海外の社会人は優秀! 日本よりドイツにグローバル人材が多い理由

海外勢を相手に仕事をするためにはそれなりの知識経験が必要です。実際にドイツと日本で社会人をやったらドイツの方が断然レベルが高かった。



日本の社会人は海外勢から見劣りする?

 

 

今日もドイツでのんびり会社員をしています。コダモンです。

 

 

日系の大手一部上場企業に4年半勤めて、その後外資系に転職。「グローバルな人間になりたい」という目標をざっくり達成するために、これまで主に海外営業やグローバルマーケティングなどを担当してきました。

 

 

そんなドイツハーフは、自分が半分外国人という事もあり、これまで仕事とプライベートを通して日本と海外の『違い』をたくさん経験してきました。

 

 

「働き方」「職場の人間関係」「ビジネスマナー」

 

 

ドイツと日本を例に見ても、その働き方はまったく違う。日本とドイツの社会人の違いは大きいです。

 

 

集団行動に任せて『仕組み』の中で社会人生活を送る日本人と、全て『個の力』で乗り切る必要があるドイツ人。

 

 

その違いをどんどん紐解いていくと…。「日本にグローバル人材が少ない理由」が見えてくるのです。

 

 


1. ドイツと日本の学校教育

 

 

日本とドイツの社会人の違いは、その学校教育にまでさかのぼります。

 

 

ドイツ人は、10代の学生の頃から日本的に見れば早熟とも言えるほど『大人』です。

 

 

その理由はドイツの学校制度にあります。ドイツ人は10歳になる時点で『将来の進路』を決める必要があるのです。

 

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義務教育の年齢 (6歳) に達して進学したら、日本で言うところの小学校4年生 (10歳) の時点で「自分の将来の枠組みを決める」という事です。

 

 

これがけっこうシビア。

 

 

成績や素行が悪い生徒は、この時点で既に “エリートへの道” が閉ざされてしまいます。大学進学のためのコースや職業上級専門学校が選べないからです。

 

 

実科学校へ進み、16歳で卒業と同時に手に職を持つか? 

 

 

それとも…。

 

 

高校修了まで勉強を頑張って専門学校もしくは4年生大学に行くか? 

 

 

このような「職業コース」と「進学コース」との別れ道が、まだ10歳という若さのドイツの子供たちの前に立ちはだかります。

 

 

自ら進んで、明確な目標を持って労働者としての訓練を受ける人もいれば、学力不足で他に選択肢がない人もいる。同時に、大学や短大、専門学校へ通うために高等教育を選ぶ人たちは、それ相応の努力を積み重ねます。

 

 

将来の基盤となる教育課程を10歳そこそこで決められてしまうドイツでは、「みんな仲良く中学校へ進む」という事がないのです。

 

 

このように、ドイツでは子供の頃から既に『個』の戦いが始まっていると言えます。日本の『お受験』などとはまったく別のレベルの話。

 

 

実力主義で規律の厳しいドイツでは、小学生で留年させられる事も普通にありえるので、色々な意味で「周りと違う学生」がどんどん輩出されます。

 

 

しっかり成績を残せた学生だけが最終的に高等教育へと進める、ドイツの学校制度。その中で育つドイツの10代の若者は、自分の将来を自分の責任で決めているのです。

 

 

一般的に優秀な人材が多いと言われるドイツですが、いわゆる大学や短大、専門学校への進学を選ぶ人(/選べる人)は、全体のおよそ52%です。

 

 

ちなみに、日本では高校卒業後に同様の進路を選ぶ人は全体のおよそ58%ほど。

 

 

ドイツでは「適材適所」や「成果主義」が、良くも悪くも社会のシステムとして伝統的に徹底されています。

 

 

このようなシビアな教育システムで育つドイツ人は、社会人になる前から既にとても『大人』。日本の学生たちとは、経験している中身の濃さが違うのです。

 

 


2. ドイツと日本の就職活動

 

 

ドイツには新卒一括採用がありません。

 

 

そのため、日本のように就活シーズンもないし、学生達がワラワラと一斉に就職活動をスタートさせる事もない。

 

 

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ドイツで大学生活を送っていると、周りの友人や学生が知らないうちに学位を取得して、知らないうちに卒業して、知らないうちに就職先が決まっていた…などという事が普通です。

 

 

ドイツの学生は、卒業時期も決まっていないので、各々自分が卒業するタイミングで就職活動を行います。ドイツでは企業が通年採用を行っているという事です。そのため、学生からすれば「就職先が見つかり次第入社」となります。

 

 

日本と違い、ドイツでは学生が自ら行動を起こさないと何も情報が入ってきません。大学側は学生を基本ほったらかしなので、ドイツでは就職活動も『個人戦』だという事になりす。

 

 

新卒という枠組みがほぼ無く、大学を卒業した新人でもいわゆるキャリア採用として扱われます。

 

 

そのため、大学卒業時点で実務経験や突出したスキルが無いと、即戦力とみなされず、就職活動を行っても箸にも棒にも掛からない。

 

 

「大学を卒業してみたけど就職先が決まらなかった」「もう1度大学に入りなおした」などという学生も大勢います。

 

 

そんなドイツ人による就職活動では、就活生のスキルも経験値も年齢も様々なので、新卒たちの給与や待遇もみんな異なります。ドイツの企業のサイトには「新卒採用」という募集をあまり見かけないし、そもそも「初任給○○万円!」という固定概念もない。

 

 

極端な話、同じ時期に卒業した学生同士でも、その「実務経験」「業界や職種」「面接時の交渉力」の差により、初任給に倍以上の差がつくなどという事もあり得ます。

 

 

 

 

それらを全て見越した上で、ドイツ人は学生の頃から『自分だけのキャリアプラン』を試行錯誤するのです。

 

 

学歴があまり意味をなさないドイツ社会において、ドイツ人学生たちは実力で勝負することの厳しさをよく知っている。

 

 

目まぐるしく変化する環境に適応する力が、若い頃からしっかり身についているのです。そして、自分の周りが『自分とは違う』という事をドイツ人は当然のように受け入れいます。

 

 

その反面、日本人は何かと周りに合わせる事が大好きで、慣れ親しんだ『内』で力を発揮する事に強く、『外』では苦労する事が多いです。

 

 

就職活動の流れにのってそのまま入社し、広く浅い教育を受けて…というコースを進みがちな日本の社会人は、仕組みの中では優秀に動けるけれど、そこから一歩外へ出た途端に機能しなくなる人も多い。

 

 

そして、そのような傾向は就職活動の時点で既にスタートしている。

 

 

身だしなみも服装もみんな一緒で、みんなが一斉に就職活動を始める日本。その正反対に位置するのが、ドイツ人学生たちの就職活動です。

 

 


3. 同じ社会人でもこんなに違う!

 

 

ドイツでは、いつまでもダラダラと残業をしていると「仕事ができない人」とのレッテルを貼られます。

 

 

企業組織の中で効率的に働くために、職務内容が一人一人明確に決まっているからです。そして、あくまで残業をしないレベルの仕事量が定められています。

 

 

そのため、ドイツの企業では社員一人一人が自分の仕事だけに集中しています。残業代も基本的には出ないので、就業時間内にバリバリと働いたらとっとと帰る。これがドイツでは当たり前です。

 

 

「周りが残業しているから…」とか「上司がまだ働いているから…」など言って他人を気にかけるドイツ人はいません。

 

 

ドイツ人の「やる事はやる」「やらない事はやらない」というスタンスは、日本人が見ると怖気づいてしまうほどハッキリしています。

 

 

ドイツでは家族や自分の趣味などの『プライベート』が常に優先であり、ワークライフバランスを大切にする人が多いので、職場や企業の事情などは二の次です。

 

 

その結果として、ドイツ人は自分に身に覚えのない仕事は何の躊躇もなく断るようになります。それが仮に上司の依頼であっても、簡単に自分の仕事を増やさないように自分中心で徹底的に社会人生活をコントロールするのがドイツ流の働き方です。

 

 

このような徹底した自己管理と危機管理能力の高さをもって、ドイツ人は海外の猛者たちと対等に渡り合うのです。

 

 

 

 

10歳そこそこの頃から自分の将来を自分で決めてきたドイツ人は、キャリアや仕事に対する個々のマインドセットがとても明確で、社会に出たその瞬間から個々のスキルをフル活用して働きます。

 

 

就職も転職も、給与交渉もキャリアプランも、全て自己責任だとキッパリ割り切っているドイツ人。彼ら/彼女らは、社会人生活が安泰などとは考えていなく、どんな困難も全て「いつでも起こり得る事」だと想定しながら仕事をしています。

 

 

日本のように、年功序列と終身雇用の名残で「カイシャが守ってくれる」と勘違いしながらぬくぬくと社会人をするのとは大違い。

 

 

このように書くといろんな人に怒られそうですが…。実際に日本とドイツの両方の環境で社会人生活を送ってみて、しみじみ思います。

 

 

英語などの語学スキルよりも、実はもっと根本的な部分で日本の社会人は『個のポテンシャル』で海外から見劣りしてしまう。

 

 

ドイツ人は市場や社内の環境の変化を常に意識しながら、「頼れるのは自分のみ」という考えでキャリアを構想し、必要であればいつでも転職活動を行います。

 

 

ちなみにですが、確定申告や年末調整なども、日本ではカイシャが勝手に面倒を見てくれますが、ドイツでは企業勤めであっても全て自分で行います。還付されるはずのお金は、各自が自分で細かく調べて税務署に申告を行わないと、一銭も戻ってきません。

 

 

このように、ドイツでは自分の仕事と社会人生活を全て『個』としてマネジメントするのが当然なのです。

 

 

「カイシャがめんどうを見てくれる」「カイシャが守ってくれる」などという意識がサラサラ無いのがドイツ人。また、海外のビジネスパーソンたちです。

 

 

日本で必要とされるグローバルな人材は、この部分を理解した上で『海外を知る』必要があるのです。

 

 


4. グローバルな人間になるために

 

 

では、実際に日本で「グローバルな人材」になるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

 

まず言える事は、とにかく海外経験をたくさん積むこと。

 

 

海外と日本で半分ずつ教育を受けることができれば手っ取り早いのですが…。もちろん、そのようなケースはほぼゼロです。

 

 

そのため、次のような選択肢が具体的な例として挙げられます:

 

 

・海外留学をする

 

 

・社会人になってから企業を通して海外経験を積む

 

 

留学や長期出張などを通して、現地の人間の働き方と考え方を実際に肌で感じ取る事が大事。

 

 

それらを実行に移したい場合は、コチラもご参照:

 




 

 

営業職であれ、技術職であれ、海外ビジネスにおいてグローバルコミュニケーションを行う場合は、必ずと言っていいほど『場数』がものを言います。

 

 

外国人との交渉や大事な打ち合わせで「アワワワ…」とならないためには、早め早めに海外経験を重ねる事が最善です。

 

 

残念ながら、これまで述べてきたように…ドイツ人などと比べると日本の社会人は既にスタート地点で出遅れています。

 

 

世界と戦うための『社会人としてのベースの完成度』がそもそも違う。 

 

 

10代の若者の頃から実力主義の社会の中でサバイバルを経験して『大人な考え方』を持つドイツ人。そのような海外の人種と対等に渡り合うためには、後付けでもかまわないので、とりあえずたくさんの海外経験を積むことしか方法はありません。

 

 

日本で企業に属しながら、海外出張や海外とのミーティングなどを『無料』でどんどんこなすこと。これが1番のトレーニングです。(←日本で大手企業に就職する最大のメリットがコレ)

 

 

また、学生時代に留学やワーホリができる人は、その選択肢があるうちにどしどし海外へ進出するべき。

 

 

グローバルな環境が整っていない日本社会では、自ら進んでグローバルな環境へ飛び込んでいく必要があります。

 

 

本当にグローバルな人材になりたい人は、まず自分と海外のビジネスパーソン達との間にある『遅れ』を取り戻すこと。

 

 

そうする事で、やっとグローバル人材の仲間入りができるのです。

 

 

コダモン

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