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海外への移住を思い立ったらするべき5つの事

日本人の『海外移住』は比較的優遇されている場合が多いけど、その国で幸せになるためにはそれなりの準備と覚悟が必要です。



海外移住で新しい人生をスタートさせる

 

 

ヨーロッパなどの海外では頻繁に行われている、国外への移住。

 

 

ドイツを例に見ると、2017年の統計ではおよそ340万人のドイツ人が海外で生活しており、その割合は約8,200万人といわれるドイツの総人口の約4%にあたります。

(出典: auswandern-info)

 

 

同じ数字を日本で比べてみると、2017年10月時点での海外在留邦人数の割合は、135万人。これは日本の総人口の約0,94%となり、ドイツとの違いは一目瞭然です。

(出典: 外務省HP)

 

 

日本では、『海外移住』と聞くと、とてもハードルが高い事にように感じられ、『非現実的なモノ』と決めつけてしまう人も多いと思います。

 

 

日本以外の国での生活を考える以前に、「そもそも自分とは無縁なモノだ」とみなしてしまう。

 

 

それでも、近年は芸能人の海外移住などがテレビやメディアで取り上げられることが増えたため、「日本人でも海外で暮らせるんだ…!」と考える人が多くなってきているのではないでしょうか。

 

 

定年を迎えてから余生を海外でのんびり過ごしたい…と考える人や、海外でセレブ生活を送りたい…とあこがる人など。

 

 

では、実際に海外移住を思い立ったら、まず何をするべきなのでしょうか?

 

 

基本中の基本ともいえる、とりあえず行うべき『5つの事』を見ていきましょう。

 

 


1. 海外移住したい理由を再考する

 

 

海外移住には、しかるべきプロセスがあります。

 

 

まずは、移住へ向けてのリサーチを行う前に、必ずあなたの「日本以外の国で暮らしたい!」という目的とゆっくり向き合いましょう。

 

 

海外へ移住するという事は…。これまでの日本の生活とオサラバするということ。

 

 

大人になって社会へ出る時のように人生における新しいステージへと進むということになります。

 

 

例えば、あなたが学生から社会人になった時。新入社員として企業に入社した時など、将来の『ライフキャリア』を考えませんでしたか?

 

 

キャリア (仕事) を通してどの程度の収入と今後の昇進見通しがあるのかを考察して、それをベースにライフ (人生) の充実を計画すること。自分の将来を見据えながら財形年金貯蓄やローンなどについて考えてみること。

 

 

海外移住にも、同じような作業が必要になります。

 

 

周りに流されながら行き当たりばったりの就職活動をしたり、とりあえず内定をもらったからといって就職先を決めてしまったり…。そのようにして就職したカイシャでは、自分の本当のやりたい事を見つけられないまま、『キャリア』も『ライフ』を充実せずに短期間で就職先を辞めてしまう。

 

 

海外移住にも、それと同じ状況が起こり得るのです。

 

 

ネットで見つけた情報だけを頼りに海外移住を思い立ったり、行ったことも無い国への移住を決める事は、とても危険。

 

 

イメージ先行型を否定するわけではありませんが、まずは海外移住へ向けての『キッカケづくり』が大事です。

 

 

「学生時代に1年間留学していたカナダが素晴らしかったから、完全に移住したい!」

 

 

「趣味で中国語をたくさん勉強しているから、いつかは移住したい!」

 

 

「今付き合っているオーストラリア人と結婚するから、これを機に移住したい!」

 

 

海外への移住を決意するには、これらのような『まっとうな理由』が必要です。

 

 

移住先に何らかのとっかかりがある場合と、そうでない無い場合とでは、前者の方が圧倒的に安心であり移住後の生活が安定します。

 

 

もう少し具体的に言えば…。

 

 

 

あなたの人生に何の接点も無い国への移住は長続きしない

 

 

 

『あこがれ』などの気持ちも大事ですが、新天地で起こりうる苦労や災難も乗り切れるような意思の強さが重要です。

 

 

「物価が安いから…」「親日国だから…」などの上っ面だけの理由で安易に移住先を決めても、確かにそこでの生活自体は可能かもしれませんが、あなたにとっての充実した海外生活があるかどうかは別の話です。

 

 

海外移住をするという事は、その国における日本人は当然『外国人』。現地の人間や文化、風習、宗教を無視して暮らすことはできません。

 

 

その国の習慣や風土など全てを含めて「ここで暮らしてゆきたい…!」と思えなければ、苦痛と隣り合わせの生活しか待っていないのかもしれないのです。

 

 

そうならないためにも、あなたが海外移住したい理由をもう一度真剣に考えてみましょう。

 

 


2. 移住先の国を確定させる

 

 

あなたが移住先に決める国の情報をあらかじめ集める事は、もちろん大事な作業です。

 

 

ただし、ネット上にある『永住権が取りやすい国はどこ!?』『海外移住しやすい国10選!』といった記事や情報を鵜呑みにしないこと。

 

 

何ヵ国も『はしご』して色んな国へ移住してみた人が実際に存在していれば、苦労しません。多くの国を対象に海外進出のススメを書いているような記事は、最終的に薄っぺらい内容になっています。

 

 

海外移住の準備において本当に信頼できる情報の発信源は、個人であれば滞在日記など実際の海外生活体験談や、国際結婚であれば法務省のHPなど。そしてビザ関連の情報やビジネス展開については、日本貿易機構 (JETRO) など海外進出支援をしている公的機関を参考にします。

 

 

渡航先の国によっては、日本人移住者が多い国は他国と比べて情報と支援が充実していることもあります。

 

 

逆に言えば、移住先に決めた国がニッチな国であれば、情報収集にすら苦戦することもある。

 

 

そのため、まずは後にも先にも移住先の国を1つに絞ることが先決です。

 

 

当たり前のことのように聞こえますが、これが意外と落とし穴。なぜなら、移住先に決めた国のことを調べれば調べるほど、様々な情報に踊らされてしまうからです。

 

 

高額な銀行預金の証明が必要だったり。

 

 

必要書類の準備やビザ取得の難しさが判明したり。

 

 

現地の物価が意外と高いことに気づいたり。

 

 

…このように、調べれば調べるほど、あなたが後ろ髪を引かれる情報が出て来る可能性があります。

 

 

「フィリピンに40歳から移住しようと決めていたけど…。え!? 預託金が5万ドルも必要なの!?」

 

 

「ドイツで定住許可を獲得したいと思ったけど…。あれ!? 5年以上滞在して語学証明がないと申請できないの!?」

 

 

…といった具合で、現実と向き合った途端に諦めてしまう人もいる。

 

 

そのような探し方で色々な国を漁ってみたところで、消去法で選んだ国への移住が幸せであるはずがありません。

 

 

海外移住するための条件は国によって異なるので、移住先として選ぶ国は現実的な選択あると同時に、後にも先にも『あなたが本当に好きな国』である必要があるのです。

 

 

移住のための『譲れないキッカケ』があるのであれば、あとはその実現に向けて全力で準備するだけ…となります。

 

 


3. 海外移住で変化する環境を知る

 

 

海外への移住先を1つに絞れたら、次に『その国の環境』について調べましょう。

 

 

その国の言語・宗教・文化・風習がこれまでの日本の生活とは『明らかに違う』という事をまず認識する。そうすることで、実際の生活に結びつけた時のイメージも湧きます。

 

 

3.1. 言語と宗教

海外移住の目的が事業であれ個人の事情であれ、現地の言語を学ぶことは必要不可欠です。生活のためにも相応の語学力が必要ですが、国によっては『語学力の証明』ができてはじめて長期滞在許可がおりるケースもあります。また、信仰心が薄い日本から海外へ出る場合は、さまざまな宗教の入り乱れる海外諸国での発言や服装、立ち居振る舞いには注意が必要。一歩間違えれば、日本では想定外のトラブルに巻き込まることもあります。

 

 

3.2. 文化と住環境

日本に比べて海外は確実に不便です。サービス精神が旺盛で『お客様は神様』のように対応する文化は日本特有のもので、海外には存在しません。公共交通機関が常に遅延する、コンビニが無い、店員の態度が不遜…など。国によってその不便さは異なりますが、生活環境には慣れる必要があります。休日にお店が開いていない、賃貸物件に台所が設置されていない…など、国によっては『当然ありえる事』を事前に把握すること。

 

 

3.3. 精神的な影響

慣れない海外での生活は負担が大きく、精神的に不安定になりやすいです。その理由は単純に、これまで慣れ親しんだ家族、友人、街、言葉、文化やサービスから脱却するため。人間は本来変化を望まない生き物なので、自分が意識をしていなくても移住後の変化が大きな葛藤となってしまう。いくら本人が望んだ移住であっても、移住先の孤独感や文化の違いを克服する前に精神がまいってしまうこともあります。

 

 

実際に、ドイツに駐在となった日本人の同僚の奥様が極度のホームシックになり『駐在継続不可』となったケースが過去にありました。

 

 

駐在員妻という恵まれた形でドイツに移住してきたのですが、比較的小さな町で日本人同士の接点も少なく、旦那さんは終日お仕事で自分は一人ぼっち…。という環境の変化についていけず、精神的にまいってしまったのです。

 

 

過去に長期の海外在住経験がある人は別ですが、そうでない場合はこの『環境の変化』とそのリスクを認識しましょう。

 

 


4. 海外移住する『資格』があるか調べる

 

 

移住先に決めた国によってそのハードルの高さは変わりますが、最低限必要となる事項がいくつかあります。

 

 

また、駐在員、特殊技能者、配偶者…など、移住者自身のステータスによっても必要となるビザや書類がガラっと変わります。

 

 

いずれにせよ共通して言えることは、生半可な準備ではクリアできない項目が多いということ。

 

 

個人である日本人が各国への移住に必要な就労ビザや滞在許可を得ることは、決して不可能なことではありません。しかしながら、不法滞在や経済移民のコントロールは、どの国にとっても重要課題。そのため、国外からの移住者 (あなた) に対する審査は基本的にとても厳しいです。

 

 

唯一の救いは、日本からの移住者は世界的にも比較的優遇されていること。

 

 

応募期間や必要書類、各種条件さえしっかりクリアしていれば、申請が却下されることは少ないです。経済的要素や職務経歴など、行きたい国によってはなかなかクリアできない審査項目もありますが、それらも事前にチェックする事で長期的な計画を立てる事が可能です。

 

 

あなたが現在置かれている状況に対して、どのような申請プロセスと必要書類があるのか? 詳しく調べましょう。

 

 


5. 移住先のビザ取得方法を調べる

 

 

ビザや滞在許可の取得には、現地雇用主が必須です。(駐在員、配偶者等を除く)

 

 

その他にも基本的事項は多々ありますが、3つの国を例に、あくまで参考程度に要点だけをピックアップしてみました。

(※注: 下記以外にも必要な書類や証明書があります)

 

 

5.1. オーストラリアの場合

(参照元: 日本貿易機構)

 

1番注目すべき部分は、就労ビザから永住ビザ (ENS: Employer Nomination Scheme) への切り替えが部分的にしか可能でない点です。

 

 

オーストラリア労働市場で、『より重視された高度なスキルを要する職種』でなければ、そもそも永住へとつながりません。

 

 

移住者を厳選する傾向が強いオーストラリアで『永住権』を獲得するのは日本人でも至難の業です。審査のレベルが非常に高く、永住ビザへ移行させない仕組みが整っています。

 

 

5.2. タイの場合

(参照元: 日本貿易機構)

 

日本の『海外移住したい国ランキング』で常に上位のタイでは、現地での労働許可を得るためには『就業先が決定していこと』が唯一の前提条件です。

 

 

そのため、滞在許可取得のハードルはとても低い。オーストラリアなどと比べると、格段にビザが取得しやすい環境にあるでしょう。

 

 

唯一注意すべき点は、外国人禁止作業の存在です。靴や帽子の製造、ツアーガイドなど、意外な職業が外国人には禁止されています。

 

 

5.4. ドイツの場合

(参照元: ドイツ大使館HP)

 

ヨーロッパの移住先として比較的人気の高いドイツ。

 

 

滞在許可の唯一の欠点は、正社員採用された雇用主での就業のみが対象というところです。辞職や転職は失効を意味し、再度の申請となります。ただし、安定して雇用してくれる企業ならば心配はないでしょう。

 

 

ドイツの長期滞在許可の申請及びその取得難易度は、おそらくオーストラリアとタイの中間程度といったところです。

 

 


 

 

いかがだったでしょうか?

 

 

海外への移住を思い立つ場合は、後にも先にも『その国を好き』であることが大前提です。

 

 

長期滞在のための難しい条件に直面した時も「よし、頑張ろう!」と思えることが大切。

 

 

海外移住に必ず必要な『滞在資格』でもあるビザや滞在許可証。それらの取得難易度を知ることでも、自分の海外移住に対する意思の強さが確認できます。

 

 

あなたが移住先に決めた国の申請プロセスをしっかり確認して、第2の人生を楽しくスタートさせましょう。