日本は「住みやすい」けど日本で働きたくない

日本はとても居心地が良くて生活しやすいし、人々も親切で素晴らしい国です。でも、圧倒的に日本で働きたくない。



 

 

コダモンです。(@_kodamon)

 

 

大学へ通うために単身ドイツへ移住してから、海外生活はかれこれトータルで15年ほどになります。

 

 

ドイツの大学を卒業した後は日本の会社へ就職しましたが、現在はまた出戻りで…ドイツでドイツ企業に就職しています。

 

 

日本とドイツという2つの先進国の「両極端な世界」で社会人を経験し、ドイツと日本のハーフでもある自分は両方の言語を母国語として操れる。世界中にゴマンといる会社員の中でも珍しい部類に入ると自負しております。

 

 

日本で就職した当時は、日系の一部上場企業に4年半勤めていました。けっこう優良企業だった(らしい)のですが、自分にはまったく合わず…お腹いっぱいになり転職。現在はドイツで気ままにサラリーマンをしています。

 

 

そんなこんなで、ドイツと日本のハーフである、わたくしコダモン。

 

 

 

日本もドイツも大好き! です。

 

 

 

これは本心で、どちらの国にも優劣はつけられない。「日本かドイツを選べ!」などと言われても、1つの国を選ぶことはできません。

 

 

日本もドイツも、自分にとって素晴らしい母国。

 

 

日本で生まれ、小中高と日本で過ごしてきた自分は、日本の良いところをたくさん知っています。

 

日本食は世界で一番おいしい!

日本のサービス(精神)は素晴らしい!

日本のコンビニや24時間営業のスーパーは超便利!

都内の公共の交通手段は世界で類を見ないほど秀逸!

 

 

などなど。日本の「良いところ」をあげればキリがない。

 

 

「いつかはまた日本で暮らしたいなぁ…」とも思うし、何より自分が生まれ育った国なので、古い友人や知人の近くに腰を据えるという選択肢が、とっても魅力的なのです。

 

 

「お前いつまでドイツで暮らすんだ?」

 

 

「そろそろ日本にもどって来いよ…」

 

 

居酒屋などで昔の仲間と飲んでいると、よくこのようなコトバをかけてもらい、その度に色々と考えさせられます。日本で暮らすべき理由は、いくらでも見つかるのです。

 

 

しかし……。

 

 

 

日本で働きたくない。

 

 

 

この事実だけが、致命的なのです。

 

 


1. 日本の会社員はなぜか「みんな疲れている」

 

 

日本にたびたび帰国して思う事。それは、ポジティブな事ばかりではありません。

 

 

街ゆく人や、電車に揺られてい出勤していく人たちの「顔、顔、顔……」。

 

 

 

みんなとても疲れているように見える。

 

 

 

電車で吊り革につかまるサラリーマンは、立ちながら眠っている。座って乗車しているOLさんも、隣の人の肩に頭が乗りそうな状態のまま眠っています。

 

 

満員電車の中の会社員たちは、みんな明らかに『疲れ』がにじみ出ています。

 

 

自分がまだ子供の頃、地元の田舎から都内に出る時は、よく電車に乗りました。そして、そこで見かけた『スーツに身を包んだ人達』の苦悶の表情は、今でもハッキリ覚えています。

 

 

みんな、なんとなく険しい表情している。そして、通勤電車の車内も殺伐としている。

 

 

「きっと楽しいことなんか無いんだろうなぁ…」

 

 

疲れ切った会社員を見て、子供ながらにそう思っていました。でも…。

 

 

そんな日本のサラリーマンに、まさか自分がなるとは。4年半もの期間を日本の会社で過ごすことになろうとは、まったく想像していませんでした。

 

 

朝の通勤時間ともなると、都内はどこへ行っても人がひっきりなしに往来している。スーツに身を包んだ人達が、それぞれ会社へ向かうために早足で通り過ぎます。

 

 

「出社時間厳守!」「部長より早く出勤する!」そのようなお達しがあるのか無いのか、みんな険しい表情で足早に出勤します。

 

 

駅のエレベーター付近ではベビーカーの妊婦さんがいるにもかかわらず、ドアめがけて真っ先に降りようとする人がいたり。いったい何をそんなに急ぐ事があるんだ…?

 

 

そこまで急いで生きた先に、何があるのでしょうか。

 

 

夜になっても、その状況は変わらない。23時を過ぎているにもかかわらず、電車の中は帰宅中の会社員でごった返しています。夜な夜な残業が当たり前のように行われる日本ならではの光景です。

 

 

仕事のストレスからか、電車の中は険悪な雰囲気もあります。肩がぶつかっただけでキレている人もいる。焦燥しきった中にも、何とも言えない殺気立った空気が流れています。

 

 

そうです…。

 

 

 

みんな会社で消耗しているのです。

 

 

 

都内の本社に勤めていた当時の同僚達も、皆そうでした。一見普通に働いているように見えるのに、その顔にはいつも『疲れ』がにじみ出ていた。 

 

終わりなく続くムダ残業

年功序列や先輩後輩のルールでめんどうな職場の人間関係

全然取れない有給休暇

 

 

このような事の繰り返しで、その『ヤバい働き方』を疑問視することすらも忘れて、思考停止で働くようになってしまう。

 

 

わたくしコダモンも、このような日本の会社員生活をそ経験済みです。そして、4年半の会社員生活はストレスの積み重ねで心身を消耗しました。

 

 

そして、とっとと会社を辞めた。

 

 


2. "Karōshi" が海外でも認知されるほどヤバい日本

 

 

日本企業の職場に様々な慣行がありますが、どれも単純に疲れます。就業規則にはない独自のルールが多すぎる。そして、それがいつしか嫌悪感にもつながります。

 

 

『パワハラ』や『違法残業』など、本当にヤバい労働環境が支配している会社はアウトですが、ブラック企業でなくても日本の職場はストレスが多いです。

 

 

「残業はいくらでもするのに出社時間は厳守」「仕事の延長でしかない飲み会」「年功序列の上下関係」などなど。長時間労働や職場の人間関係が、想像以上にめんどくさい。

 

 

このような職場環境で「NO!」と言えない人は、全てのストレスを一身に背負って疲弊する。

 

 

そしてそれが、最終的には『過労死』へとつながるほどのストレスとなります。

 

 

この過労死という言葉が "Karōshi" として海外でも認知されるほど、日本の「ありえない働きぶり」は世界的に有名です。

 

 

年功序列が支配する会社という小さな世界の中で、周りに相談する事もできず、会社員たちは知らず知らずのうちに心と体を消耗していきます。

 

 

毎日の出社が憂鬱になり、逃げ場のない職場と人間関係にイライラが募る。その影響は日常生活においても顕著で、休日にも仕事のことを考えてしまったり、つい会社のメールに返信してしまったり。

 

 

「はぁ〜…」

 

 

そのようなストレスまみれの会社生活を、日本で経験しました。

 

 

そして、日本の会社で働くことがお腹いっぱいになった。

 

 

大手企業で給料が良くても、福利厚生が充実していても、昇級ができても…。当時の会社に勤め続ける気はサラサラありませんでした。

 

 


3. 海外を経験したら日本ではもう働けない

 

 

そんなこんなで、ドイツでドイツ企業に転職。

 

 

そこには、日本では経験できなかったワークライフバランスがあります。

 

 

残業は実質ゼロ 

有給休暇は年間30日を100%消化

年功序列に捉われないフラットな人間関係

 

 

これらを、実際に経験しています。

 

ドイツ人上司が自分より先に帰ることもあるし、オフィスは16時を過ぎたあたりから人が帰宅し始めます。ドイツでは、社員がそれぞれの裁量と判断で仕事を調整するのです。

 

 

出社時間を管理・監視する人もいないし、誰かが午後3時に帰ったからといって「ズルイ!」「和を乱すな!」などと言う人もいない。

 

 

ドイツでは、仕事の結果さえ出せていれば基本的にとても自由に働けます。

 

 

当時勤めていたゴリゴリの日系企業とは、雲泥の差です。

 

 (合わせて読みたい)

 

 

日本とドイツの両方で社会人をやってみて、ドイツには本当に残業をしない働き方があることにビックリしたし、同じ先進国でなぜここまで差があるのか? 不思議でしょうがなかった。

 

 

ドイツ社会は成果主義です。契約書にサインした通りの職務内容をしっかりこなせば、「それ以上の事」も「それ以下の事」も求められません。

 

 

家族や友人、趣味の時間に全力を注ぐのもドイツ人の特徴です。

 

 

オフィスにいる時間は必要最低限で働き、常に『定時退社』を意識しながら効率よく働こうとします。

 

 

日本にありがちな「みんなが残業しているから帰れない…」「周りに迷惑がかかるから休めない…」といった考えは、ドイツには存在しない。

 

 

仕事を早く終わらせれば、それだけ自分の余暇が増える。 単純ですが、それが実行できるのがドイツなのです。

 

 

そんなドイツ人にとって、企業勤めをする上で1番重要なのはワークライフバランスです。

 

 

 

ドイツでは、2000年以降「ワークライフバランス」が政策課題として大きく取り上げられ、政府のサポートのもと国を挙げて取り組まれてきました。フレックスタイム制や在宅勤務などは早くから取り入れられ、一週間の就業時間も最大48時間までと法律で決められています。

(参照元: Finanztip, 2019.11.03)

 

 

わたくしコダモンは、ドイツでドイツ企業に転職して正解だったと思う反面日本にいた当時の自分は「なぜあれほど苦労して働いていたのだろう?」 と、怒りとも悲しみとも取れない気持ちになりました。

 

 

日本では、部長以下「残業が当たり前」だったし、「長時間労働は良い社員のお手本!」とでも言わんばかりに、みんな普通に長時間労働をしていました。自分も同じく。

 

 

そんな日本の社会人生活は、毎日がストレスと隣り合わせ。

 

 

残業や『持ち帰り残業』をしながら、仕事中心の生活を送る日本の会社員。社内のめんどうな人間関係や『付き合い』のせいで、行きたくもない飲み会に駆り出されて…。有給休暇もロクに取れず、一年を通してリフレッシュもできないままストレスが蓄積される。

 

 

 

マジで日本で働きたくない。

 

 

 

日本で暮らしたいけど、日本で働きたくない…という、なんとも言えないジレンマ。

 

 

日本とドイツの両方で社会人を経験してみた結果、「日本の働き方がありえない」という事実を突き付けられました。

 

 

ドイツの働き方を経験したら、日本のソレにはもう絶対に戻れない。

 

 

福利厚生やら各種手当の手厚さは、もちろん海外の(いわゆる外資系の)企業にはありません。それでも、大切なプライベートの時間を犠牲にして心身をすり減らような日本の働き方は、もうしません。

 

 

 

これからも、ワークライフバランス中心に仕事を続けようと思います。

 

 

コダモン

 

 

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コメント: 2
  • #1

    ハーフママ (土曜日, 14 7月 2018 13:17)

    ドイツ在住、そろそろ将来について考えないといけないドイツ日本ハーフの息子を持つ母親です。日本語も結構できるので、近くの大手日本企業に買収された会社はハーフにとってどんなものかと調べていたところ、このサイトにたどり着来ました。大学の話も大変参考になりました。ありがとうございます。本当によく努力されたんだと感心しました。
    日本の企業は、親戚の話を聞いてもドイツと比べると労働条件ではほぼオールブラックですよね。あと健康保険もドイツの方が頼りになると思います。
    また読ませてもらいます。^ ^

  • #2

    コダモン (日曜日, 15 7月 2018 11:39)

    @ハーフママさん。そうですね、やはり「海外」を知ると、日系企業特有の慣行や各々のカイシャの古いしきたり、年功序列の縦社会の縮図など、「周りに合わせる働き方」に慣れるのが難しかったです。日本生まれ日本育ちでも、です。お子さんはドイツの学校に通っていらっしゃると思うので、なおさらかと…。「何事も経験!」と日本で就職し、日系のカイシャに4年半在籍しましたが、良い経験以上に消耗度が高かったです。細々と続けているブログですが、また立ち寄っていただけると嬉しいです!