうかな…?」

 

 

そのような視線も感じながら、とりあえずみんなにご挨拶。

 

 

みんな良い人そうだけど、やっぱり現地の人との隔たりは大きい。

 

 

ドイツ人は…。

 

 

「まだ引っ越しで大変だろ? 仕事なんてゆっくりはじめたらいいよ!」

 

 

そのように言ってくれる。

 

 

しかし、日本人からは…。

 

 

「例の件、今日の午後時間あったらさっそく打ち合わせさせれくれ」

 

 

と言われ、けっこう容赦がない。

 

 

もちろん、仕事をするために駐在となったのだけど…。そんなに「あくせく」しなくても良いんじゃないの? と、つい思ってしまう。

 

 

しかも…。

 

 

オフィスで一番上の人が帰らないと、どの駐在員もなかなか帰ろうとしない。

 

 

ドイツには年功序列なんて無いのに…!

 

 

それでも、日本式をしっかり守りながら、明らかに仕事がないのに残業している人も…。

 

 

「マジかこれ…」

 

 

うなだれるドイツハーフ。

 

 

「日本と変わらないじゃん…!」

 

 

出向したドイツオフィスには、どうやらこれまでと同様の「働き方」が待ち受けているようでした。

 

 

むしろ、その人数が少ないこともあり…。「日本式」がさらにギュっ!と濃縮されたような感覚を覚えた。

 

 

一気にゲンナリ。

 

 

そして…。さっそくその「洗礼」を浴びる事態になったのです。

 

 


日本人の「上司」がヤバかった

 

 

ちなみに、海外で駐在員をする人たちは、どの業種も「激務」になりがちらしい。

 

 

コダモンも、駐在になってから実際に見て、経験しました。

 

 

 

駐在員としての処遇の良さから「もっと働け!」と本社や上司からハッパをかけられる

 

 

 

遠方にいる駐在員の仕事ぶりを「見える化」させるためにムダ会議とムダ報告書が増える

 

 

 

本社の人間が海外拠点に在籍する「日本人」を頼ることが多いので雑務が増える

 

 

 

このような理由から、逆に本社時代より忙しくなる人も多いのです。

 

 

慣れない海外において「事業拡大」とか「受注増」などの大規模なターゲットに対して、単純にその達成に追われる立場にいる人も多い。

 

 

そもそも日本でエンドレスで残業していたのに…。

 

 

異国の地へ来たら、さらに残業が増えるという闇の図式の出来上がり。

 

 

そういえば…。

 

 

思い起こすこと、出向前の出来事です。

 

 

その時は、本社で役員の人に会議室に呼び出されて…。駐在にあたって「コダモンに期待されるタスク」などの話をされた。

 

 

中途で入社した頃の面接官でもあった、そのお偉いさん。

 

 

自分も海外での駐在経験がある、ベテラン社員であり上司でした。

 

 

そんな彼が、会議も終わりに近づいた時、ちょっと遠くを見るように…。

 

 

「でも…。向こうに行ったら行ったで苦労するだろうなぁ…」

 

 

…と。ふとこんな事を「ボソっ…」と言いました。

 

 

あまり脈絡のない場面でのコメントだったのですが、しっかり聞こえた。

 

 

そして、この時の役員の一言は、自分の中でとてもひっかかりました。

 

 

このお偉いさんも、もう十何年以上も前の若い頃から、何度か駐在員を経験している。

 

 

激動のビジネス変遷の時代を生き抜いてきた、その経験値は膨大です。

 

 

日系の大手企業で、酸いも甘いもたくさん経験していた人だったので…。その「お前は多分苦労する」という言葉に、とても重みがあったのです。

 

 

「でもまぁ、頑張れよ」

 

 

最後はそう言って激励してくれた、そのお偉いさん。

 

 

コダモンの事を子飼いのように扱ってくれていた人だったので…。なんかしんみり来ました。

 

 

そして、ドイツの現状を見た時…。この役員の言葉を思い出したのです。

 

 

…。

 

 

話をドイツに戻します。

 

 

コダモンが配属となった拠点には、事業部長クラスの駐在員が1人いました。

 

 

生え抜きで、もう50代。古参の中でも古株の人です。

 

 

その人は…。毎日「駐在員の鏡」のように働いていた。

 

 

日中はドイツ人の対応をして、定時以降に会議をして残業して…。

 

 

休日でも容赦なく飛んでくる日本からのメールに対応して…。

 

 

毎週の本国への「報告書」に膨大な時間をかけて…。

 

 

休暇中にもメールを書いて…。

 

 

…。

 

 

仕事が生きがいなんだなぁ

 

 

その様子をはたから見ながら、ドイツハーフは引きました。

 

 

いや…。

 

 

本人もそうせざるを得ないほど、実際に仕事ばかりだったのでしょう…。

 

 

そして…。

 

 

この人が「上司」になった

 

 

お互いの席も目と鼻の先。完全に駐在員の中に取り込まれ、「日本人の上司」のもとで働くことになりました。

 

 

…。

 

 

本社時代と何も変わってない (泣)

 

 

せっかく海外勤務になったのに、まだゴリゴリの日本式で働くことになるのか…?

 

 

ドイツの駐在員として、コダモンのサラリーマン生活が再スタートします…。