休日に仕事やメールをしない - ドイツ人が休暇中に仕事をしたらケンカになった

デスクに向かってパソコンに指を差す女性

ワークライフバランスを大切にするドイツ人が休暇中に仕事をしたら一大事に! 職場がザワついたその理由とは?



 

 

コダモンです。(@_kodamon)

 

 

ドイツのドイツ企業でサラリーマンをしています。

 

 

ドイツで働き始めてから2年目も後半に差し掛かりますが、これまで現地のドイツ人に混じって『ドイツの働き方』をたくさん経験してきました。

 

 

その働き方とは、ワークライフバランスを重視する働き方。

 

 

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ドイツでは残業が基本的に無いし、仕事後の面倒な付き合いも無い。みんな就業時間内にバリバリ仕事をして、それが終わればとっとと家族のもとへ帰ります。余暇を大切にするドイツ人は、長期休暇もしっかり取得して、定期的にリフレッシュしながら会社員生活を送っています。

 

 

日本でサラリーマンをしていた当時の環境とは大違い。定時帰宅や有給休暇の全取得が、ドイツでは当たり前なのです。

 

 

そんな夢のようなドイツの職場ですが…。

 

 

実は最近、ただならぬ事態に遭遇しまし

 

 

『有給休暇』と『仕事』をめぐって、職場で議論が巻き起こったのです。

 

 


青空のもとビーチで散歩する父娘

1. ドイツの有給休暇は労働者の『聖域』

 

 

まず、ドイツ人とドイツの『有給休暇』について。

 

 

ドイツ人の有給休暇は『不可侵』とも言えるほど絶対的なものです。

 

 

ドイツの会社員は上司の顔色を伺うこともせず、周りをまったく気にせず、労働者の当然の権利として休暇申請をします。

 

 

これが…日本とは大違い。

 

 

日本で日本企業に勤めていた時は、有給休暇を申請したら「何で休むの?」「お前が休んだら誰が仕事をするんだ?」などと言われた。そもそも自分の好きなタイミングで休めないし、長期休暇を取ると『自分勝手』などと言われる。労働者の権利は、集団行動と会社都合で完全にないがしろです。

 

 

かたやドイツ。

 

 

ドイツで働いてみたら、有給休暇の取得率は問答無用で100%でした。休むことに理由は要らないし、周りを気にする事もない。上司や取引先も、みんな基本的に休みたい時に休みます。

 

 

日本では、『周りに迷惑をかけないように』休まず働いて会社に貢献するのが良しとされますが、ドイツでは逆に「しっかり休め!」と言われます。

 

 

 

コンプライアンスが非常に厳しいドイツでは、社員が有給休暇を健全に消化できるような取り組みが行われます。部署単位で社員の休暇予定を事前にシェアして代替えやスケジュール調整を行います。

 

 

そして、休暇中のドイツ人は、基本的には音信不通となります。休暇中は社用ケータイを完全に電源offにする人もいる。「休暇中は仕事をしない!」と徹底しているのです。

 

 

どんなに急な仕事が発生しても、上司がどれだけ困っても、休暇に出かけてしまった社員は「あとは野となれ山となれ」と知らん顔。取り残された職場の人たちは、担当者不在で不都合が発生しても何とかその場を乗り切るしかない。場合によっては、取引先を待たせたりもします。

 

 

それでもなぜドイツでは仕事がまわるのかと言うと、結果的にドイツの職場は『みんな定期的に休む』ので、そのような状況は『お互い様』であるからです。

 

 

これが本来あるべき有給休暇の姿であり、ドイツは社会全体で休暇に対する一定の理解があるのです。

 

 

ドイツでは、担当者が『休暇中』である場合は無理強いをしません。短納期の案件や、会社のイメージに関わるような緊急な場合に、やむ無く職場に残された人員が対応するのです。

 

 

そんなドイツですが…。時には例外もあります。

 

 

最近の話ですが、休暇中にもかかわらず仕事をしたドイツ人がいたのです。

 

 

そして、それが職場をザワつかせる事態になりました。

 

 


2. ドイツ人が休暇中に仕事をしたらケンカ騒ぎに!

 

 

これは、とある日の職場での会話です。

 

 

会話というよりも、ちょっとした言い合いのケンカでした。

 

 

その発端は、とあるプロジェクトマネージャーが休暇中に仕事のメールを書いたこと。

 

 

そのメールの存在を知ったおばちゃん社員が、プロジェクトマネージャーの上司に詰め寄ったのです。

 

 

 「あんた、○○ (プロジェクトマネージャー) が休暇中なのに仕事のメールを書いたの知っているの? かわいそうに、そこから取引先からの返信がたくさん入っちゃって…。彼、ただでさえ毎日忙しいのに、これじゃ全然休めないじゃない!」

 

 

そのように言う、おばちゃん社員。彼女はプロジェクトに関わる一員だったので、チーム内の状況に詳しかったのです。

 

 

「それは○○が悪い。自分のプロジェクトのスケジュール、進捗具合、顧客状況などをしっかり理解して『忙しくなるかどうか』をクリアにしてから休暇に行くべきだった」

 

 

 

そのように淡々と答える上司のベテラン社員。落ち着き払った態度です。

 

 

「でも、彼は『休暇中』なのよ!? 休暇を取るのが事前にわかっていたら、そのサポート体制を敷くのがあなたの役目でしょう?」

 

 

そう言って詰め寄るおばちゃん社員。

 

 

『有給休暇』という絶対的な権利を行使しているのに、仕事をするハメになってしまった同僚のプロジェクトマネージャーに同情しているのです。

 

 

彼女の語気が強まると同時に、相手のベテラン上司も反撃に出ます。

 

 

 「○○が担当するプロジェクトは過渡期で、この大事な時期を乗り切れるように配慮すべきだったんだ!」

「○○はそれを知っていながら休暇に入った! これは責任の問題で、休暇に行くと事前にわかっていたんだから、それまでに片付けるべきだった。それだけのことだ!」

「それができないまま休みに入ったのだから、休暇中でも対応するのは当然だろう…!?」

 

 

このベテラン社員の反論に、耳を疑うおばちゃん社員。

 

 

「ありえないわ…」

 

 

「理解できない」そう言わんばかりに首を横に振ります。

 

 

するとすかさず、その隣にいた別のベテラン社員が加勢します。

 

 

「それでも、休暇は休暇だろ? 仕事の進捗具合がどうであれ、○○が休暇中である以上は仕事をさせてはダメだ…」

 

 

周囲を巻き込む議論に発展したこの会話は、圧倒的に『ちゃんと休ませろ』という意見が多かったです。

 

 

冒頭でも触れましたが、ドイツ人にとって有給休暇は『聖域』。

 

 

このベテラン上司のような人は本来少なく、ドイツでは『責任論』などで休暇中の社員に仕事をさせるのはNGです。

 

 

部下が休暇中であれば、どんな背景や理由があったとしても、上司や周りがサポートするのが当然だという認識があるのです。

 

 

それでも、このカタブツ上司は譲りません。

 

 

「○○は担当する案件に優先順位をつけて、課題をクリアにしてから休暇に行くべきだった。担当者として当然だろう!?」

「ある一定のポジションからは責任を伴うようになるんだ…!」 

 

 

その後もドイツ人同士の議論はヒートアップしましたが、最後まで水掛け論のようになってしまい…。結局お互いが譲らないまま、ケンカ別れのようになってしまいました。

 

 

『とある社員が休暇中に仕事した』たったそれだけの理由で、ドイツでは職場がザワつく事態になったのです。

 

 


3. 休暇中に仕事をすることは『悪』である

 

 

自分の目の前で繰り広げられた今回の議論は、とても興味深かった。

 

 

なぜなら、上司のドイツ人が言う『責任論』は圧倒的な少数派だったからです。ワークライフバランスを重んじるドイツならでは。

 

 

ちなみに、今回のような議論が発生したのは、海外特有のフラットな人間関係のおかげです。

 

 

ドイツには日本のような『先輩後輩』の上下関係がありません。上司に対しても下の名前で呼ぶのが普通であり、個人主義の色が強いドイツでは時にちょっとした言い合いになる事もあります。

 

 

いずれにせよ、この一連の騒動の発端でもあるおばちゃん社員は、ドイツ人のメンタリティーをまさに体現してくれました。

 

 

ワークライフバランスを重んじるドイツ人からすれば、休暇中に仕事をすることは『ありえない』のです。

 

 

 

そして、それはケンカ腰になるほど大事なテーマ。

 

 

有給休暇の本来の意味は『リフレッシュすること』にあります。毎日忙しい日々を送る会社員が、バカンスに出かけたり家族とまったり過ごす事で、定期的にストレスを緩和すること。

 

 

これがしっかり実践できないと、最終的に心身に支障をきたします。有給休暇を取らないと、職場や仕事のストレスがどんどん蓄積されていってしまう。その最たるものが『過労死』です。

 

 

日本企業では、遅刻する代わりに有給を取ったり、病院に行くだけでも半休を取らされることが多い。ただでさえ有給取得可能日数は少ないのに、社員を休ませる気などサラサラない。

 

 

「休暇中でも責任を持って仕事優先!」と言っていたドイツ人上司は、日本で働いていた当時の日本人上司を彷彿(ほうふつ)とさせました。仕事が生きがいであり、ストレスまみれで余裕のカケラも無かった人たち…。

 

 

そして、そんなドイツ人は例外。それを、今回の議論(というかケンカ)が証明してくれました。

 

 

ドイツでは、休暇中に仕事をすることは『悪』です。

 

 

有給休暇は労働者の当然の権利であり、その取得に理由は必要なく、休暇中はリフレッシュに専念すること。

 

 

そうすることで、継続的に、健全に、会社員生活がまっとうできるのです。

 

 

 

 

コダモン

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