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【雑記】「コスパ」で恥ずかしい思いをすることなかれ

「コスパ」という単語の使い方の間違いがヒドイ。海外では使われない言い回しをドヤ顔で多用するのは恥ずかしいよ?



「コスパ」の多用は賢く見えない

 

 

ドイツで暮らしながら半分ドイツ人として生活しています。コダモンです。

 

 

もう長い事日本で生活していないので、最近の流行にはなかなかついていけません。

 

 

そのため、久しぶりに仲の良い友人と話したり飲んだりする時に「え? 何それ??」と思う事がしばしばあります。最新のトレンドとか便利グッズなどがそうですが、「聞き慣れない言葉」にも敏感に反応してしまいます。

 

 

そんな中、ずーっと気になっているのが『コスパ』という言葉です。

 

 

「焼肉食べ放題と飲み放題で3.000円だって!」

 

 

「黒毛和牛とかも頼めるんだってさ」

 

 

「へぇーここコスパ最強じゃん!」

 

 

このような会話に登場する『コスパ』のことです。

 

 

この『コスパ』という単語、あなたも知らないうちに乱用していませんか?

 

 


1. 「コスパ」の多用は恥ずかしい

 

 

コスパという単語は、コストとパフォーマンスという言葉を組み合わせた略語です。日本語になおせば「費用対効果」という意味になります。

 

 

支払った金額や投資額である『コスト』に対して、その結果として得られる効果や利益、成果の『パフォーマンス』の度合いを指します。少ない金額や労力に対して得られるパフォーマンスが良好な状態を「コスパがいい」などと言ったりします。

 

 

テレビやメディアでも頻繁に使われ、和製英語の座を確立させているようです。

 

 

そうです…この『コスパ』という単語は和製英語。すなわち、例によって日本だけのガラパゴスなやつだという事です。

 

 

日本語の「コスパ」という略語はまだしも、その起源である「コストパフォーマンス」ですらも、実はその使い方には注意が必要です。

 

 

実際に英語で “cost performance“ という使い方をしようとしても、恥ずかしい結果が待っているかもしれません。

 

 

「コストパフォーマンス」などという言い方は、海外では滅多にしないからです。というか、英語の日常会話で聞いた事がない。

 

 

そもそも「コスト」と「パフォーマンス」の組み合わせは、英語圏では専門用語寄りの扱いになります。「コストパフォーマンスインデックス (CPI)」などがあるように、そもそも日常会話で使う言い回しではないのです。あとは “cost performance ratio“  など。

 

 

あなたが日本語で友達と会話する時にも「費用対効果」や「費用対性能比」なんて単語は出てきませんよね? それとまったく同じことです。

 

 

カタカナだからそれっぽい雰囲気になっているだけ。『コスパ』は日本だけの現象です。

 

 


2. 「コスパ」の使い方おかしくない?

 

 

 

何はともあれ、日本ではしょっちゅうコスパという単語を耳にします。

 

 

あまりにも乱用されている事もあり、シチュエーション次第では間違った『コスパ』が使われているようです。

 

 

そして、本来の意味合いである『費用対効果』からズレた使い方もけっこうされているのだとか。

 

 

例えばコレ:

 

 

「独身男性が『結婚はコスパが悪い!』と言う理由」

 

 

どうやら、結婚をしない独身男性の中には、その理由として「結婚はコスパが悪い」と考える人がいるようなのですが…。

 

 

これってどういう意味なのでしょうか? 

 

 

ここで使われるコスパの『コスト』の部分は、なんとなくわかります。自分の生涯年収と照らし合わせて、奥さんの収入や結婚費用、新居、出産、育児、教育費…などなどなど、全てを概算すれば『コスト』は出ます。または、百歩譲って「自分の自由な時間」などもコストの部分に含むとしましょう。

 

 

でも…。

 

 

結婚に対して使われるコスパの『パフォーマンス』って何よ?

 

 

「奥さんの収入」や「 家事分担」でしょうか。それとも、「心の支え」や「家庭を持つ幸せ」などの漠然としたもの…?

 

 

これらはなかなか定量的に示す事ができません。「結婚はコスパが悪い」と言う人たちの基準は、千差万別という事になります。

 

 

既にこの時点で『コスパ』の使い方はおかしいのですが…もうちょっと突っ込んで言えば、ここではパフォーマンスを『利点』と捉えているところがそもそもおかしいです。

 

 

「結婚はコスパが悪い!」などと頭ごなしに言っている人は、「結婚してもメリットが少ない!」「結婚しない方が得だ!」と考えているのだと思います。

 

 

婚してお金が減ったり、自分の時間が無くなるくらいなら結婚しない方がマシ!」

 

 

そのように思うのは個人の勝手です。でも、この言い回しっておかしくないですか?

 

 

なぜなら、結婚のコスパの良し悪しは『自分のパフォーマンス次第』でもあるからです。

 

 

結婚生活というのは、夫婦お互いのパフォーマンスで成り立つもの。自分の頑張り次第でパフォーマンスも向上する。

 

 

それなのに、結婚する前から頭ごなしにコスパの悪さを指摘するのは大いに疑問です。

 

 

独身で「結婚はコスパが悪い!」などと言う人は、結婚生活において努力ができない、自分に自信がない人なのだと想像します。

 

 

結婚をする・しないは各々の勝手です。でも、それを『コスパが悪い』などと言って自分の利点ばかり見て判断するのは大いに間違っています。

 

 

そのため、「結婚はコスパが悪い!」における『コスパ』の使い方は、完全にお門違い。

 

 

その他にも、微妙なラインの間違った使い方があります。例えばコレ:

 

 

「福袋を購入したら欲しかった物ばかりで、コスパ的にも大満足でした!」

 

 

ここで使われるコスパは、結果的に「大当たりでした!」「お買い得でした!」というような言い方がしたいのでしょう。

 

 

しかし実際は、福袋というものは「常にコスパが良いもの」です。中身が売れ残り品であったり、在庫処分品など残念な商品が多いだけで、購入金額以上の商品が(ほぼ)必ず入っているはずなのです。そのため、福袋の中身の良し悪しは本来『コスパ』とは無関係です。

 

 

このように、よくよく考えると使い方がおかしいケースも多々あります。

 

 

コスパはそもそも英語圏でもほぼ使われていない言い回しなので、日本でもどんどんその原型を失いつつあるのだと想像します。さすが和製英語…といったところでしょうか。

 

 

使い方を間違えているどころか、アレンジが効き過ぎていて…ちょっとイタイ。

 

 


3. 「コスパ」で相手を不快にさせる

 

 

使い方次第では、相手を不快にさせているかもしれません。

 

 

以前、日本のオフィスでこんな会話を小耳にはさみました。

 

 

社員A: 「今度新しく雇う営業、どうやらバイリンガルらしいよ」

 

 

社員B:「もう10年以上この業界の第一線で経験を詰んできた人らしいね」

 

 

社員A:「なんか上層部の期待も高いらしい」

 

 

社員B:「でもその人、課長レベルの採用に落ち着いたんでしょ? ○○さんと同じくらいの待遇かな」

 

 

社員C:「へぇ~ウチの会社もコスパの良い奴見つけたもんだなぁ」

 

 

ここで使われているコスパの『コスト』が意味するのは課長級の給与。『パフォーマンス』は高い語学力とビジネス経験といったところでしょうか。

 

 

要するに、「そんなレベルの高い人材をよくその程度の給料で採用できたね」という意味合いです。

 

 

対象になっている人物からしてみれば、自分は「パフォーマンスは高いのにそれに見合う対価を得ていない人」と言われてしまっている事になります。

 

 

でも不思議なことに、社員同士の会話に登場する『コスパ』には、ネガティブな意図が無い事がわかりますよね?

 

 

このように、ちょっと角度を変えて見るだけで相手を間接的にディスっている事が判明します。

 

 

職場やビジネスシーンにおける「コスパの良い人」は、もはや誉め言葉ではありません。

 

 

ただでさえ繊細な『お金』や『個人の能力』というテーマに対して安易にコスパという言葉を使うと、誰かを知らずに傷つける可能性があります。

 

 

職場でむやみやたらとコスパという単語を連発する人ほど、気を付けましょう。

 

 


4. 「コスパ」でアホに見られてます

 

 

いかがでしょうか?

 

 

あなたの日常会話に登場する『コスパ』にも、思い当たるフシはありませんか?

 

 

わたくしコダモンは、そもそもコスパという和製英語を使わない方がいいと思います。

 

 

もともと英語圏の日常会話の中でも使わない言い回しだし、最近の日本ではコスパという単語だけが一人歩きしてしまい、その本来の意味合いが失われているからです。

 

 

あなたも自分が気付かないうちに『間違ったコスパ』を使っているかもしれません。

 

 

「金額の割には質の良い製品が買えた」

 

 

「高い料理の割には美味しくなかった」

 

 

このように、コスパを使わなくたって会話できるし、その代用はいくらでもあります。

 

 

「安くてお得」をコスパという単語一つで簡単に処理したくなる気持ちも理解できますが…使いどころを間違えると会話の流れを無視する形にもなってしまいます。もしくは、コスパの『パフォーマンス』の部分をちゃんと定義できないまま使ってしまい、自分の思考が薄っぺらい事が相手にバレます。

 

 

そうなる前に、使用を控えるべき。

 

 

語彙力も育たないし…コスパという言葉のせいで、日常会話が陳腐なものになるでしょう。個人的に、コスパコスパ連発する人はあまり賢い印象を受けません。

 

 

「結婚はコスパが悪い!」などと発言してアホのレッテルを貼られないように、是非気を付けましょう。

 

 

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