有休取得『3日増』という日本の政府目標がショボい

有給休暇の消化率が世界でも最下位な日本。「3日増」どころか「全取得」が最低ラインでしょ?

「有給消化率が世界最下位」なんだから「消化率100%」が先決

 

 

 

コダモンです。

 

 

 

突然ですが、日本の有給休暇についての次の項目。

 

 

 

コレ、みなさんご存知でしたか?

 

 

 

年次有給休暇は、雇入れの日から6ヶ月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を付与しなければなりません。その後は、継続勤務年数1年ごとん一定日数を加算した日数となりますが…」

 

 

 

…10日?

 

 

 

…勤務年数1年ごとに加算…?

 

 

 

「…マジで?」

 

 

 

知らなかったんですけど。

 

 

 

厚生労働省の「ハンドブック」に載ってました。

(出典: https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-17a.pdf, 2018年12月28日時点)

 

 

 

有給休暇は、その権利の性質上、勤続6年6ヶ月経過時には20労働日に達し、以降は1年間の継続勤務ごとに20日が労働者に付与されるらしい…。

 

 

 

むむ。 

 

 

 

要するに…。

 

 

 

どっかのカイシャで正社員になって半年が経過したら有給休暇がゲットできるようになる

 

 

 

そこでゲットできる有給休暇の日数は基本的に10日

 

 

 

そして…。

 

 

 

そのカイシャで6年半頑張ってれば最大取得可能日数の20日間の有給が取れるようになる

 

 

 

 

…。

 

 

 

……。

 

 

 

「少なくね?」(笑)

  

 

 

 

あと、他にもツッコミどころが満載。

 

 

 

入社したら…。最初の半年は休めないって事ですよねコレ。

 

 

 

しかも、入社してから6年半も在籍しないと有給休暇日数が「人並み」にならない。

 

 

 

6年半経っても…。それでもたったの20日だけしかもらえない??

 

 

 

「雇入れの日」から起算されて、取得できる有給休暇が増えていき…。最終的には年20日間がゲットできる。海外ハーフから見たら、とても奇妙な仕組みです。

 

 

 

うーん…。

 

 

 

有給休暇は、日々仕事に励む社員たちが、一年を通してリフレッシュするためのツール。

 

 

 

頑張って働く中でも、合間合間に中〜長期の休暇をはさむことによって、年間を通して継続的に業績に貢献できるわけです。

 

 

 

そして、そのための有給休暇の取得は、どの労働者にとっても当然の権利。

 

 

 

それなのに…。

 

 

 

「20日間」って本当に全然多く感じないし…。

 

 

 

そもそも20日間という有給日数を確保するまでのハードルが高すぎる。

 

 

 

改めてガッカリです。

 

 

 


ドイツでは有給休暇30日間とか普通だけど?

 

 

 

ちなみにですが、ドイツで法で定められている最低保障の有給日数は20日間/年です。

 

 

 

そしてそれは、入社1年目だろうが何だろうが関係ない。

 

 

 

契約書にサインしたその年から、スグに最低で20日間がもらえます。

 

 

 

さらに。

 

 

 

「20日間」などという少ない有給休暇日数の人は、そもそもあまり存在しません。

 

 

 

みんな25日とか30日くらい余裕でもらってます。

 

 

 

実際に数字で見ると…。

 

 

 

ドイツ人の58%が30日間の年次有給休暇日数を付与されている

(出典: https://www.welt.de/print/die_welt/finanzen/article157239018/So-viel-Urlaub-haben-die-Deutschen.html, 2018年12月28日時点)

 

 

 

上記は、25万人以上を対象にした調査での数字です。

 

 

 

ドイツ人の正規雇用社員たちの半分以上が年間30日以上の有給休暇をゲットできている。

 

 

 

ドイツ…というか欧米では、個人の交渉次第で、また就職先の企業次第で、有給休暇の取得可能日数などは、どんどん変わります。

 

 

 

おおげさに言えば…。

 

 

 

同じ企業、部署の同僚の間でも、有給取得可能日数は変わってくるのです。

 

 

 

自分は25日間だけど、隣に座っている同僚は28日間の有給休暇が取得可能…。そういう事すら、ありえるのです。

 

 

 

全てその「個人」がどのような契約を勝ち取るかによって、その内容が変わります。

 

 

 

それでも、最低で20日間の有給休暇は保障されている。

 

 

 

そして…。その取得率はとても高い。

 

 

 

ドイツ企業に実際に在籍してみての体感は、ほぼ100%です。

 

 

 

周りの同僚の中に、「有給休暇が取得できない」などと言う人は、1人もいません。

 

 

 

……。

 

 

 

日系の大手企業に中途で入社して、4年半でお腹いっぱいになって辞めた、わたくしコダモン。

 

 

ドイツでドイツ企業に転職した今…。

 

 

 

年次有給休暇取得数は30日間です。

 

 

 

正式に、ちゃんと申請できる数字が、30日間。

 

 

 

しかも、それを全てしっかりと消化できるのです。

 

 

 


悲報: 日本の有給休暇消化率は世界最下位?

 

 

 

そんなワークライフバランスの宝庫、ドイツから一転…。

 

 

 

「日本」にもう一度注目してみましょう。

 

 

 

まず、悲しいお知らせです。

 

 

 

「日本は有給休暇の消化率が世界で最下位」という事実

 

 

 

ご存知でしたか?

 

 

 

昨年12月の、世界28カ国を対象にした調査結果です。

(出典: http://news.mynavi.jp/news/2016/12/15/402/, 2017年6月5日時点)

 

 

 

それによると…。

 

 

 

日本人のざっくりな平均取得日数は、年間およそ10日。

 

 

 

1年を通して、たったの10日間しか有給休暇を取っていない日本人。

 

 

 

…。

 

 

 

20日間でも少ないのに…。その半分しか消化していない…!?

 

 

 

マジで悲報。

 

 

 

そもそも有給休暇に対するハードルが高いことに加えて、その取得率も絶望的に低いという現実。

 

 

 

何でこんな事になってんの?

 

 

 

 

有給休暇がマジで取りづらい環境

 

 

 

ドイツハーフである、わたくしコダモン。

 

 

 

外国人の思考を持ち合わせながら、日本で生れ育ったこともあり…。当時日本のカイシャで働いていた4年半では、様々なギャップに直面しました。

 

 

 

その中の一つが、「有給休暇の申請」です。

 

 

 

部署の集まりなどの報告会の中で…。

 

 

 

「すみません…。金曜日はお休みをいただいています…。」

 

 

 

…などと切り出す人たち。

 

 

 

なぜか超低姿勢で「休むことを申告」していたのです。

 

 

 

あたかも、何か悪い事でもしているかのように。

 

 

 

ドイツハーフは、とても違和感を感じました。

 

 

 

「みんな勝手に休めばいいじゃん」

 

 

 

そう思っていたからです。上司の承認をもらって。

 

 

 

しかし…。

 

 

 

そのカイシャで「日本式」を経験していく中で、その理由に気づいた。

 

 

 

それは…。

 

 

 

「私が休んだら誰かに迷惑がかかる…!」という集団意識。

 

 

 

コレです。

 

 

 

つまり…。

 

 

 

毎日毎日残業して、休日出勤までもして、「ありえない仕事量」の中で働いているカイシャの人間たち。その中で、彼ら/彼女らの1人がいったん抜けてしまうと、そこにポッカリと大きな穴が空いて、それを容易に埋められないのです。

 

 

 

簡単に言えば、代わりに仕事を負担できる人がいない。

 

 

 

もっと突っ込んで言えば、部下が休めるようにマネジメントができていない。

 

 

 

上司が勤続ウン10年で、しかも自分がこれまで「まったく休んで来なかった」ので、それを実施しようとも思わない。

 

 

 

部下が「休みたい…」となる事で、しぶるようなアホ上司が存在するわけです。

 

 

 

このような立派な環境のおかけで、「休んだらヤバい」という集団意識がしっかりと共用されます。

 

 

 

周りは誰もが「自分が休んだら〇〇さんに迷惑がかかる…」みたいな妄想で、ビクビク。

 

 

 

素晴らしく有給休暇を取得しづらい環境が出来上がってしまっているのです。

 

 

 

有給休暇の取得は労働者全員の権利なのに、それを行使するどころか、周りに気を使って蓄積させてしまう。

 

 

 

実際に見て、体験してきました。

 

 

 

まぁ…。このような「有給事情」も、4年半でさっさと辞めてきた遠因です (笑)

 

 

 

有休取得「3日増」が政府目標って何よ?

 

 

 

そんな中、最近「有休取得『3日増』政府目標、実施企業に助成も」という記事を目にしました。

 

 

 

有給休暇取得の促進に向けて、政府が新たな方針を検討しているという報道。一見「取得率が低い状況」を打破する良策のようにも見受けれられます。

 

 

 

ただコレ、ちょっとおかしい。

 

 

 

「3日増」って何? (笑)

 

 

 

いや、言いたい事はわかるんですよ?

 

 

 

そもそも年間で10日とか、5日とかしか休まない(/休めない)人が大勢いる。もしくは、まったく有給休暇が取れない人もいる。

 

 

 

何せ、日本の有給休暇取得率は世界最下位ですから。

 

 

 

コダモンが勤めていたカイシャにも、年間を通して年末年始しか休まないような課長がいたし、有給休暇が何十日もたまっている上司が大勢いた。

 

 

 

だから…。「まずは全体平均で3日増やすことを目標にしようじゃないか!」っていうのは、その気持ち自体はわかるのです。

 

 

 

けれど…。

 

 

 

もう1度、大事なことなので…。

 

 

 

ちょっとだけ声を大にして言います。

 

 

 

 

「有給休暇の全取得は全労働者の当然の権利なんですよー!」

 

 

 

 

「3日増」とかじゃないわけ。

 

 

 

どの労働者も「取得可能な有給休暇日数」を全て年間を通してちゃんと消化していないと、そもそもおかしいのですよ。

 

 

 

政府が率先して「まずは3日増やそう!」とか言っている時点で、またハードルを下げてしまっている。

 

 

 

こういう角度からも、カイシャにおける「有給休暇が取りづらい環境」が、暗に助長されてしまっている。

 

 

 

「3日増」という政府目標自体が悲報なわけです。

 

 

 

このようななお粗末な状況なので…。

 

 

 

日本のカイシャで「そもそも取得しづらい有給休暇」事情は、今後もしっかり継続します。

 

 

 

 

 コダモン

 

 

 

(この記事は2018年12月28日に一部改稿されています)