欧米などの海外では「お客様は神様」は通用しない

ドイツでは店員が逆ギレしてくることなどは普通。「お客サマは神様」みたいな精神を持ち合わせているのは世界でも日本くらいです。

「お客サマは神様」の精神でムダに消耗する日本

 

 

 

コダモンです。

 

 

 

ドイツで暮らして、もうすぐトータルで14年目に突入しようとしています。

 

 

 

大学に通うために、日本の高校を卒業してから単身ドイツに渡った、ドイツハーフ。

 

 

 

大学在学中に、通算で2年間中国に滞在したり、大学卒業後にも日本で日系の大手に就職していた時期もあったけど…。それでも、高校卒業後は、これまで自分の生活の基盤の80%以上がドイツでした。

 

 

 

今はまた出戻りでドイツだし。なんやかんやでもう14年です。

 

 

 

ドイツとのハーフですが、生まれと育ちは日本。

 

 

 

通っていた学校は、市立とかの公立学校。放課後には「そうじの時間」とかあったし、部活動も普通にやった。生活指導の対象にもなったりしたし…。幼少期〜青年期はガッツリ日本でした。

 

 

 

そのため…。

 

 

 

ドイツで生活していると、14年が過ぎた今でもカルチャーショックに出会うことがあります。

 

 


「お客様は神様」

 

 

 

ちなみに、この「お客さまは神様」というコトバ。

 

 

 

今でもよく使われる、この表現。みなさん、この語源ってご存知ですか?

 

 

 

それをまったく知らなかった、わたくしコダモン。〇ーグル先生に聞いたら、教えてくれました。

 

 

 

どうやら、今は亡き三波春夫さんが最初に使ったフレーズのようです。

 

 

 

オフィシャルホームページによると…。

 

 

 

「三波春夫にとっての『お客様』とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。三波が言う『お客様』は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。」

(出典: 三波春夫オフィシャルサイト, http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html, 2019年1月5日時点)

 

 

 

へぇー。

 

 

 

なるほど。今世の中で使われがちな「お客様」とは別の意味が語源だったのですね。

 

 

 

でも、今となってはそのフレーズだけが一人歩きして…。

 

 

 

この「お客サマは神様」は、サービス業やオフィス業などいたるところでテンプレ的に使われています。

 

 

 

「ストレス大国ニッポン」を象徴するかのような使われ方も、多くある。

 

 

 

「お客さまは神様だろうが!!」

 

 

 

そのようなコトバを、居酒屋やレストランなどで店員さんに容赦なく投げかける、クレーマーな「神様」も、世の中にはけっこういらっしゃいます。

 

 

 

その語源であるはずの「藝を磨くための精神」は、跡形もない。ストイックで謙虚な姿勢とは、大違いの「使われよう」です。

 

 

 

そんな「お客さまは神様」の精神。

 

 

 

今の日本では、間違った使われ方がむしろスタンダード化して…。

 

 

 

「サービスを受ける側やお金を払うものが高い地位に立つ」という意味合いになっています。

 

 

 

そして、残念ながら…。それが「当たり前」という考えが多いのです。

  

 


「お客様は神様」が通用するのは日本だけ

 

 

 

日系の一部上場企業に中途で入社して、およそ2年間を都内の本社で過ごしていた時のこと。

 

 

 

その時は、法人営業で消耗している時期でした。

 

 

 

慣れない日本の顧客相手に、「日本式」での対応に明け暮れたドイツハーフ。

 

 

 

残業もたくさんしながら働いていても、その仕事量がハンパではなく…。けっこうな頻度でどこかの仕事がパンクする事態が起きました。

 

 

 

そして、顧客のクレームが来た。

 

 

 

「〇〇の件、納期がもうすぐなのにまだ図面もできてないんだと? ふざけんじゃねーぞ!!」

 

 

 

…と。

 

 

 

(いや、ふざけてねーし)

 

 

 

…とは思いつつも、電話越しにカンカンな相手にしっかりと低姿勢に対応するコダモン。その場も、丁寧な対応でいったん落ち着きました。

 

 

 

兎にも角にも、このような時に思うのが「お客さまは神様」の精神です。

 

 

 

あくまで勘違いしないでいただきたいのは…。

 

 

 

ドイツハーフは「お客さまは神様」なんて知らねぇ

 

 

 

ということ。

 

 

 

ここでの対象は、このように超高圧的に、頭ごなしに怒鳴りつけるような輩のことを言っています。要するに…。

 

 

 

顧客側が「お客さまは神様だろ!?」とアホみたいに勘違いしている

 

 

 

ということです。

 

 

 

もちろん、ビジネスをする上で、しっかりと顧客対応をすることは大前提。

 

 

 

それが顧客であれ社内の仕事であれ、社会人として自分の仕事のスケジュールを管理する事は「当然」です。

 

 

 

あくまで言い訳したいのは、「残業が前提のありえない仕事量」で、みんなストレスまみれで働いているということ。

 

 

 

そして、息つく暇もないほどあくせく働いている毎日の中で、「やりきれない仕事」がいくらでも出てくる。そのような状態の繰り返しなので、どこかで「漏れ」が生じます。

 

 

 

その結果が、前述のような事態。

 

 

 

そこまでは「自己責任」ということでいいのですが…。

 

 

 

その後にやってくる「ふざけんじゃねーよ!」的な顧客の態度が問題。

 

 

 

いや、マジでそこまで言われる筋合いはありませんから。たかが仕事ごときで。

 

 

 

日本では…。

 

 

 

対応を誤った店員さんに「お客さまは神様だろうが! 土下座しろ!」みたいな傍若無人な態度を取る人がいたり…。

 

 

 

必要以上に文句をつけて謝罪するまで執拗に追い込むクレーマーなどが、本当に多く存在します。

 

 

 

そしてそれは、接客業だけでなく、クライアントを抱えるビジネスの現場もしかり。

 

 

 

思考停止で「お客さまは神様」を振りかざして、何でも上から目線で押さえ込もうとするマウンティングな考えを持った人間が多い。

 

 

 

そこからの連鎖反応で、どのカイシャも徹底的に顧客の要求に応えようとするようになる。本来あるべき「顧客対応」が、単純に「過度な負担」になってしまっているのです。

 

 

 

そしてそれが、社会にはびこる過剰労働の遠因でもある。

 

 

 

「おもてなしを重視するから」とか、「日本ならではの高サービス」とかいう理由は、後付けの美談。

 

 

 

「お客さまは神様」は、ただ単にストレスを増やす、度を超えたサービス精神なのです。

 

 

 

…。

 

 

 

ちなみにこの「お客さまは神様」。

 

 

 

ドイツではまったく通用しませんから。

 

 


ドイツ人は「お客サマ」なんて知らない

 

 

 

日本で生まれ育ったドイツハーフである、わたくしコダモン。

 

 

 

つい最近、ドイツでイタリアンのレストランに行った時のことです。

 

 

 

そのレストランは、入店してすぐに「あ…。ミスったかな…」と思わせるほど、第一印象と対応が悪いところでした。

 

 

 

まず入店しても、誰も席に案内しようとしない。

 

 

 

こちらからウェイトレスに近づいて行って…。「あの、席空いてますよね?」と案内されようとしたら…。

 

 

 

「空いてるとこ適当に座って」

 

 

 

と、こっちも見ないで言われた。

 

 

 

まぁ…。ぶっちゃけ、ここまではよくある話。

 

 

 

それでも、「やっぱりココ出ようかな…」と一瞬迷いましたが、面倒だったのでステイ。

 

 

 

そこから運ばれて来たのは、不味くも美味くもない料理。

 

 

 

ここまでもOK。(ダメだけど)

 

 

 

最後に、お会計。ちなみに欧州ではチップをあげる習慣があるのですが、自分が気に入ったお店、対応が丁寧なお店にはそれ相応のチップを渡します。

 

 

 

お会計額の何%とかよく言いますが、それは昔の話。今は人それぞれの懐事情で「気持ち」という定義で額もまちまちです。

 

 

 

んで、コダモンのお会計ですが…。

 

 

 

チップをあげませんでした。

 

 

 

だって対応が酷かったから。ここでは割愛しましたが、メニューもこっちから尋ねないと出てこなかったし。店に客なんて2〜3人しかいない、ガラガラな状態なのに、です。

 

 

 

無言でお金をわたす。

 

 

 

すると…。

 

 

 

ウェイトレスが去り際に「チッ!」と舌打ち。

 

 

 

…。

 

 

 

「え…?」

 

 

 

何、今の。

 

 

 

(お客さまは神様だろうが!)

 

 

 

この時はつい思ってしまった (笑)

 

 

 

いや、冗談はさておき、これはマジでひどかった。

 

 

 

ちなみに、この時は何も言わず、店を去りました。なぜなら…。

 

 

 

以前、似たようなシチュエーションで口論になった末に店員に逆ギレされた経験があるからです。

 

 

 

ちなみにその時の店員は、単純に「機嫌が悪かった」。

 

 

 

ただそれだけ。

 

 

 

その理由はとことん理不尽だけれど、自分に非がないと思って行動しているので、謝罪などは絶対にないし、そもそもまったくお話になりません。

 

 

 

そのような自分の「機嫌の悪さ」を、仕事の場でおさえるどころか…。仕事中でもまったく気にすることなく、しかもお金を払って来店する客にまでふっかける事に躊躇がない。

 

 

 

まさにカルチャーショックでした。

 

 

 

…。

 

 

 

ドイツでは、アルバイトも正社員も、自分が契約書にサインした内容の仕事だけをこなそうとします。

 

 

 

自分はサービス業の経験がありませんが…。おそらく、前述のような「明らかに問題アリ」な人たちは、サービスの精神などは微塵も持ち合わせていない。

 

 

 

来店した客には適当に座ってもらって、料理を運んで、最後に集金する。

 

 

 

そんなルーティーンで、彼ら/彼女らの仕事は成り立っていたのですね。

 

 

 

もちろん、これらはあくまで「例外」です。しかし…。

 

 

 

これらは日本では考えられないような対応ではないでしょうか?

 

 

 

そしてそれは、オフィス業でもあるクライアント相手のビジネスの場もしかり。

 

 

 

ドイツで働いていると…。

 

 

 

納期をまったく無視して働く下請け

 

 

 

仕事が残ってても平気で帰宅していく部下

 

 

 

何度も依頼をかけても返答すらない社内の部署

 

 

 

このようなシチュエーションと現場に、しょっちゅう遭遇します (笑)

 

 

 

それでも、日本とドイツの両方でガッツリ社会人を経験して来た身から言わせてもらうと…。

 

 

 

ドイツの「働き方」の方が健康的

 

 

 

それだけは、確実に言えます。

 

 

 

「お客さまは神様」などのサービス精神は、微塵も持ち合わせていないドイツ人。

 

 

 

決められた仕事だけをキッチリこなして、残業なんてしない。

 

 

 

「日本のスタイル」を経験しているドイツハーフは、今でも日々の業務の中で、「マジか…」と絶句してしまう時があります。

 

 

 

それでも…。

 

 

 

日本のカイシャで経験した、徹底的に顧客の要求に応えようとする働き方よりは、100倍マシ。

 

 

 

時には困ってしまうこともありますが、過剰労働でストレスまみれになるよりは、確実に健全な思考なのです。

 

 

 

職場でも、みんなよく立ち話なんかしていて…。デスクの電話が鳴っていても、平気でシカトする人もいます。「もうちょっと働いた方がいいんじゃない?」なんて、日本的なことをつい考えてしまうほど。

 

 

 

それでも、「お客サマは神様」の精神で心身を消耗して働く日本より、ドイツの職場の雰囲気は断然活気に満ちている。

 

 

 

前述のレストランでの一幕も…。対応が酷かった店員ですが、その人自身は、ストレスフリーで働いていたのです。(お店はいつか潰れちゃうかもしれないけど)

 

 

 

…。

 

 

 

日本の「お客さまは神様」の精神は、律儀で勤勉な国民性も手伝って、結果的に過剰労働をもたらしかねない、とても危険な部分もある。

 

 

 

かたや、「与えられた仕事」以外にはまったく精を出さないドイツ人。

 

 

 

…。

 

 

 

ドイツ人には、ちょっとだけ「お客さまは神様」の精神をお手本にしてみて欲しいかな? (笑)

 

 

 

コダモン