有給休暇を使わせない日本の職場はドイツに見習え!

遅刻や病欠に有給を消化させるようなブラックな働き方は、ドイツにはありません。



 

 

コダモンです。(@_kodamon)

 

 

「有給休暇を申請したら、休む理由をしつこく聞かれた」

 

 

「『繁忙期だから』という理由で休暇申請を却下された」

 

 

日系企業で働いていると、このような声をよく耳します。

 

 

わたくしコダモンも、以前勤めていた都内の日系大手企業で、似たような経験をしました。

 

 

「周りと足並みをそろえる」「周りに迷惑をかけない」そのような意味不明のプレッシャーと毎日戦いながら、余暇の確保すらままならず、1年を通してストレスまみれで働く日本。

 

 

そのような環境からさっさと離脱し、ドイツとのハーフである自分はその後ドイツに転職しました。

 

 

日本と対照的なドイツでサラリーマンを経験した事によって、日本独特の有給休暇のシステムやその使い方が普通じゃないという事に気づかされたのです。

 

 


1. 有給休暇のハードルが高い日本

 

 

主要先進国の中でも給休暇の取得日数がダントツに低い日本ですが、もう何年もそれが当たり前のように報じられてきました。毎年のように「日本の有給取得率は世界最下位!」といった記事を目にしますし、有給取得率の低さはストレス大国ニッポンの代名詞のようなもの。

 

 

そんな日本では、有給休暇取得の義務化がスタートしたらしいですが…。会社側が労働者に対して消化させる義務を負うのは、なんと最低5日。年間を通して、たった5日です。

 

 

社員を5日休ませることを『義務化』するって…。日本の有給事情のヤバさが浮き彫りになります。

 

 

せっかく対策するのなら、付与日数の全取得を義務化すればいいものですが、それができないのは日本の会社では社員が休むことによって現場がまわらなくなるから。お粗末なマネジメントが日本の会社では常態化しています。企業と職場の体制という根本的な問題です。

 

 

何はともあれ、日本の有給休暇の制度は、他にもツッコミ所が満載です。

 

 

・勤続6ヵ月で10日間付与

 

 

・6ヵ月未満の新入社員は基本的に有給取得不可

 

 

・勤続年数と共に取得可能日数が増え、6年6ヵ月以上で20日間を付与

 

 

これは一般労働者の場合で、しかも「全労働日の8割以上出勤した者のみ」というオマケつき。

 

 

いやいや…。

 

 

 

なんでこんなにハードル高いの? (笑)

 

 

 

本当に意味不明。

 

 

『休む権利』と勤続年数って何の関係があるのでしょうか。まさか年功序列ってわけじゃないだろうし。「十分に休みたいならまずはカイシャに貢献しろ」みたいな事なのか…? それはそれでヤバい。

 

 

ただでさえ毎日たくさん残業して集団的にストレスまみれで働いているのに、これではまとまった休みが取れず、疲労は永遠に蓄積されていくだけでしょう。

 

 

日本の会社はなぜここまで『社員を休ませない仕様』になっているのか? 理解に苦しみます。

 

 

しかもコレ、「新入社員は休むな!」という事なのだろうか。 4月入社の新卒は最初の6ヵ月が経過しないと有給取得の権利が発生しないから、「夏休みは無し!」という事ですかね? 新しく社会人を始めたばかりの若者は、一体何をモチベーションに入社後の辛い期間を乗り切ればいいのでしょうか。

 

 

ちなみにですが、ドイツでは年次有給日数30日が一般的です。しかも、入社したその日から。入社1年目から30日取れます。(実際に取りました)

 

 

日本の有給休暇日数の少なさと『年次有給休暇の付与』までのプロセスは異常。そして、そのハードルの高さは世界的に見ても普通ではないのです。

 

 


2. 有給休暇の取得は『悪』なのか

 

 

「未消化だった有給が10日分溜まってる」

 

 

「有給休暇に時効が無ければ、もう通算50日以上溜まっている」

 

 

このような事を自慢気に話す上司が、当時の職場にはたくさんいました。

 

 

日本では休まないで働くことが素晴らしいと教えられます。そして、それを実践している会社員がワンサカいます。

 

 

同僚も上司もみんな休むことなく働いて、中には休日にメールを書いてくる輩すらいる。「たくさん残業して身を粉にして働く!」という事が美化され、そのような働き方が高評価の対象になる傾向すらあります。

 

 

いずれにせよ、個人が好きでストレスまみれで働くのは勝手かもしれませんが…。残念ながら、日本の職場には「周りに合わせる」という暗黙のルールがあります。

 

 

「上司が有給休暇を取得しないのなら、部下である自分も取るわけにはいかない…」

 

 

「部署の人はみんなお盆休みに有給を消化するから、私もそうしなきゃ…」

 

 

こんな感じで、就業規則でも何でもないのに自分の当然の権利である有給休暇に無意味な制限をかけるようになるのです。

 

 

さらに、集団行動のお手本のような日系企業では、誰もが「周りに迷惑をけかない」ように働いています。

 

 

「自分が休んだら仕事がヤバい…」「○○さんに迷惑がかかる…」などと言って、自分が休むことによって周りに負担が発生する事を恐れるのです。労働者の当然の権利であるはずの有給取得ですが、それが悪い事でもあるかのようにビクビクしている。事実関係はさておき、みんな勝手にそうやって勘違いしながら黙々と働いています。

 

 

このようにして、有給取得率世界最下位の日本、そして有給休暇を取得し辛い日本の職場環境が出来上がるわけですね。

 

 

有給休暇を上司に申請する時に、「すみません…お休みをいただきます…」と言って、周りの目を気にしながらおそるおそる申請書を提出するのも日本の特徴。

 

 

『有給を使うのは悪!』とでも言わんばかりの風潮が蔓延しているのです。

 

 


3. 病欠は有給で!?

 

 

「有給休暇はいざという時のもの!」

 

 

こういった理解は、意外と万国共通だったりします。

 

 

有給を当然のように全取得するドイツでも、日常で起こり得る突発的なことに対応できるように、ある程度の日数を残す人が多いです。

 

 

しかし…。そんな有給休暇の使い方に関しても日本には異常に厳しいマナーがあります。

 

 

例えば『病欠』。

 

 

日本では、風邪などの病欠には原則として有給を消化するようになっています。

 

 

しかし、このような有給の使い方はドイツの職場ではあり得ないのです。

 

 

ドイツでは、医師の診断書があれば3日まで休めます。もちろん、有給を消化せずに、です。会社や職場によっては、上司に「今日ちょっと具合が悪い…」と伝えれば、その日は自宅から働く扱いにして目をつぶってくれる事だってあります。

 

 

そんなドイツ人が「いざという時のため」に取っておく有給というのは、冠婚葬祭などです。病欠に有給を使う気などサラサラありません。

 

 

その反面、日本ではたとえ半日休むだけでも「有給を使え!」となる。

 

 

わたくしコダモンも、これに関してはトラウマがあります…。

 

 

日系の大手企業に勤務していた当時、とある金曜日に体調が悪くなり、上司に早退したい旨を伝えました。その時は、ちょっと渋られたものの「有給を申請してから帰れよ」を念を押されました。

 

 

「…えっ!?」と一瞬面食らったものの、その時は熱も出ていて早く帰りたい一心だったので、言われるがままに半休を取りました。

 

 

そしてその後…。

 

 

数週間後に、またしても具合が悪くなりました。今度も発熱があり、仕事が手につきません。

 

 

「はぁ~また有給を消化するのか…」と気分が落ち込みますが、背に腹は代えられない。上司に申請書を持って体調が悪いことを伝えます。すると…。思いもよらない一言をかけられたのです。

 

 

「またかお前、前回の早退で味をしめただろ」

 

 

ニヤニヤするような、半分怒っているような顔で言われたのです。

 

 

ドイツハーフは愕然としました。

 

 

自分は本当に具合が悪い。そして、仕事も手につかないフラフラ状態。ただでさえ有給を消化して医者にかかる事が疑問なのに、さらに追い打ちをかけるように「お前本当に体調悪いの?」と言われたも同然なのです。もしくは、「コイツどうせ午後から遊びたいだけだろう…」そう思われたのかもしれません。

 

 

さらには…。

 

 

「お前が思ってるほど何度も有給は取れないんだぞ?」

 

 

そういう強いメッセージを、上司からダメ押しされたのです。

 

 

この経験を通して、日本の職場では病欠でも有給を消化しなければいけない事。そして、会社は社員が病気であっても休ませない。そして、有給休暇すら安易に取らせないのだ…!!という事を思い知らされました。

 

 

明らかに具合が悪そうな人でも、薬を飲みながら、マスクの中で咳き込みながら仕事をしている日本。みんな何かに洗脳されているかのように、無理をして出社します。

 

 

『有給休暇を使うのは悪!』という風潮をここまで徹底するとは…。とことん社員を休ませたくないのですね。

 

 


4. 遅刻する時は有給を消化

 

 

日本では、遅刻した社員に対して年次有給休暇からカットする会社もあるらしい。

 

 

ただしこれは、厳密には労働者の同意を得なければいけないので、本来はアウトな方法。その代わり、日本の職場では遅刻した社員に対して減給などの懲戒処分を科すことができます。労働基準の観点からも、遅刻者に対する減給は可能なのです。

 

 

「1分でも遅刻したら罰金3,000円!」そのようなルールを勝手に設けている会社もあるとか無いとか。

 

 

しかし実際は、そういった罰則よりも遅刻者には有給休暇を消化させるという方法が取られるようです。遅刻した社員を懲戒基準に則って給料を下げても、さらに追加で本人や上司のマイナス評価につながる可能性があるからです。そのため、遅刻を有給休暇で対応することは、ある意味では救済措置なのかもしれません。

 

 

しかし、このような慣行も大いに疑問。

 

 

そもそも毎日エンドレスで残業しているくせに、日本の会社はなぜここまで『出社時間』には厳しいのでしょう?

 

 

一般的な出社時間である午前9時が近づくと、必死にダッシュでオフィスに向かう会社員たちをよく見かけます。夜遅くの残業は「頑張っている」「献身的だ」などと評価されるのに、たった数分の遅刻は許されないだなんて…。

 

 

このように、日本の会社ではなぜか遅刻が厳格に取り締まられているので遅刻するくらいなら有給を取得するという、何とも理解しがたい常識が存在しています。

 

 

どうしても遅刻が回避できない場合は、「具合が悪いので、半休をいただきます」と上司に事前に連絡するのが正解なのだとか。良くも悪くも、出社時間にとても厳しい日本の『独特な有給の使い方』ですね。

 

 


5. 有給休暇“命“で働くドイツ人

 

 

「有給はいつでも取っていいわけじゃない!」

 

 

そうやって頭ごなしに有給休暇を却下する上司も、日本の職場にはまだまだたくさん存在します。

 

 

その反面、海外では有給休暇の取得は労働者たちの『聖域』です。会社も上司も、社員の有給取得に対してはとても寛容。ドイツなどでは、日本とは比べ物にならないほど自由に有給休暇を取得できます。

 

 

わたくしコダモンが現在勤めるドイツ企業では、基本的には有給申請が却下される事はありません。担当者同士や上司との間で休暇時期さえカブらなければ、誰も文句を言いません。中には、3~4週間の長期休暇を一気に取るツワモノもいます。

 

 

ドイツのオフィス勤務者は、みんなルンルン気分で有給休暇を取得していく。

 

 

ヨーロッパで働いていると、仕事をする相手である顧客側にも有給休暇に対する寛大な姿勢がある事を実感します。「来月は2週間お休みをいただいています」などと通知する事はお互い様で、そこには何の躊躇も無いのです。同時に、担当者が休暇中である場合は、あえて波風立てずに『その期間をやり過ごす』という暗黙の了解もあります。

 

 

仮に休暇の取得がビジネスやプロジェクトに支障をきたす可能性があっても、担当者の不在中は代替システムが整っているので安心。ドイツでは、社員が休暇を取得しやすい環境作りが徹底されているのです。日本の職場には無い、有給休暇に対する絶大なリスペクトがあります。

 

 

そのような環境で働くドイツ人は、自分に与えられた有給休暇をとても大切に使います。

 

 

ドイツの労働者にとっては、成果主義の中でストレスと戦いながら仕事をするためには、有給休暇は必要不可欠なものです。

 

 

病欠などに有給を使う事もないし、遅刻などに対して浪費する事もない。有給休暇は1年を通してリフレッシュするための大切な休みの時間だと認識しているので、「家族旅行」や「バカンス」などの充実した余暇に企てられるのです。

 

 

そんなドイツ人から言わせれば、30日間の有給休暇日数ですらも足りないのでしょうね。ドイツの職場に “病欠“ が多いのも、ちょっとだけ納得…。

 

 

そんなわけで、ドイツ人から見れば日本の有給休暇の使い方は異常。日本はただでさえ長時間労働や社内ルールでガチガチなのに、そのストレスを発散させるヒマも無く、まとまった休みすら取れない。そのような日本の働き方は、世界的に見ても普通では無いのです。

 

 

 

ストレスを抱えながら毎日働く労働者が、唯一リフレッシュできる機会が有給休暇です。そのチャンスすら失う日本の働き方では、いつしか健康に支障をきたしてしまうでしょう。

 

 

最終的に自分が壊れても、会社も上司も部署も知らん顔。誰も救ってはくれません。

 

 

あなたはそれでも、有給休暇を返上してでも…会社の利益のために仕事をしたいと思いますか?

 

 

日本の間違った有給休暇の使い方は、社員の事をまったく考えていない、会社や組織にとって都合の良いものでしかないのです。

 

 

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