外資系企業へ転職したらもう日系企業には戻れない?

日系企業を捨てて外資系企業へ転職したら、もう二度と日系企業には戻れないって本当? 



外資系企業への転職とそのリスク

 

 

「日系企業から外資系企業に転職したらその後のキャリアも外資系になる」

 

 

コダモンです。

 

 

日系企業に勤める人が外資系企業に転職してしまうと、もう日系企業に戻れないという話。みなさんは聞いた事ありますか?

 

 

日系企業にいれば安定して働けるけど、外資系企業への転職はリスクが多い…実際にそのように考える人もいるようです。

 

 

賛否両論がある外資系企業への転職ですが、果たして本当にリスクが伴う『片道切符』なのでしょうか?

 

 

実際に大手日系企業と外資系企業の両方に就職した経験のあるドイツハーフが、語ります。

 

 


1. 終身雇用と年功序列

 

 

一口に外資系企業と言っても、その中身は様々です。

 

 

外資系企業の日本支社や日本法人の中身は『日系企業化』している事も多く、いざ転職してみたら拍子抜けしてしまった…という人もいます。

 

 

それでも、仮に直属の上司が外国人で、なおかつ海外本社とのやり取りが頻繁にある場合は、その働き方が自動的に『海外スタイル』になるでしょう。

 

 

また逆に、転職先の外資系企業での職務が経理やITなどの内勤であれば、その業務内容も日本法人内で完結できる事が多いため、働き方が自然と『日本スタイル』になります。

 

 

そのため、「外資系企業への転職には英語が必須!」「外資系企業では海外の働き方が経験できる!」というのは、基本的に間違ってはいないのですが、その要求の度合いはポジションや業務内容によってガラっと変わります。

 

 

いずれのケースでも共通して言えるのは、外資系企業には終身雇用も年功序列もないという事。

 

 

日系企業からの転職組は、まずこの事実をしっかりと理解する必要があります。

 

 

1.1 . 外資系企業は自由度が高い!

 

 

外資系企業に勤めることで、日系企業では味わえない「意思決定のスピード感」、「フランクな人間関係」や「風通しの良い自由な職場環境」が経験できるでしょう。個々の裁量も、外資系ではとても大きいです。

 

 

しかし同時に、管理職になれるのは選ばれた一握りの優秀な人材だけであり、そのためには「転職してキャリアアップを目指すこと」が当然のように行われます。日系企業のように、コツコツ勤続年数を伸すだけでは昇給や昇級ができないのです。

 

 

また、日本の企業では「身近な先輩」が手ほどきをしてくれる事もありますが、外資系企業では基本的に放置。年功序列が無いという事は、先輩・後輩による師弟関係も無い事になります。自由である反面、不明点も自分でクリアする必要があります。

 

 

これらの違いを総括すると、外資系企業では仕事もキャリア形成も自分次第という事が言えます。

 

 

「自分のスキルに見合った評価が欲しい!」

 

 

「周りと足並み揃わされるのは納得がいかん!」

 

 

そのように息巻く人は、外資系企業の方が合っているかも。

 

 

日系企業でも影を潜めつつある『終身雇用』などは、外資系企業では全く期待できません。転職を考える場合は、長期のキャリアスパンで自分の人生と相談する必要があります。

 

 

個人がとても自由に動ける企業文化である反面、企業は社員に対して基本的に無関心です。ちょっと物悲しい気もしますが、逆に言えば「自由だー!」と言って割り切って働くことが可能です。

 

 

「カイシャが何でも面倒を見てくれる」という日系特有の環境に一度でも慣れてしまうと…少なからず後ろ髪を引かれる事でしょう。

 

 


2. 成果主義と個人主義

 

 

外資系企業では、連帯責任ではなく個人主義と成果主義の環境の中で働く必要があります。

 

 

社員は全員そのポジションごとに "JD" (Job Description) によって職務内容が細かく定義されているので、「定められた仕事をしっかりこなしているか?」「その結果はどうか?」という事が、人事評価の判断材料になります。

 

 

日系企業とは違い、外資系では入社後すぐに即戦力としての期待がかかり、なおかつ明確なアウトプットを求められる。転職後の簡単な手ほどきもあるし、『引継ぎ』などの導入期間もありますが、基本的にはこれまでのキャリアを活かしてすぐに成果を出す事が期待されます。

 

 

日系企業で働く人にとっては、この部分のハードルが特に高く感じられるようです。

 

 

面倒を見てくれるブラザー/シスターがいたり、何でも相談できる上司がすぐ身近にいる…などという環境は、外資系には無い。

 

 

入社直後からプレジェクトを任される事もあり、企業に馴染む作業と仕事を進める作業が同時進行となります。まぁ、大変と言えば大変。

 

 

しかしながら、実際にはそこまでビクビクする必要はありません。いくら成果主義の外資系企業と言っても、その職場にいる全員が優秀だとは限らないからです。

 

 

実際に日本法人で働く同僚に聞いてみたところ、社員の中には「偉そうにして全然仕事ができない人」や「1日中何をしているのかわからない人」がいるようでした。本社がドイツにある外資系企業であっても、日本のオフィスは優秀な人材だけで構成されているわけではなく、良くも悪くも『その他大勢』がいるのです。

 

 

2.1. 外資系企業は『個』が強い!

 

 

また、クセの強い人が集まるのも外資系企業の特徴です。いわゆるアウトローな人がいるケースがあります。

 

 

例えば、日系企業特有の古い慣行や集団行動と『和』を尊重する働き方にフィットできなかった人、または協調性に欠ける人など。彼ら/彼女らは、「もう日系はウンザリ」と言って、個人主義色の強い外資系への転職を真っ先に考えます。

 

 

こういった「日本の組織NG」な人たちは、もちろん日系企業への再就職はサラサラ考えていないので、結果的に外資系企業を転々とする事になる。この場合は、外資系企業への転職はまさに『片道切符』になったと言えるでしょう。

 

 

また、外資系企業では誰もが自分の仕事だけに専念しているので、結果的に仕事でもプライベートでも社員同士の付き合いが薄いです。

 

 

「一人で仕事を完結させたい!」「自分のキャリアは自分の能力で勝ち取る!」そのような姿勢で働く人が、外資系企業には集まりやすい。

 

 

社員同士の関係はとてもサバサバしていて、同時に会社に対する帰属意識はとても低いです。

 

 

このような働き方が合うのであれば、外資系企業への転職は大いにアリ。グローバルな環境で様々な知識経験を身に着けつつ、ゆくゆくは「給与交渉」「引き抜き」「転職」などの選択肢を通して自分の市場価値をどんどん高めることができます。

 

 

この流れに上手に乗れれば、日系企業ではまずあり得ない1.5倍~2倍の給与アップも決して夢ではない。日系企業では勤続20数年の課長や部長クラスの人が得るような給与を、30代そこそこで貰える事だってあります。

 

 

海外ビジネスにおいては競合他社からの引き抜きやヘッドハンティングが盛んなので、倍々ゲームのような感覚で好待遇を勝ち取る事もありえるのです。

 

 

こうなれれば転職組の中でも『勝ち組』と言えるようになり、そもそも日系企業へ戻って自らの待遇をランクダウンさせる事は考えられないでしょう。

 

 

外資系企業への転職が『片道切符』だと言われる理由の背景には、このような “ポジティブな要素” が絡んでいるケースもあるのです。

 

 


3. 外資系への転職に潜在するリスク

 

 

外資系企業では、転職によってポジションや年収アップを図るのが一般的な考え方です。

 

 

ひとつの企業で数年ほど実績を作ったら転職をして、新しい就職先でこれまでの知識経験や人脈などを駆使して評価を高める…という事の繰り返し。そうやって自分の市場価値を高めながら、給与とポジションを上げていきます。

 

 

あなたの経験やスキルが突出したものであればあるほど、その価値は高くなり外資系企業からすれば大金を積んででも欲しい人材となるでしょう。

 

 

その道を進んでいれば、トントン拍子でキャリアを積む事ができます。

 

 

しかし…残念ながら、そう甘い話ばかりでもない。転職をする時に失敗してしまう事もあります。

 

 

一番危ういケースは、明確なスキルや経験が無いのに転職してしまった場合です。

 

 

日系企業からの転職にしろ、外資系からの転職にしろ、これが1番危険。

 

 

外資系企業で健全に生き抜くためには、他者との差別化につながる強みが必要です。逆に言えば、何か突出したものを提示できなければ、転職活動をしたところで散々な結果となるでしょう。仮に転職を成功させても、就職先には苦労だけが待ち受けています。

 

 

転職組になる場合は、後にも先にも「スキルで勝負できること」が重要です。

 

 

コレが無いと、転職先の企業で「使い物にならない」とはじかれてしまう。最悪場合、そこからまたすぐに別の外資系へ転職となる。最終的には、転職のたびに待遇ダウンを余儀なくされるというマイナスな状況に陥ってしまう事もあるのです。本来あるべき形の真逆を行ってしまう、危険なパターン。

 

 

外資系企業は、良くも悪くも「人材は流動するもの」と割り切っているので、企業の組織体制や運営方針もそれに合わせたものになっている。そのため、人の出入りに対しても何ら無関心。鳴り物入りで入社してきたビジネスパーソンが、入社後たった数か月で早々転職していくケースだってあります。

 

 

このような状況を理解したうえで、外資系企業への転職の前に自分のスキルを見直しましょう。

 

 


4. 外資系企業から日系に戻るメリットはない?

 

 

外資系企業への転職を決めた人は、やはりその後日系企業を選ぶ人は少ないです。

 

 

その理由は単純で、30代40代という年齢で今さら日系企業に就職をしたところで、全体主義と年功序列の組織の中では『また1から出直し』という事になるからです。

 

 

せっかく外資系で “個のスキル” に磨きをかけたのに、日本の会社に戻った瞬間に「その他大勢」と横一列に並べられてしまう。生え抜きの社員が優遇されるシステムになっている日系企業では待遇アップが望めない事も多く、そもそも日系に転職するメリットがないのです。

 

 

そのため、外資系企業へと駒を進めた後は、明確なスキルと経験を交渉材料に自分の存在意義を市場の中でアピールし続ける事が重要です。

 

 

 

グローバルな組織と環境において、自ら行動を起こして積極的に働ける人だけが、外資系企業でキャリアを築く事ができるのです。

 

 


5. 外資系への転職は『片道切符』か?

 

 

まず、結論から。

 

 

優秀な人材であれば外資系から日系企業に転職できます

 

 

「1度でも外資系企業に転職してしまうとその後のキャリアも外資系になる」という傾向は、全ての転職者に当てはまるわけではありません。

 

 

ちなみに『優秀な人材』とは、突出したスキルや経験で他人との差別化がしっかりできている人の事を指します。

 

 

実際に、日系の1部上場企業に勤めていた当時、もう60歳近いおじいちゃん社員が好待遇で採用されていたケースがありました。その人は外資系など様々な企業を渡り歩いてきたベテランでしたが、とにかく『英語のスキル』に秀でていた。それも、業界に精通した専門用語などにも特化したコミュニケーションスキルです。そして、その人は社内のお偉いさん直々に「若手社員のビジネス英会話育成要因」に任命され、重宝されていたのです。当人曰く、「自分にはもったいないほどの給与」をゲットしながら…。

 

 

このように、企業のニーズと条件が合えば、外資系企業へ転職した後でも、日系企業へ戻る道はいくらでもあります。

 

 

 

ただし、その場合は恐らく年収アップや好待遇を期待する事はできないでしょう。福利厚生などのメリットを除いても、外資系企業から日系企業への転職ではむしろ年収ダウンを想定した方がいい。

 

 

また、将来のキャリアを考えた時にも、外資系企業から日系企業へ転職した時には一抹の不安が残ります。『内』の意識が極端に強い日系では、中途採用者が役員などにまで上り詰めるケースは稀だと言わざるを得ない。古い慣行や非公式のルールに縛られがちな日系企業では、仮に優秀な人材であっても「中途だから…」「出戻りだから…」などという文言で、暗黙の了解として出世が閉ざされている場合もあります。

 

 

優秀な人材に対して、市場価値に見合った判断がなかなかできない、年功序列と終身雇用のシステムという仕組みの中でしか物事を判断できない日系企業。

 

 

そんな日系企業に、1度でも外資系企業の『自由な空気』を吸った経験のあるビジネスパーソンたちは、そもそも日系企業に戻る気がないのです。

 

 

外資系企業から日系企業へ再度転職する事自体は可能だけど、それを実行に移すメリットがない。結果として、実際に日系へと転職していく人が少ないのだと想像する。

 

 

このような傾向が世の中の転職事情にも反映された結果、「外資系企業への転職は片道切符」という通説が出来上がったのですね。

 

 

本当に優秀なビジネスパーソンは、外資系や日系問わず引く手あまたです。

 

 

外資系企業への転職を検討している人は、こちらの記事もご参照ください:

 


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