新卒が就活の志望動機を書けない/言えないのは当たり前

「志望動機は?」という質問に答えられない就活生が多いらしいけど、それって当たり前なんです。



志望動機が答えられない新卒たち

 

 

コダモンです。

 

 

世間で新卒たちの就職活動が行われている中、こんな記事を見つけました:

 

 

「採用担当者が嘆く『印象の悪い就活生』の共通点」

(出典: 東洋経済, https://toyokeizai.net/articles/-/273267, 2019年3月31日時点)

 

 

面接をひかえる学生たちに向けて「どんな学生が落とされてしまうか?」という内容をまとめた記事。

 

 

HR総研というところが、採用担当者に行った調査結果のようなのですが…。

 

 

ドイツハーフは、その内容にちょっと引きました。

 

 


「志望動機は?」がキツイ理由

 

 

まず気になったのが、この一文:

 

 

「面接の定番質問は、志望動機、自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)だが、最も重要なのは志望動機である。」(出典: 同上)

 

 

…。マジですか? これ。

 

 

自己PRとか大学時代の専攻に関する質問はわかるけど、どうやら企業の採用担当者は「学生の志望動機」を最も重要視するらしい。

 

 

…。

 

 

 

内定後にどんな仕事に就くかもわからないのに?

 

 

 

無理でしょ。明確な志望動機をのべるなんて。

 

 

そりゃあ、みんな何かしらの大まかな志望動機はあるはずです。

 

 

「もともと自動車をいじるのが好きだから機械系エンジニアとしてメーカーで働きたい!」とか、

 

 

「化学専攻だったから素材メーカーで研究開発したい!」とか。

 

 

その程度の志望動機をもって、学生たちはたくさんの企業の中から数社~十数社にしぼっていると想像する。

 

 

多くの学生は、未経験ながら何かしらの「だいたいの目標」をもって面接に臨んでいるはずです。

 

 

でも、記事の中では…。

 

 

「志望動機が甘く、どの会社にも当てはまる回答の学生」

 

 

「当社志望度の低い学生。受験している業界がまったくバラバラな学生」

 

 

「とりあえず就職活動をしているように見える学生」

 

 

そんな意見があり、採用担当者が「学生をすぐに落とす理由」としています。

 

 

いやいやいや…。

 

 

志望度が高いとか低いとかも学生たちはわからないのですよ。

 

 

だって入社後にどの部署に配属になるのかも不明だから。

 

 

これらは全て、新卒一括採用という日本独特のシステムのせいです。

 

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自分が将来どの部署に配属になれるかもわからないのに、熱烈な志望動機を期待されたって学生たちは困るだけ。

 

 

必然的に、面接官からしたら「内容がうすっぺらい志望動機」が大量生産されます。

 

 


就活生たちの本音

 

 

採用担当者にとっては大事な志望動機の中身。

 

 

彼らは、学生に自社をリサーチしてもらってから「御社はこんなに素晴らしい!」みたいなメッセージが来ることを期待している。

 

 

でも、そんなものはただの建て前。

 

 

学生たちの本来の志望動機は、別にあるでしょう。

 

 

「自分が住みたい街に本社があるから/実家から近いから」

 

 

「給料がいいから」

 

 

「大手で安定しそうだから」

 

 

「口コミと評判が良かったから」

 

 

こういった内容が本来の直接的な動機である事が多い。当然です。社会人経験のない学生たちにとっては、とっかかりを見つけるだけで精一杯。

 

 

これが正直な志望の動機で、新卒たちの本音です。

 

 

採用担当者もそういう事はわかりきっているのですが、彼らはそれでもただマニュアルに従うだけ。自社製品のライナップとか業界における位置づけとか、そんな内容が学生の口から真っ先に出てくる事を期待している。

  

 

いや…。

 

 

まぁ別にそれでもいいんですけど。でも…。

 

 

そんな「薄っぺらい志望動機のやり取り」が一番重要でいいの?

 

 

そっちの方が問題な気がしますが。

 

 

何回も言いますけど、大半の企業は新卒たちをとりあえず一括で雇って、新人研修などを通したうえで、採用した学生たちの配属先を適宜に決めます。

 

 

入社してから「自分が入りたかった部署に配属されなかった」なんてケースが多々あるのです。本社勤務希望だったのに、さっそく地方配属になってしまったり。そして、学生たちはそれを知っている。

 

 

この一括採用のシステムがある限りは、志望動機なんてザックリとしか言えない。

 

 

自然と、どの学生の志望動機も「同じ」になるのが当たり前です。

 

 

確かに、「弊社を志望した動機は何ですか?」という問いに対して「お給料が良さそうだからです!」とはさすがに答えられない。それがダメなのは誰でもわかること。

 

 

しかし、企業側の就活生に対する志望動機への過度の期待が、一番の問題なのです。これでは、面接の中で「作った自分」しか見せられない学生が増えると想像します。

 

 

学生たちは、自分の本音をそのままぶつけるわけにはいかない。けれど同時に、自分がそのカイシャで内定をもらった後の姿がまったく想像できない。

 

 

学生たちの就活面接における「志望動機が甘い理由」は、日本特有の採用システムのせいでもあるのです。

 

 


志望動機の本来あるべき姿

 

 

ドイツなどの欧米諸国では、新卒でもキャリア採用となります。

 

 

海外の学生たちはみんな卒業時期が異なるので就職活動シーズンというものが無く、いわゆる通年採用が行われているのです。

 

 

企業への採用に際しては、入社当時から即戦力として期待されるため、ある程度の実務経験を学生時代に培う必要もあります。

 

 

これが何をもたらすかというと…。

 

 

海外では採用ポジションに対して明確なキャリアビジョンがある

 

 

ということ。

 

 

もっと具体的に言えば、学生達が応募する先のポジションには、職務内容と必要なスキルが全て明記されているのです。

 

 

ドイツなどでは、仮に新卒であっても、その就活が「中途採用と同じ面接フロー」になります。日本的に見れば。

 

 

新卒もキャリア採用であり、仕事の内容、配属部署や組織図、将来の上司などが全て募集要項や面接を通して明確にされます。 

 

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このような前提があった上で、面接官から聞かれる志望動機。そのやり取りの重要度と中身の濃さは、日本の新卒採用時のソレとは比べ物になりません。

 

 

そして、本来はこのような明確な前提が存在したうえではじめて、「御社で○○を志望した理由は…」という説明ができるのです。

 

 

将来の自分の働く姿が想像できて、なおかつ業務内容も決まっていること。それがなければ志望動機なんて語れません。

 

 

海外の学生たちは、自分の専攻とスキル経験を武器に、第二新卒や転職組と一緒になって勝負しなければならない。実力主義の中での個人戦です。

 

 

それとはまったく違うレベルで、みんな一斉にせっせと就職活動を行う日本の学生たち。

 

 

日本の就活と面接で「志望動機」がひっかかる原因です。

 

 


就活を乗り切るために

 

 

それでも越えなければならない、就職活動と採用面接の壁。

 

 

自分を作ったり、「面接官にひびく志望動機」を準備するのは大変です。

 

 

ドイツの大学を卒業した、わたくしコダモン。日本の典型的な就活は経験していません。それでも、日系の企業に就職したり新人と関わってきたことで、なんとなく正解が見えてきます。

 

 

就活で志望動機を聞かれた時や、形だけの就活を上手に乗り切る方法。

 

 

それはズバリ、半分正直に受け答えすること。

 

 

あまりにも出来過ぎた模範解答をしたところで、面接官に「はぁ~…またかよ…」と思われてしまうだけ。

 

 

志望動機に関しては、とりあえず「理由」を優先させましょう。

 

 

何でもいいです。

 

 

「御社が注力している油圧製品のヨーロッパ市場の拡大に、営業として携わりたいと考えています。大学留学で培った英語力を活かせる点が魅力です」

 

 

「大学時代に社内エンジニアのインターンを通してCRMシステムの開発をしていました。業務効率化の力を実感し、ITシステムの開発を仕事にしたいと考えています」

 

 

これらは、半分だけお飾り程度のリサーチを行い、残りの半分に実際の経験や「興味がある事」を織り交ぜればOKです。

 

 

逆に言えば、この程度の志望動機も絞り出せないくらいなら…。いっそ面接を辞退しちゃった方がいいのかも。

 

 

面接では、その他にも「内定後の自分が想像できないのに答えなければならない質問」がある事でしょう。具体的には:

 

 

「第一志望ですか?」

 

 

「ウチから内定が出たらどうしますか?」

 

 

このような質問です。

 

 

そんな時は、テンプレの回答をしつつ、正直な受け答えもはさんでみること:

 

 

「はい、第一志望です」(キッパリ)

 

 

「今は目の前にある就職活動に一生懸命目取り組んでいるため、内定をもらった後のことは考えていません」

 

 

そのカイシャが第一志望かどうかなんて、面接の時はどうでもいいのです。仮に第一志望でなくても、「いえ、実は…」などと答えるメリットがそもそもありません。

 

 

また、内定に関する質問も、あくまで「仮に」という話ですので、余計なコメントをしないで明確な意思表示を避けましょう。

 

 

全ての質問に対して明確な意思を示す必要はないのです。

 

 

相手に「ウチは本命じゃないんだな…」という印象を与えない範囲で、うまく立ち回る。

 

 

しかしながら…。

 


このように書いてみると、新卒の就職活動って改めて大変だと思う。



十何社も面接をしている学生がいるのかと考えると…。そりゃいつか「どのカイシャにも当てはまる回答」は出てきますよ。

 

 

とことん不効率だと思うけど、日本では未だに新卒一括採用が行われているので、どうしようもない。

 

 

面接官も十人十色だと思いますが、基本的にはマニュアルと自社のスタンダードに沿って面接を行います。

 

 

新卒がどのようにカイシャに役立つのか? それを知りたい面接官たち。

 

 

そして、内定後の職務が不明だから「自分がカイシャにどう役立てるか?」 が具体的にわからない学生たち。

 

 

その2つがぶつかる面接での不毛なやり取りは無くなりません。

 

 

そして…。

 

 

「あなたの志望動機は?」という質問も、今後も無くならないのです。

 

 

 

コダモン