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海外で働くためにはTOEIC何点が必要なのか?

海外でバリバリ働くために必要な英語力とは? ドイツで働いてみたらドイツ語よりも英語が多かった!



海外勢と渡り合うために必要なTOEIC点数は?

 

 

日本では、TOEICが就職やキャリアアップに繋がり、転職や進学に役立つと言われています。

 

 

大手企業はTOEICの点数をとても気にするし、かくいう自分も日系企業に中途採用で入社した時には、入社後すぐにTOEICを受験させられました。

 

 

そんなTOEICは日本ではとても有名ですが…海外ではほぼ無名であったり、TOEFLなど違った英語試験が基準になったりします。TOEICの点数を気にするのは日本の専売特許。

 

 

そんなTOEICですが、実際に海外で働くためには何点を取る必要があるのでしょうか?

 

 


1. 日本で求められる英語力は低い!

 

 

TOEICは、ビジネス英語に必要な語彙力の基準に用いられる英語テストです。このテストの結果で、日本の企業や公的機関は採用する人材の英語能力を査定しています。

 

 

海外でTOEICが基準にされることは稀ですが、日本は何かとTOEICの点数で人材の英語力を判断したがる傾向があります。

 

 

そんなTOEICは、年間約450万人が受験する英語テストですが、試験内容は日本も国外もさほど違いが無いようです。しかし…テスト結果のハードルの高さとなると、その期待値はまったく異なります。

 

 

例えば、日本の企業ではこのような基準をよく見かけます:

 

 

管理職になるためにはTOEIC550点以上が必要

 

 

海外営業ポジションはTOEIC700点以上必須

 

 

TOEICというのは、リスニングが495点満点とライティングが同様に495満点、合計で990点満点のテストです。日本では、700点を獲得できれば海外勢と対等に渡り合えると判断されるようです。

 

 

うーん…。とってもハードルが低いですね。

 

 

ドイツなどでは、そもそもC1レベル以外相手にされないという環境が多くあります。

 

 

ちなみに"C1"とは、英語の語学レベルを表すもので、TOEICテストの場合は次のようになっています:

 

 

 

 

A1: 60 - 105 (listening), 60 - 110 (reading)
A2: 110 - 270 (listening), 115 - 270 (reading)
B1: 275 - 395 (listening), 275 - 380 (reading)
B2: 400 - 485 (listening), 385 - 450 (reading)
C1: 490 - 495 (listening), 455 - 495(reading)

(参照元: Gemeinsamer Europäischer Referenzrahmen für Sprachen)

 

 

これが何を示すかというと…。

 

 

ドイツでは、「とりあえず『TOEIC 945点以上』を取ってね」と要求されることがあるという事です。

 

 

これはプロフェッショナルや仕事に限らず、学生の身分でも既に求められる数字です。例えば、経済学で「インターナショナルマーケティング」などを専攻する人は大学の講義や教材が全て英語である事も多い。同時に、C1レベルの英語で講義が行われるといった前提条件があるのです。

 

 

また、ドイツの求人には当たり前のように「英語ビジネスレベル必須」「英語が流暢であること」と記載されていますが、そこには「TOEIC900点以上」などの記載はありません。その理由は単純で、英語は話せて当然だからです。ドイツ企業の面接官は、人事でも担当者レベルでも誰でも普通にビジネス英語を話せます。そのため、面接で容赦なく実践レベルの英語が試される。

 

 

英語はそもそも回避のしようが無いし、高いレベルが当然のように求められる。

 

 

ヨーロッパ市場で求められる英語能力は、日本よりも格段に高いです。

 

 

そのため、日本でよく目にする「TOEIC 700点以上」「TOEIC 800点以上」などは、ドイツの学生やビジネスパーソンからすればとてもレベルが低い設定となります。

 

 

でも…よく考えてみてください。

 

 

これっておかしくないですか?

 

 

グローバルにビジネスを展開する日系企業が相手にするのは、同じ様にグローバル展開をする海外企業です。商談の場では、お互いがビジネス英語でコミュニケーションを取る必要があるのです。

 

 

それなのに、日本だけが英語レベル低くていいの??

 

 


2. TOEIC以外に求められる実践スキル

 

 

海外で働くという事は、やはり英語の比率が大きくなります。

 

 

仮に中国の中華系企業に就職すれば中国語が役立つでしょうし、フランスで現地企業での採用となったりすれば、もちろんフランス語が話せれば便利です。

 

 

しかし、どのようなケースであれ日本以外の国で働く場合は英語が必須です。

 

 

その国の言葉が話せることは確実にプラスですが、それ以外に絶対に英語が必要。

 

 

わたくしコダモンは、現在ドイツのドイツ企業で働いています。これまで2年以上働いてきた結果、日々の業務の中で使用してきた言語の比率はこんな感じです:

 

書類やファイルの写真
ドイツのドイツ企業で使用する言語の割合(※個人の例)

 

あくまで体感ですが、確実に英語の使用率がNo.1。ドイツ企業なので同僚との日常会話や上司とのやり取りは当然ドイツ語なのですが、「英語での資料作成」「海外と英語で電話会議」「顧客打ち合わせ」など、英語を使用する場面が圧倒的に多いです。

 

 

自分の母国語であるドイツ語よりも、英語を多く使います。ドイツで働いているのに…。

 

 

仕事は営業系ですが、技術や研究・開発の分野は特に多国籍なので、社内打ち合わせも半数以上が英語になったりします。海外の工場や支店などとのやり取りも全て英語だと考えると、その比率の大きさがわかると思います。

 

 

働いている会社はグローバル企業なので、プロジェクトの打ち合わせともなると、海外から参加する人も多ため会話はすぐ英語に切り替わります。資料が基本的に英語なのは、その資料がどこかのタイミングで確実に『ドイツ人以外』にもシェア・展開されるからです。

 

 

また、日系企業を相手にビジネスをするケースも多いため、日本語を使用するシチュエーションも比較的多い。ドイツとのハーフとして、自分の得意な言語でグローバルに活躍できている、ありがたい環境です。

 

 

何はともあれ、海外で働くためには英語は必要不可欠。そして、そのレベルが高ければ高いほど良いのは当然です。

 

 

そんな中求められるのが、TOEIC以外の実践スキル。

 

 

そうです。テスト勉強では得られない、実際に使える英語スキルのことです。

 

 

結局のところ、日本でTOEICの点数が重要視される背景には、企業の間に存在する『TOEIC高得点=グローバル人材』という古い考えがあります。

 

 

いくらTOEICの点数が高くても、それは『テスト勉強が上手なだけ』であるかもしれない。実際に外国人に対してプレゼンや質疑応答、仕様調整や価格交渉などの業務を行わせても、会話すらままならず機能しない場合もある…というわけです。

 

 

同時に、採用する企業側にも、日本では残念ながら『英語を高レベルで判断できる面接官がいない』場合が多い。そのため、まずはTOEICの点数で判断せざるを得ないのでしょう。

 

 

日本の会社で求められるTOEICの点数のハードルが低い事は、日本人の英語レベルが総じて低い事が原因だと思われます。厳しい言い方ですが、これが現実でしょう。日系の大手企業に4年半勤務していましたが、ビジネスレベルの英語力を身につけた人はほとんどいませんでした。TOEIC700点や800点そこそこで『グローバル人材扱い』されるのです。

 

 

先ほどのグラフが示すように、海外で就職する場合は英語のスキルは必須です。得意不得意などと言うレベルではなく、英語ができないと仕事にならない。

 

 

海外、特に欧米諸国は完全な実力主義の社会なので、「入社後に英語を上達させればなんとかなる…」という甘い考えは通用しません。採用となった瞬間から即戦力として成果を期待されるので、ビジネスレベルの英語が真っ先に求められます。

 

 

TOEICの点数が高いのは素晴らしいことですが、実際に海外で働き始めた時には『いかに早く順応できるか』という事も問われるわけです。自分の意思を100%英語で伝えることのできる高い語学レベルに加えて、その国の文化や政治背景なども考慮したコミュニケーション能力も問われます。また、細かい話ですが「現地スタッフの訛った英語」などにも適宜に対応できなければダメなのです。

 

 

結果として、日本を出て海外で働きたいと思い立った場合は、既にそれ相応の場数を踏んでいる必要があるわけです。実際に外国人を相手に英語でビジネスをリードした経験があることが重要なのです。

 

 

コミュニケーションの相手が英語圏であれ、自分と同じ様な『海外勢』であれ、海外で働く場合はTOEICでは測れない実践スキルが無いと苦労するでしょう。

 

 


3. 結局TOEIC何点が必要なの?

 

 

まわりくどくなりましたが、結論から。

 

 

 

海外で働きたいならTOEIC900点以上は必要です。

 

 

 

その理由はこれまで長々と書いてきた通りで、海外ではそもそも『英語が話せて当たり前』だからです。TOEICに限らず、TOEFLなどでも最高レベルの基準となる"C1レベル"。TOEICでは945点以上が相当しますが、最終的にはそこを目標とするくらいが良いでしょう。

 

 

ただし、これも繰り返しになりますが、TOEICの点数だけでは英語のコミュニケーション能力を判断できません。そのため、逆の言い方をすれば、勉強をしなくてもTOEIC900点以上を取れる英語力が必要だといも言えます。

 

 

「やった! 頑張ってTOEICを勉強して900点を超えたぞ!」

 

 

これでは『900点』のニュアンスが違います。実際に英語でビジネスをした経験がないと、まったく意味がありません。

 

 

「自分はTOEIC800点だけど、ちゃんと外国人相手にビジネスができている!」

 

 

そのように言う人もいるかと思いますが、ここで基準としているのは『海外で就職する場合』です。日本から駐在員として海外に出向したり、日本の本社から出張や電話会議で外国人を相手にするのではない。『求められるレベル』がそもそも違います。

 

 

ここでは、自ら海外へと駒を進め、海外の企業に就職・転職すること。そして、その会社でキャリアを積むのも、クビになるのも全て自己責任…そういうシチュエーションに身を置く人を対象にしています。

 

 

それらを踏まえて、海外で働くためにはTOEIC900点以上が必要という事です。

 

 

面接にも英語で真っ向勝負ができて、業務遂行に十分な英語力がある状態。社内のコミュニケーションも、上司とのやり取りも、顧客対応も全て英語。そのような世界でキャリアを積むためには、やはり『勉強しなくてもTOEIC900点』が目安になるでしょう。

 

 

実際にドイツ企業のグローバルな環境で働いていますが、周りはみんな英語ができる。オフィス勤務のいわゆるホワイトカラーの中では、英語が苦手な社員を探す方が大変なくらいです。

 

 

そのような中で、『外国人』として働く日本人は、やはり英語はできて当然であるべき。何かしらのスキルをもって海外進出する人のもう一つの武器として、英語のスキルは是非ともしっかり身につけておきたいものです。

 

 

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