日本で働く外国人が職場で苦労する3つの事

日本人でも苦労する日本の企業の職場事情。外国人たちは何を思いながら働いているのでしょうか?



外国人は『日本式』で苦労する

 

 

ドイツハーフでドイツ暮らしをしています。コダモンです。

 

 

半分日本人として、日本で日系企業に勤めていた当時…都内にある本社のオフィスには数名の外国人がいました。

 

 

その企業は大手だったこともあり、所属する外国人たちもドイツやインドなど多国籍で、みんな日本の滞在経験も比較的長い人たちでした。中には流暢な日本語を話す人もいた。

 

 

そのような外国人たちは、日本の日系企業で働きながら多くの苦労に直面します。

 

 

言葉の壁などではなく、もっと根本的な部分。日本人上司が「外国人の扱いに戸惑っている」などとよく聞きますが、そういう場合は決まって外国人の方がもっと困っています。

 

 

半分日本人であるドイツハーフですら手こずった『日系企業の働き方』に、企業文化を知らない外国人たちは四苦八苦しているのです。

 

 


1. 毎日偏見と戦う外国人

 

 

これは社会的に見ても仕方がない事かもしれませんが、日本にはまだまだ『外国人慣れしてない日本人』が多く、その中には何らかの偏見を持つ人もいます。

 

 

これが、会社の中で外国人に対する扱いが雑になる原因になっています。

 

 

日本に限らず、どこの国にも外国人に対する偏見は必ず存在します。でも、日本はその中でもちょっと特殊。

 

 

日本の社会の縮図でもある日系企業では、集団意識が強い事もあり、そこで働く人の意識の中には『内』と『外』の区別が強いです。同じ会社で働く外国人たちは、同じ所属の同じ社員。本来ならば、社内の内輪同士という事で日本人社員と同じく仲間意識が芽生えるはずです。

 

 

しかし、残念ながらそこでも「日本人と外国人」という部分にこだわってしまう人がいる。自分たちを『内』、外国人たちを『外』と決めつけて働こうとする人がいるわけです。

 

 

お互いの共通点を探すことよりも、自分と相手の『違い』を針小棒大に取り上げる人。

 

 

そのような人たちのおかげで、日本の企業で働く外国人たちは、あれよあれよという間に「浮いた存在」に仕立て上げられてしまいます。

 

 

「外人は上司に対する礼儀がなっていない」

 

 

「あいつらは何度説明しても理解しない」

 

 

はたから見ているこっちが悲しくなるほど、このような言葉をたくさん耳にしました。

 

 

外国人は日本の会社でこのような偏見を間接的に、あるいは直接的に経験します。異国の地で、職場の人間とは同じ目的意識を持って働いているはずなのに…気が付けば、自分に対する周りの扱いが『違う』ことを知るのです。

 

 

あくまでも昔の話ですが、外国人が日本語をあまり理解していない事や、社内で『日本人の輪に入っていないこと』につけ込んで、みんな言いたい放題でした。ほんの些細な、業務とはあまり関係の無いことでも「また外人が…」などと言う始末。

 

 

こういう事が繰り返されると、当然のことながら外国人は次第に社内で居場所を失います。

 

 

彼ら/彼女らにしてみれば、これまで母国で学んだスキルや働き方で日本の社会人をスタートさせるしか方法はない。そして、その働き方は当然日本のそれとはまったく異なります。それでも頑張って学ぼうとはするものの、なぜかみんな自分と距離を置こうとする…。そうやって自分の置かれた状況がしっかり呑み込めないまま、外国人には疲労と苦労が蓄積されていくのです。

 

 

そんな外国人たちを無理矢理『日本式』に変えるか、はたまたその優秀なスキルを最大限に活かすために『柔軟に対応する』かどうか?

 

 

後者の方が明らかに双方のメリットが大きいのですが…。仕組みの中でしか動けない日系企業においては、それも難しいようです。

 

 


2. 日本特有の集団行動

 

 

もちろん、偏見を持たない、柔軟な思考を持つ日本人もたくさんいます。

 

 

外国人の社員に対してフランクに、周りと同じ平等な対応ができる人もいます。

 

 

しかし、それでも外国人は日本の会社で苦労している。その理由は、世界でも珍しい日本の集団行動にあります。

 

 

「上司も周りもみんな残業するから自分も残ろう…」

 

 

「誰かに迷惑がかかるから有給を取るのをやめよう…」

 

 

日本ではありがちなこのような考えを、外国人はサラサラ持ち合わせていません。

 

 

残業している同僚を見て、「へぇ~忙しいんだなぁ」くらいにしか思っていない。有給休暇に関しても、自分の当然の権利として周りに合わせず自分のタイミングで取得しようとするでしょう。

 

 

もちろん、外国人はここでもすぐに『日本式』に気付きます。直接小言を言ってくる日本人上司もいるでしょうし、周りからのイタイ視線を受けて「自分は何か間違えてるのかも…」と思うのに時間はかかりません。

 

 

ここで大事なのは、日本の集団行動がグローバルスタンダードから外れているという事です。

 

 

欧米に限らず、海外は基本的に成果主義です。結果だけが求められ、そこまでの『過程』は問われません。極端に言えば、海外では上から求められる結果さえ出していれば、出社時間も退社時間も自由。就業規則の違反さえしなければ、誰も文句を言いません。

 

 

日本の会社ではその反面、集団的に、仕組みに則って仕事をする際の『過程』がとっても重要。

 

 

「定刻までに出社しているか?」「会議にしっかり出席しているか?」「報連相をしているか?」「ハンコがしっかり押されているか?」…などなど。

 

 

そのような環境は日本では当たり前ですが、外国人にとってはとても窮屈なのです。

 

 

周りの社員や他部署を意識する日本人は、部署の中にいる外国人にも同じように行動して欲しい。しかし、成果主義の中で結果を残すことに特化した外国人からすれば「やる事やってるんだから自分には関係ないでしょ」という風になるわけです。外国人はあくまで『個人』として企業と向き合っています。

 

 

事実、コダモンが以前勤めていた日系企業のドイツ人は、毎週の定例に参加する事を頑なに拒んでいました。

 

 

その理由は単純で: 

 

 

「日本語だけで行われる定例だから」

 

 

そして、

 

 

「毎週ダラダラと報告するだけの会議の意図が不明だから」です。

 

 

部署の中で参加が必須である定例会議も、そのドイツ人は「何のメリットも無いから」という至極当然な理由ですっぽかすのです。

 

 

上司の日本人の部長がいかに「チームの輪を乱すな!」「日本では当たり前でみんなやる事なんだ!」と憤慨しても、そのドイツ人は知らん顔。

 

 

不効率な事を徹底的に排除して働くドイツ人にとっては、ただ座っているだけの1時間や2時間は、絶対に受け入れられない。

 

 

このように、「周りはみんなやってるんだから!」を外国人に理解させる事は、ほぼ不可能。

 

 

日本の会社にある日本特有の集団行動の意識は、外国人からすればストレス要因でしかないのです。

 



3. 見えないルールと企業の慣行

 

 

外国人が日本の会社で苦労する理由の3つ目は、日本の会社のルールと慣行です。

 

 

日本で生まれ育った私コダモンでさえも、日本の会社に中途で入社した時に衝撃を受けました。

 

 

新入社員と一緒に参加した研修で目の当たりにした「社訓の唱和」や、意味不明な定例会議など…。マンガの世界の出来事だと思っていた事を実際に経験して、ゾッとした。

 

 

日本に数多く存在する日系企業では、大手にしろ中小企業にしろ、本当に様々な慣行や社内ルールがあると思います。

 

 

「社員が毎朝一斉に掃除をする『清掃の精神』」

 

 

「残業はやりたい放題なのに出社時間は厳守」

 

 

「外出先から一度は会社に戻る」

 

 

などなど。

 

 

ここまで読んでいただいたなら、もうおわかりだと思いますが…。外国人にこれらを理解させることは無理です。

     

 

仮に強制でもすれば、それがそのままストレスとなって外国人たちの嫌悪感と不信感につながります。残念ながらこれは現実問題で、不満を通り越して疲弊している外国人は大勢います。

 

 

「出る釘は打たれる」などとはよく言ったもので…。

 

 

 

日本で日系企業で働く外国人たちは、最初から「飛びぬけて出ている釘」です。

その釘を良かれと思って叩いて叩いて、ひたすら周りと同じ位置まで打ち込んだところで、その釘はもうボロボロで機能しません。

 

 

 

義務教育で集団行動を経験していない、個人主義と成果主義の世界からやってきた外国人たち。彼らを日本の会社で『日本式』に働かせるためには、各々の外国人の出自も考慮するほどデリケートな対応が必要です。

 

 

それが途方もない作業となるのは明確なので…。やはり、日系企業とそこで働く日本人たちが外国人に対して『柔軟な思考』を持つしかないのです。

 

 


 

 

いかがだったでしょうか?

 

 

国も文化も言葉も違う世界から来ている外国人は、その考え方もグローバルです。彼ら/彼女らの『スタンダード』は、あくまで日本の『当たり前』とは結びつきません。

 

 

それでも、少なくともわたくしコダモンの知る限りでは、外国人たちは日本の働き方を学ぼうと懸命です。ただ、外国人にとっては「これがウチのやり方だから」などということが働く理由にならないだけの話なのです。

 

 

海外の優秀な人材を有意義に活用するためには、それなりのオリエンテーションが大切。日本での働き方に対して頭ごなしに同意を求めるのではなく、あくまで「企業文化をしっかり共有すること」が重要です。

 

 

ただし、外国人がそれに素直に従うかどうかは、まったく別の話。

 

 

上司として、企業として、外国人社員の文化と思考を汲み取れるかどうか? それが分かれ道になります。

 

 

それが日常の些細なことであっても、カッとなって行動に起こす前に、「グローバルスタンダードか否か」ということをまず考える。

 

 

 

毎日毎日残業している職場において、朝の出社時間にちょっとだけ遅刻した外国人に対してガミガミ説教をしたら必ずモメます。

 

 

 

不効率な事や、明らかに理不尽な事を外国人に対して “正当化” したい場合は、「これがウチのルールだから」では片付きません。

 

 

日本人にとっては当たり前かもしれない社内の慣行は、外国人にとっては理解不能。それを念頭に置きながら、文化と考え方の違いをしっかり考慮して対応する必要があるのです。

 

 

同じ会社で、同じ目的意識を持って働く日本人と外国人。

 

 

日々の業務の中でお互いの苦労を減らすためには、ホームグランウドで多勢でもある『日本人』の方から歩み寄ることが、最善の解決方法です。

 

 

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