リクルートスーツで没個性する就活生

日本は社会人になっても集団行動が求められて『個性』は完全にないがしろ。リクルートスーツを着て就職活動をする事はその序章です。

 



 

 

コダモンです。(@_kodamon)

 

 

Yahoo! でもトップニュースになっていたこの記事:

 

 

「茂木氏『この国は終わっている』就活生の没個性指摘」

 

 

その切り込んだタイトルと内容に、SNS場でも賛否両論が巻き起こっているようです。

 

 

日本とドイツの両方で社会人を経験して、グローバルビジネスの最先端を走っている、わたくしコダモン。

 

 

日本生まれ日本育ちのドイツハーフとして、この『没個性』というテーマをじっくり考察しようと思います。

 

 


 1. 日本は昔から『没個性』が得意

 

 

Twitterでの茂木氏のつぶやきと、記事の抜粋は以下の通り:

 

  

「『今日の夜、東京のある駅の近くを歩いていたら、全く同じようなリクルートスーツをきた学生の集団が数十人、騒ぎながら通り過ぎていた』(中略)『画一性。没個性。この国は、本当に終わっているんだなあ、と思った。経団連のお墨付き』」

(出典:Yahoo!ニュース, 2017年06月10日時点) 

 

 

「日本が終わっている」かどうかはわかりませんが、自分は日系の大手企業に就職していたので、茂木氏が言わんとしている事がわかります。

 

 

そして、就活生が没個性している」という意見に同意します。

 

 

正直なところ、日本の就活生から連想できるのは、「個性」とは程遠い事項ばかりです。

 

 

みんな同じ時期に同じような格好をして、就活のマナーやルールをキチッと守りながら就職活動。企業面接では同じような質疑応答が何度も繰り返されて、みんなマニュアル通りになるべく無難に乗り切ろうとする。

 

 

わたくしコダモンは中途採用での入社だったので就活を経験していませんが、はたから見ていても日本の就職活動は悲惨です。そして、その根っこの部分である『新卒一括採用』に個性は求められません。

 

 

新卒の採用活動ではどの学生もみんな一様に『横並び』にさせられます。

  

 

日本の会社員は『終身雇用』によって企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けていました。そのため、企業は新卒を一括で採用してじっくり教育していくのが一般的で、個性や能力よりも「会社色に染めること」が重要だったのです。

 

 

1960~70年代の高度成長期に確立された終身雇用という日本的雇用慣行。それは、まさにイケイケドンドンな時代に「労働者を囲い込むため」に出来上がったものです。

 

 

しかし、昨今の日本は圧倒的な売り手市場。労働人口も減少している中、転職はもはや当たり前となり、終身雇用はすでに過去の産物と化しています。

 

 

長期雇用ありきで成り立つのが新卒一括採用のシステムなので、そもそも既に時代遅れ。通年採用をする欧米諸国からも置いてけぼりです。

 

 

日本の没個性は、グローバル化社会に対応できない企業組織のせいでもあるのです。

 

 


2.『個性』が無いまま就職活動

 

 

日本の職場には終身雇用の名残があり、先輩後輩の年功序列のシステムをベースに組織されています。グローバル化が進んでいるのに、とても古い体制と考え方で社員を確保しようとするわけです。

 

 

企業が一斉に新卒の採用活動を行い、就活生がみんな同じようにリクルートスーツを着て説明会や面接に参加する。毎年お決まりのルーティーンです。

 

 

まさに『一括採用』という表現がピッタリですが、残念ながらそこに『個性』は求められていません。

 

 

ポテンシャル採用とは名ばかりで、その中身は『会社色に染めやすい人』を採用するだけ。ただ…それだけ。

 

 

「採用担当者は、リクルートスーツの向こうにある個性を見ている!」

 

 

 

そのような意見もあるでしょうが、そうは思わない。

 

 

 

日本の就活は取り決めやマナー、暗黙のルールなどが煩雑で、結果的に学生は無個性を強いられます。経団連に非加盟の企業 (外資・ベンチャー系企業)  以外の大半の企業では、まだまだ古臭い人事のまま『新卒一括採用』が行われているのです。

 

 

採用される側もする側も、就職活動中は結局みんなルールで『がんじがらめ』なので、結果的に学生たちは当たり障りの無い、ミスを極力回避するような行動と容姿になってしまうのです。

 

 

昔ながらの終身雇用の制度ともマッチしているので、新卒一括採用のシステムは日本の企業にとってはまだまだウェルカムです。集団行動の意識とか、民族性とかにもマッチしているんでしょうね。

 

 

ただし、諸外国からはしっかり置いていかれています。

 

 

日本の企業にグローバル人材が乏しいのは周知の事実ですが、残念ながら新卒を採用する段階で既に負け戦です。

 

 

そもそも、『個性無し』でどうやって海外勢と勝負するのでしょうか?

 

 


3. 「他人と同じ事」はリスクでしかない!?

 

 

人の個性を考えたときに、『見た目』は重要な要素です。

 

 

イケメンとか美女とかそういう話ではなく、その人のなりと印象という意味です。「パッと見た時に感じる個性」とでも言えるでしょうか。

 

 

もちろん内面も大事なのですが、一発勝負のシチュエーションが多い海外ビジネスや社交の場では、お互い知らない者同士です。そのため、場所や状況を問わず、まず外見からの判断になるのは当然だと思います。

 

 

 その人の『見た目』が相手に与える第一印象というのは、実はとても大事なのです。

 

 

外見が認められて信頼感を得られれば、成果につながることだってあります。ビジネスマン(/ウーマン)たるもの、取引先などの相手を、その第一印象から生まれる『個性』をもって巻き込み魅了するところに、成功の秘訣もあります。

 

 

そのため…。

 

 

『周りと同じ見た目』というのは百害あって一利なし!!

 

 

みんながみんな同じ様相なほど、つまらないものはありません。

 

 

 

ドイツでは通年採用が行われており、学生の卒業のタイミングも就職活動時期もそれぞれ異なります。何でも『個』に任せるドイツ社会では、全てが自己責任。会社が指定する服装は無く、デニムにシャツを合わせるスタイルで面接に挑む人もいます。

 

 

グローバルビジネスにおいて、相手に与える第一印象と『記憶に残るインパクト』の重要性は高いです。

 

 

自分の場合は、ハーフというだけで相手への第一印象は強烈でした。でも、それはあくまで日本国内だけの話。ドイツで大学に通って、ドイツで働いてみたら、自分の存在がまったく特別ではないことに気づかされました。

 

 

グローバルビジネスの現場では、『周りと同じ』では何もやっていけません。個々の能力やスキルもそうですが、見た目も同様です。

 

 

そんな中、リクルートスーツに身を包みながら就職活動をする若者たちには、『周りと同じ行動』と『同じ見た目』が求められています。最初からズブズブの日本式で企業にアプローチすることが求められ、そこに『個性』の2文字はありません。

 

 

就活に関するサイトに目を通すと、「身だしなみがどうのこうの…」「髪型はどうあるべきか…」とか書いてある。

 

 

 「恥をかかないための就活マナー!」

 

 

「就活のための身だしなみチェックリスト!」

 

 

(…何コレ中学生かよ)

 

 

就活生はもう大人のはずなのに、学校の校則を連想させます。こんなものが採用の基準にあるのは…正直ちょっとひいてしまう。しかも、第一印象が面接を左右するから、周りのみんなと相違ない身だしなみが良いらしい…!?

 

 

こんな調子だから、日本にはいつまで経ってもグローバル人材が育たないし、『グローバル企業』とは名ばかりのお粗末な会社が多いのです。 

 

 


4. リクルートスーツを着る意味

 

 

欧米諸国にもいわゆる就職活動はありますが、基本的には通年採用であり、日本のような就活シーズンが存在しません。

 

 

ドイツでは、ヒゲを生やして就職活動をする人が普通に存在します。業種にもよりますが、スーツ姿ではなくカジュアルな格好で面接に臨む人もいる。

  

 

ドイツは個人主義であり実力主義なので、社会人は何をするにも自己責任であり『個人戦』です。

 

 

日本のようにみんなが一斉にワラワラと就職活動を始める事もないし、マニュアルや就活マナーなども無い。そもそもそんなくだらないモノでドイツ人を型に嵌めることはできません。

 

 

ドイツ人による就職活動では、誰もが『個』を全力でアピールします。そして、周りとの差別化になるスキルと能力をもってポジション獲得を狙うのです。

 

 

 

就活専用のスーツがあるのは日本だけです。没個性もさることながら、みんなが同じ格好をして面接する意図が不明で、海外からすれば日本の就職活動シーンは異常に映るでしょう。

 

 

そんな海外から一歩も二歩も遅れているのが、日本の新卒一括採用であり、日本の就職活動。没個性でスタートさせた社会人生活は、日本でしか通用しません。

 

 

そのような残念な環境において、個性を抑え込む仕様がいたるところにあります。

 

 

そして、リクルートスーツ』という代物が元凶のひとつです。

 

 

そもそもリクルートスーツって何なのでしょうか? 英語表記だと、"recruit suit" となります。まぁ、"採用スーツ" みたいな意味合いを持たせたいのでしょうね。完全に和製英語です。

 

 

しかしながら、面接の場にフォーマルが必要なら、単純にスーツでもいいわけで…そもそもリクルートスーツの存在意義がわかりません。「就職活動中に着用すること」を目的としている、その理由が不明なのです。

 

 

客観的に見れば、リクルートスーツの主目的は『周りと同じように見える事』でしょう。

 

 

「清潔感や真面目さが現れるから」みたいな理由もあるみたいですけど、それはただの後付け。いずれにせよ一般的なスーツで十分なはずです。

 

 

「リクルートスーツが無難」「何も考えずにリクルートスーツを選べば問題はない」そういう思考停止な就職活動は、是非避けたい。

 

 

リクルートスーツを着る『納得できる理由』が無いうちは、リクルートスーツでの就職活動はやめましょう。

 

 


5.  『没個性』が出来上がるまで

 

  

ちなみに、わたくしコダモンはドイツの大学卒業後に日本の会社に中途入社したため、リクルートスーツとは無縁でした。

 

 

日本の会社に入社してからリクルートスーツの存在を知ったのですが、その時とっさにリクルートスーツは学生服の延長だと感じました。

  

 

日本の学校は何をするにも集団行動で、校則などのルールを守ることが絶対だと教えられます。そこで着る学生服と、このリクルートスーツは一緒です。

 

 

古い慣行と教育で集団行動が鍛えられる日本ですが、「学校で集団行動を学んでいない人は社会で困る」という意見もあるように、周りに合わせるのが当たり前だと教え込まれます。

 

 

 

そのような日本で『個性』が発揮できるのは、ようやく大学生になってからです。

 

 

中学から高校までお世話になった学生服に別れを告げて、意気揚々と私服でキャンパスライフを満喫する学生たち。私立の学校では私服でしょうが、大半の人は大学生になってからルールと束縛から解放されます。

 

 

大学に入ってようやく自由を勝ち取れたはずなのに…。

 

 

 

リクルートスーツで集団行動の世界に逆戻り!

 

 

 

大人になっても、『周りに合わせること』を求められるのです。

 

 

『自立性』や『独創性』しっかり頭から抑えつける、日本の企業組織。新卒者の採用にあたっても、飛び抜けた個性を魅せる人材を扱えないのです。

 

 

「あなたはどれだけ従順な社員になれますか?」

 

 

そのような隠れたメッセージが込められているのが、リクルートスーツです。

 

 

没個性の、はじまりはじまり…。

 

 


6. 就活とリクルートスーツで試される

  

 

「自分の個性は見た目でなく内面で勝負しろ!」

 

 

これは、就職活動でセミナーや説明会などでもよく言われる事だそうです。

 

 

でも…。

  

 

「自分の個性は見た目でなく内面で勝負しろ!」

 

 

この言葉は、他人に言われてどうこうするものではありません。外見も内面も、そのどれもが他人との差別化となる『ツール』です。

 

 

そして、その全てが就活生の個性。 

 

 

周りに合わせることは『百害あって一利なし』だと言いましたが、本来ならば就活生は大学時代の専攻やスキル、海外経験や研究テーマなどで判断されなければなりません。しかし、日本の新卒一括採用のシステムがそれらを全て台無しにします。

 

 

新卒たちはみんなリクルートスーツを身にまといながら、一斉に横並びでスタートラインに立たされます。

 

 

 

欧米の諸外国からすれば、理解し難い現実が日本のソレにはあります。

 

 

 

海外の学生は、実力主義の世界へ飛び込む前に「何をしたいか?」を明確にして積極的に行動しています。周りの学生や外部のサポートはアテにせず、全て各々の裁量で就職活動を進めます。

 

 

 

日本の会社員は、入社時から職場や部署内で『周りに合わすこと』を求められ、先輩後輩の上下関係のもとに叩き上げられます。

 

 

「社内のルールが世界のルール」とでも言わんばかりの組織体制と環境下で、ひたすら周りの目を気にしながらストレスまみれで働いているのです。

 

  

その反面、外見から内面まで、様々な角度から『個』がテストされるのが海外。そこでは集団行動に頼ることはできません。

 

 

このような現状で、日本の会社にはいつまでも物事を決断できない上司や、意思決定の非常に遅い組織体制が多く存在します。グローバルビジネスにおいて海外勢から遅れをとり、非常に苦労します。そもそも、日本式が海外で通用するはずがないのに。

 

 

このような組織の予備軍として、『周りに合わせること』でしか行動できない会社員になる可能性を秘めているのが日本の就職活動。

 

 

そして…。

 

 

 

それを体現させるツールがリクルートスーツ

 

 

 

日本の就活生たちは、リクルートスーツに身を包むことによって「私は御社に順応する準備が整っています」と、暗に宣言させられているのです。 

 

 

まさに画一性。『没個性』です。

 

 

茂木氏ではありませんが、就職活動の現状について考えると、「日本は終わる」と思いたくもなりますね。

 

 

 

コダモン

 

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