会社の年功序列はダサい・古い・効率悪い

会社をすぐに辞める若者が増えているけど、それは『合理的に考えた結果』です。日本は人手不足なのに、なぜいまだに年功序列なの?



 

 

コダモンです。(@_kodamon)

 

 

ドイツの大学を卒業した後、都内の一部上場企業に就職しました。中途採用で入社したその企業では、同期となった同僚のほとんどが新卒でした。

 

 

入社した当時、会社側のはからいで新入社員研修に参加したのも、今となっては良い思い出。この時に同期となったおよそ50名の新卒たちは、皆とても素直で明るい子たちでした。

 

 

とてもイキイキしていた、入社当初の新入社員たち。

 

 

しかし…。

 

 

活気と希望に満ち溢れていた彼ら/彼女らは、後の社会人生活でどんどん消耗していったのです。

  

 


1. 年功序列が新卒を潰す?

 

 

新入社員研修後に、配属先へと散り散りになった新入社員たち。数ヶ月経ってから久しぶりに会うと、どの顔もなぜか表情が冴えない。みんな元気がないし、どことなく『疲れ』がにじみ出ている。

 

 

その中には、かわいそうなくらいの変貌ぶりだった同期もいました。思わず「どうしたの?!」と心配したほど。これは入社後たった数ヶ月の話です。

 

 

学生から社会人となり、慣れない業務と日々格闘しながら職場の人間関係などにも苦労し…先輩社員たちからの叱咤激励の毎日に、みんな疲れ切っていたのです。

  

 

納期に追われるプレッシャーや、終わりの見えない残業まで。目まぐるしく仕事に明け暮れ、息つくヒマもない。入社した当初はキラキラしていた若者たちも、いざ仕事を始めると様々な現実に直面してしまう。

 

 

仕事が忙しいだけでなく、先輩後輩のルールや社会人としてのマナー、職場の人間関係など。そのどれもがとても煩雑なのです。

 

 

そして、その元凶となるのが、日本の会社の『年功序列』です。

      

 

日本の雇用システムは、長期雇用、年功賃金といった日本企業の雇用慣行を基本に、雇用の安定と人材育成を重視しながら歴史的に形成されてきました。しかしそれは、安定成長をもたらすかたわら、「勤続年数が少ないと意見しづらい」「実力のある若手が認められない」などの弊害があります。

 

 

長年務めた人に重きを置く、年功序列の制度。これのせいで人間関係の癒着も発生し、職場では特に新入社員に多くのしわ寄せがいきます。

 

 

「新入りは当分『下積み』の期間だ!」

 

 

「上司より先に帰宅するなんてありえない!」

 

 

このような時代錯誤な発言は、日本の職場で普通に耳にします。まさに年功序列の賜物で、今どきの若者からすればいい迷惑でしかない。

 

 

新入社員は、年功序列の最下位に位置します。それを利用して、雑用や使い走りをさせたり、裁量の低い仕事だけを任せる会社はたくさん存在します。

 

 

しかし…。このような一昔前の組織の在り方は、今の若者には受け入れられないのです。

 

 


2. 新しい世代の台頭と価値観の多様化

 

 

現代の若者は、いわゆる団塊世代の50代の人たちと比べると、明らかに別の思考回路を持ち合わせています。

 

 

時代が変われば、人も変わる。『ジェネレーションギャップ』は今に始まった事では無く、これまで幾度となく繰り返されてきた事です。

 

 

しかし……。

 

 

現在は人工知能 (AI) の台頭とIT技術の進歩により、オフィス業務はすさまじい速さで効率化されています。

 

 

日本とドイツで社会人経験のある、わたくしコダモン。自分がこれまで関わってきたビジネスの範囲だけ見ても、企業と職場の人間は自動化の流れについていくのがやっとでした。大手企業でさえも、急速な時代の流れと市場の変化についていけずに戦略を見誤ることがある。

 

 

業界や職種を問わずAIを導入する企業が増えてきています。スマホやPCで。いつでもどこでもメールや電話で仕事ができてしまう昨今の世の中。

 

 

そして、今の若い世代にとってはそれが当たり前なのです。

 

 

キーボードからも離れてフリック入力でレポートを書いたり、スマホ1台でビジネスを完結させるツワモノもいます。IoT、ビッグデータ、 ロボット、人工知能などが『当たり前』だと認識する若者たち。

 

 

そのような新しい世代が『オッサン世代』とうまく嚙み合うはずがありません。

 

 

「ハンコの押し方がなってない!」

 

 

「目上に対する礼儀がなってない!」

 

 

年功序列と古いこだわりのせいで、このような発言がすぐに飛び出す日本。しかし…こんなものは今の若者にとってはストレスでしかありません。

 

 

現在の技術的進歩と、その時代を生きている『人』の思考回路の変化はこれまでに無いほど速いのに、それ以前の古い世代は思考が停止したまま。日本の会社組織も、大昔から変わらない年功序列のまま。

 

 

ハッキリ言って古い。そして、世界的に見ればとても不効率な組織体制で…ダサい。

 

 

「新卒で入社したカイシャで生涯働いて、勤続40年で退職金をもらって…」

 

 

そのような考えが当たり前だった、一昔前の会社員たち。それに比べて、今の若い世代は「そもそも自分はどう働きたいか?」という事を、人生の早い段階で考えます。

 

 

 

この2つの世代の『考え方の違い』が、今の日本の職場と働き方にハッキリと反映されているのです。

 

 

そして、このような価値観の多様化が、カイシャに変化をもたらそうとしています。

 

 


3. 日本の新卒が『新卒』でなくなる日

 

 

「カイシャに入って始めてインターネットに触れた古い世代」

 

 

そして…。

 

 

「中学校からスマホでネット検索してきた若い世代」

 

 

この2つの世代がぶつかる時に、摩擦が生じない訳がありません。スキル的な話ではなく、そもそも『考え方が違う』のです。

 

 

 

今の学生や若い世代の社会人は、一昔前よりも情報を得たりビジネスに関わるチャンスが増えています。かくいうコダモンも、ドイツの大学在学中に、大学を休業して実務経験を積みました。

 

 

(あわせて読みたい)

 

 

詳細は割愛しますが、ドイツの大学は完全に『個人主義』と『成果主義』の世界です。厳しい競争で海外のレベルの高さを痛感しながら、将来の就職に備えるために、大学在学中に実務経験を積んでいたのです。

 

 

海外では卒業と同時に企業に即戦力として見なされるので、学生の身分でありながら、学業の他にインターンなどに励みました。

 

 

ドイツには、日本のように新卒一括採用のシステムによる「一斉募集」などはありません。大学側のサポートも限られているので、各々が個々のタイミングで卒業します。入学したら、その瞬間から頼れるのは『自分』だけ。

 

 

就職活動に際して自分のスキルと強みをしっかりと提示できなければ、箸にも棒にもかからない。セルフマネジメントができないと、ドイツでは社会人としてやっていけないのです。

 

 

日本の学生は、大学2-3年あたりから就職説明会や就活対策、国家試験の準備などを始めるケースが大半で、実務経験はまったく問われませんでした。

 

 

しかし…昨今の日本の若い世代には、海外同様の『セルフマネジメントの意識』があるのです。

 

 

「ネットビジネスで家賃を払えるくらいは稼げています」

 

 

「大学の友人数人と会社を立ち上げてプロジェクトをやっていました」

 

 

このような、学生時代から自分の力でビジネスをマネジメントする人材も増えている。

 

 

彼ら/彼女らは、いわゆる『新卒』なのに、キャリア採用の人たちと遜色ないレベルの経験を既に積んでいます。

 

 

従来の『新卒』の枠に収まらない、新しい世代の人材です。

 

 

自分の力で生活費を稼いだり、ビジネスの基盤となる知識を身につけたり。将来の仕事において必要となる思考のスピードや柔軟性を、在学中に持ち合わせる学生たち。就職先の中間管理職さえ持ち合わせていないスキルを、既に身につけている事だってあるのです。

 

 

大学時代から、収益を挙げるのみならず、当然の事ながら経理・購買的なノウハウや、物流に関する知識も得ています。まさに即戦力。

 

 

しかし、残念なことに、日本の職場ではそのような人材が『惜しみなく能力を発揮する』ことができない。中国の某大手企業などは優秀な経歴の学生に初任給50万円などを提示しますが、日本はなかなかそれができない。

 

 

 

日本の会社の『年功序列』のおかげです。

 

 

 

時代環境の変化をしっかりと無視し続ける、日本の会社と年功序列の制度。

 

 

「最近の若い奴はスグ辞める!」などと言うオッサン世代の言動は、新しい世代の人材に対応できていない証拠でもあるのです。

 

 


4. 時代遅れな年功序列はもう通用しない

 

 

今の日本社会は、少子高齢社会による構造的な人手不足と好景気で、圧倒的な『売り手市場』ですね。

 

 

残業や休日出勤などの、これまでの日本では当たり前だった働き方が疑問視されやすい環境が整っています。「御社ではどれくらい残業がありますか?」と、面接で真っ向から質問を投げかける就活生もいる。時代は変わっています…。

 

 

企業と労働者の関係性も多様化していて、これまでの日本の組織体制も盤石では無くなってきました。

 

就業形態の多様化は、我が国の雇用システムに多面的に影響を及ぼし、長期雇用や年功序列という特徴を典型的に備えている正規雇用の労働者も、減少傾向にある。さらに、労働関係の個別化も進展し、今まで企業の中で同じように処遇されてきた労働者の間でも次第に賃金格差が広がりつつある。

 

 

ひと昔前までは、同じ会社で定年まで雇用され続ける『終身雇用』がありました。安定した生活が約束されたと勘違いした会社員たちが、身を粉にして企業に貢献する…という図式です。そして、そのまま一生会社に面倒を見てもらおうとする。

 

 

残業が多かろうが、休日に仕事に駆り出されようが、パワハラがあろうが…耐え忍ぶのみ。会社員たちは安定を求めるあまり、「会社は家族」みたいなコワイ考え方で仕事にしがみついていました。

 

 

そして、そのシステムを盤石なものにするのが『年功序列』です。

 

 

終身雇用と共に会社で維持される、年功序列。初任給から始まって、勤続年数が上がるにつれて給与も上がる制度です。ずーっと同じ会社にしがみついていれば、転職するリスクを回避して安定した給与を獲得することが出来る仕組み。

 

 

「ウチのカイシャ辞めるなよ? 10年、20年後には良い給料になってるぞ…!?」

 

 

「転職したらまたこれまでの頑張りが全部リセットだぞ…!?」

 

 

そうやって、社員を1つの企業につなぎとめてきた日本の会社。そして、そのためのツールである『終身雇用』と『年功序列』。

 

 

     

『社員が辞めない事』を前提に成り立つのが、終身雇用と年功序列のシステム!

 

 

そういう事ですね。

 

 

そしてそれは、「残業ゼロで成果を出したい」「転職して給料をアップさせたい」そのように考えて働く若者にとっては、もう何の意味も持たない。

 

 

日本の年功序列は、もうシステムとして機能しないかもしれない。人間関係もめんどうだし、ストレス要因となるだけ。結果的には不効率なモノでしかないのです。

 

 

 


5. 年功序列をやめて若者が働きやすい職場に!

 

 

終身雇用なんてものは、完全に過去の産物。大手企業ですらリストラに乗り出す今のご時世ですので、もうまったくアテにはできません。そして、今の若い世代はそれをよく知っている。

 

 

 「こんなに残業まみれなら、辞めます」

 

 

「有給休暇が取れないなら、辞めます」

 

 

このような冷静なスタンスで、ドライな労働観を持つ若者が増えるのは当然です。

 

 

ひと昔前の世代とは違い、今の新卒は「会社が一生守ってくれるとは思っていない」のです。

 

 

とてもスマートというか、非常にサッパリしています。

 

 

日本はこれからも少子高齢化がどんどん進むので、新入社員たちはすぐに辞めるどころか、そもそも会社によっては採用ができなくなるかもしれない。この環境に加えて、前述の『新しい世代の台頭』があります。

 

 

子供の頃からネットを駆使し、早くからIT系のアルバイトをしたり、情報処理を学んだりする若者たち。目まぐるしく発展を遂げる現代社会の中で、確実にニーズを把握してきた新しい世代。

 

 

そんなスーパーマンな新卒達を、日本の会社の古い規定で採用したところで長く続くハズがありません。裁量が少ない雑務をやらせたり、意味もない残業をさせたり。優秀な若者たちも、年功序列のシステムですぐに疲弊してしまうだけ。

 

 

「20数万円程度の初任給で、こんなに搾取されて…割に合わない!」

 

 

こうなってしまうわけですね。

 

 

日本の会社特有の古い慣行はまだまだ職場に色濃く残るし、縦社会から来る人間関係の摩擦も必ず存在します。それらも、今の若い世代にとっては不安要素でしかない。

 

 

新卒であっても、キャリア採用のような適材適所の人事を早急に取り入れないと、入社後に辞める若者はこれからも増えるでしょう。会社の人事やおエライさんは、「最近の若者は…」などとボヤくよりも、価値観の多様化を真摯に受け止める必要があります。

 

 

これまでは、新卒を大企業が中心となって採用し、従業員の入社後のキャリア形成は終身雇用や年功序列といった日本的雇用慣行をベースに行われてきました。しかし近年は、グローバルなキャリアを作るために新卒で海外就職をしたり、就職してもすぐに離職してしまう若者が増加しており、日本の雇用問題は大きな変化に直面しているのです。

 

 

欧米のように完全な実力主義を取り入れるのは無理でしょうが、日本はそれでも『生産性』や『効率』の観点から、勤続年数や年齢が重視される年功序列の考えを改めるべきです。

 

 

 

柔軟な思考を持った今どきの新卒達にとっては、日本の職場の年功序列はダサいし古いし、効率が悪いだけなのです。  

 

 

 

 コダモン

関連する記事を読む: