大学時代に「どれだけジョブ経験を積んだか」が大事

欧州では「大学を卒業しただけ」では就職がうまくいかない。新卒採用の存在しない世界での「就職」とは?

「大学以外に何をしたか?」が問われる欧州

 

 

コダモンです。

 

 

日本では、大学時代に何かとバイトを経験する人が多いですよね。

 

 

カフェなどの飲食・フード関係のバイトや、接客・サービス業などなど。

 

 

高校からバイトする人もいます。コダモンの周りにも当時はバイト経験者がけっこういました。お金を稼ぐこともそうですが、早い段階で「社会人経験」のきっかけができるのがバイトの利点でしょうか。

 

 

ドイツの大学を卒業し、日本のカイシャへの就職で初めて「日本の社会人」を経験した、わたくしコダモン。

 

 

ドイツ学生の事情には少なからず精通しています。

 

 

ドイツでも、確かにバイトをする学生はたくさんいました。しかし、それ以上に盛んに行われていたのが……。

 

 

企業インターンシップ

 

 

コレです。

 

 

日本ではあまり聞かない「インターンシップ」という制度。

 

 

ドイツや欧州では、大学在学中にインターンや研修生 (trainee) として、短期または中期のジョブ経験が推奨され、促進されています。 

 

 

日本のようにバイト的な感覚ではなく、半ば戦力として短期的に企業に属する形式。

 

 

彼らは専門知識の向上や論文作成の場として、在学中に企業に目を向けるのです。

 

 

学生時から、「社会人経験を積むこと」に着目し……。

 

 

就職と同時に即戦力になる準備をする

 

 

大学側も、企業との提携で研修を掲示してきたり、実務経験を積める留学企画が存在したりと、サポート体制も充実しています。

 

 

学生たちは、卒業と同時に即戦力として企業に就職できるように、在学時からインターンや研修にと奔走します。

 

 

日本の新卒一括採用とは、全く異なる就職事情。

 

 

そこには、「良い大学」も「悪い大学」もなく、ただただ個人のスキルだけが求められます。

 

 

完全に個人戦なドイツの就職活動。

 

 

そこには日本のような就活シーズンも無く、卒論を書き終えた学生(もしくは卒業試験を終えた学生)が各々のタイミングで勝手に卒業して行きます。そして、大学をあげての卒業式なども、ほぼ皆無。

 

 

卒業と同時に求められるのは、企業に興味を持たれるスキルの有無。それだけです。

 

 

大学を卒業するだけではダメ

 

 

学歴や出身校などは、何の役にも立ちません。何の専攻でどのような実務経験を持ち、どのような形で企業にメリットをもたらすことができるのか? それが問われるのです。

  

 

入り口はカンタンな欧州の大学

 

  

欧州の大学は一般的に……。

 

 

入学するのは楽で卒業するのが難しい

 

 

と言われます。

 

 

小学校から足繁く塾に通い、大学の入試へ全力を注ぐ日本。希望大学への合格が、その後の人生を左右するとでも言わんばかりの重要性を持ちます。そして、海外のソレとはそもそも根本的に違う。

 

 

たとえばドイツ。

 

 

高校卒業時の成績如何で学べる学部などに差はでてきますが、基本的にベース条件を満たしていれば、誰でも大学に入学できます 

 

 

ただし、コレは「大学へ入るコースを選択している人」限定の話。 専門学校へ行ったり10代で就職したりと、その選択肢はもちろん様々です。

 

 

大学側が誰に対してもウェルカムな姿勢なのは日本と一緒なのですが、ドイツの大学は基本的に「受け身」です。そして、学生は基本的にほったらかし。

 

 

何年かけて卒業しようが卒業しまいが、大学側は何の関心も寄せません。ここから、「個」の戦いは既に始まっているのです。

 

 

コダモンも、渡欧した当時はかなりビックリしましたね。日本の怠惰な高校生活で鈍っていた思考は、ドイツの大学への入学と同時に一気に冴えました。

 

 

そして、ドイツの大学の意外な恩恵も。

 

 

入学金はゼロ。学費も非常に安価

 

 

どのくらい安いかと言うと……。

 

 

あくまでコダモンが当時通っていた大学の例ですが。1学期(半年)あたりの学費が、300〜400ユーロくらいのレベル。

 

 

およそ4〜5万円です。

 

 

いやー…。今思い返しても安い…!!

 

 

学生時代にバイトもままならなかったコダモンは、この学費の安さに当時は大変お世話になりました。

 

 

学生が学びやすい環境を整えてくれる欧州の制度。

 

 

ただ…。その分要求されるレベルが高い……。

 

 

当時はかなり苦労しました。

 

 

大学入学と同時に語学を学ぶハメになったり。周りの倍くらい予習と復習に時間をかけたり。休日も図書館に1日こもったり。

 

 

そうでもしないと、周りに追いつけませんでしたね。

 

 

前述の通り、完全に個人戦な欧米の大学。

 

 

率先して情報交換を行わないと、大学も誰も、自分にかまってはくれません。

 

 

入学後は、決してエスカレーター式などでは無く……。

 

 

どの期間で卒業できるかも本人次第

 

 

4年でマスターを得られるのか、はたまた6年7年と大学に居続けるのか……。全てが「個」の能力と努力次第です。

 

 

入学自体はほぼ誰でも可能ですが、まっとうに卒業するだけでも一苦労なドイツの大学。

 

 

そんな中、大学を休学してでも推奨されるのが……。

 

 

ジョブ経験を積む事

 

 

コレなのです。

 

 

大学を普通に卒業するだけではダメ

 

  

ドイツには、前述の通り日本のような「新卒採用」というシステムが存在しません。 

 

 

どういうことかと言うと……。

 

 

企業側が一斉に募集をかけていない

 

 

ということ。

 

 

日本のように、ある一定の時期にワサワサと就職活動がスタートすることも無い。

 

 

大学を卒業した時点で「個人」がノープランだったら、完全にほったらかし。

 

 

就職先は「待ち構えて」いません。

 

 

そして、大学側も、ご丁寧に就職活動のサポートなどはしてくれません。

 

 

自分で試行錯誤して企業にアプローチする

 

 

コレができないと、本当に何も起きません(笑)

 

 

どの国で、どの分野の企業に、どのタイミングでアプローチするのか……? そのプロセスと準備は、大学に入学した時点から練る必要があります。

 

 

自分の力量と、想定する卒業までのタイミングなど。全てを講義との兼ね合いでスケジュールに落とし込み、教授との話し合いなども通して決めて行きます。

 

 

この「大学卒業までのスケジュール」に対し……。

 

 

どの期間に「大学以外の実務経験」を積むかを考える

 

 

前述の通り、大学を出るだけでは、基本的に企業からはそのスキルを問われてしまいます。ペーパーテストや口頭試験で学んだ事を、実際の「業務」で発揮できるか否か。その判断が非常に重要視される為です。

 

 

そのため、来たる「就職」に備え、大学のスタート時から考える必要があるのです。

 

 

どれだけ名のある大学を出ても、どんなに適切な専攻であっても、「ジョブ経験」が無いと、就職困難に遭うことは少なくはありません。 

 

 

入社後すぐに即戦力として扱えるかどうか

 

 

履歴書に「インターン経験」や「実施研修」などの項目が無いと、書類審査すら通らない可能性もあります。

 

 

うーん……。やっぱりシビアです。

 

 

ちなみにコダモンは、大学を通算1年休学して、この「ジョブ経験」を積みました。そのため、日本の一部上場企業に就職した当時は、中途採用の扱いでの入社となりました。

 

 

ドイツの企業へ就職していたら……。まぁ同じような扱いになっていたと思います。

 

 

ちなみにドイツでは、採用する側企業は、大学ではなく「個人」をターゲットとします。

 

 

当たり前ですが、入社前から全てが個人戦でのスタート。

 

 

専攻とスキルがマッチした求人に出会えるか?

 

 

自分をいかに上手に売り込めるか?

 

 

どの程度の条件でオファーシートにサインできるか?

  

 

日本の「転職活動」さながらな状況ですね。

 

 

そして、その時に採用側に強いメッセージとして有利に働くのが……。

 

 

大学在学時のジョブ経験

  

 

大学での学び以外の付加価値をどれだけ身につけれるか。それによって、就職の良し悪しが左右されてしまうのです。

 

 

基本的に6ヶ月などの期間を要する、インターンシップ。短期であっても、退職の際に「職歴証明書」がしっかり発行されるなど、正式に企業での在籍経験と職務内容が明記されます。

 

 

そして、それこそがまさに絶対的な付加価値。企業での研修やインターンシップ実務経験は、自分がどんな仕事をしたか、どんな能力を職場で発揮できたかなどを、正式に提示できる説得力の高いものなのです。

 

 

当然のことながら、インターンを行なった企業に卒業後そのまま就職するケースも多いですね。

 

 

この時点で、日本の新卒一括採用のシステムとの違いは一目瞭然ですね。

 

 

○○大卒業」という事実は全く重要視されない

 

  

ドイツでは、「大学で学んだ」事は当たり前。

 

 

入社後にどの程度で即戦力になりえるのか。それがカギになるからです。

 

 

大学時代のジョブ経験で成り立つ就職

 

 

では、そもそもどのように「実務経験」という名のジョブ経験を積むのか?

 

 

具体的な例で見ていきましょう。

 

 

例えば技術系だったら、自分の専門を活かせる企業にアプローチしていきます。情報科学・情報処理学(Informatik)や、電気工学(Elektrotechnik)、機械工学(Machinenbau)などなど。

 

 

工学で機械系だったら大手自動車メーカーやそのサプライヤなどが主流です。

 

 

そして、それらの企業の動向をチェックする。

 

 

どのタイミングでどの募集がかかっているかは決まっていないことが多いので、常に市場を意識します。もしくは、大学の掲示板をチェックする。

 

 

いわゆる新卒でも、そのスキルとこれまでのジョブ経験が認められれば、企業が社内に対して行うハイレベルな研修に参加できるような例も、珍しくはありません。

 

 

 

大きな企業がインターンを夏季などに一括して受け入れている場合もありますが、学生には、大学構内の情報収集よりも、自分の興味のある企業のHPをチェックするなどの行動が常に求められます。

 

 

ターゲットとなる募集要項がないか、くまなく探す。

 

 

大学の教授やコネを通して企業でインターンや研修ができるケースもありますが、それは選ばれた生徒だけ。

 

 

基本的には全て自分でリサーチを行う

 

 

この部分に関しては競合がいると不利なので、これまで友人関係だった周りの学生も、ひたすら黙々と各々で可能性を模索していきます。

  

 

晴れて実務経験が身につくと、就職時の面接で非常にはっきりと自分の「強み」できるようになります。

 

 

 

「某メーカーのXYZという製品の開発プロジェクトに、メカニックのインターンとして3ヶ月携わりました」

 

 

面接時にこのような発言ができれば、その効果は絶大かつ明確です。企業が欲する技術分野での実務経験を、「社会人レベル」で既に積んでいる。

 

 

そして、そこに「証明書」を添えることで、その人材が既にどの程度のスキルやチームワークを経験してきたかがわかります。

 

 

同時に、「希望職種」が最初から決まっているため、面接する側も選考者に何を期待して良いのか非常に明確になる。

 

 

在学時に経験した職歴や実力証明(資格などを含む)が、非常に大きな役割を果たす、ドイツでの新卒たちの就職。

 

 

このように……。

 

  

在学中に獲得したジョブ経験で就職が変わる

 

  

日本のような、「○○大学文系卒」などという肩書きだけでは、全く勝負ができないのです。

 

 

それが新卒採用のシステムだ! と言われればそれまでなのですが……。アレは世界的にもなかなかユニークです。ある時期になると、みな一斉にリクルートスーツに身を包み、とりあえずできるだけ多くのカイシャをまわる新卒たち。

 

 

そして、いざ内定となって就職してから……。

 

 

新入社員研修後に部署が決まる日本のカイシャ

 

 

海外から見たら、本当に本末転倒なシステムです。

 

 

「入社してから配属先が決まる」なんて…!

 

 

前述の通りのドイツのシステムとは、真逆です。自分の明確なスキルで勝負し、その特定のポジションに対してアプローチしていくドイツの学生たち。

 

 

その反面、日本式だと自分の「強み」を修飾語に全く活かせない可能性もある。非常に危険な話です……。

 

 

希望の部署に行けるかもわからないのは、不安と不満以外無いでしょう。

 

 

わたくしコダモンは中途採用だったので、幸いこのシステムからは逃れられましたが…。

  

 

日本独特の新卒一括採用のシステム。欧米に見習えとまでは言いませんが、もう少し「自立性」を育める構成にすべきではないでしょうかね。

 

 

未だに終身雇用という過去の産物をベースにした新卒採用のシステムですが、少子高齢化と若い世代の意識改革も相まり、そのうち崩壊するのでは…? とも言われています。

 

 

「就職活動」という定義を、根本から見直した方が良さそうです。

 

 

コダモン