ガラパゴスな「みなし残業」の制度と日本のカイシャ

「みなし残業」で、残業がそもそも前提になってる契約ってヤバくない?

「見なし残業」は普通じゃないよ?

 

 

コダモンです。

 

 

どこのカイシャにもはびこる残業。長時間労働は、今の日本のカイシャと社会とは、切っても切れない存在です。

 

 

年功序列が支配している組織の中で、上は役員レベルから、下は新卒の新入社員まで…。よくもまぁここまで飼いならしたものだと思うくらい、どこのカイシャでも社員がいつまでも残業しています。

 

 

「繁忙期の残業上限100時間未満」なんていうモノが国をあげて議論されましたが、それもまだ記憶に新しい。

 

 

改善案でも残業の上限が「100時間」って…。月に100時間未満の残業ならオッケーみたいな風潮に、ドイツハーフはドン引きです。

 

 

過労死ラインでさえ、月の残業は80時間と聞きます。これは『仕事し過ぎで死ぬかもしれないライン』という意味なのですが…。

 

 

それすらも超える「月の上限100時間」が、国レベルで議論されている事に危機感しかありません。

 

 

そのような国で会社員を務めるのは、不安以外の何ものでも無いと思うんですよね。

 

 

残業が当たり前な、日本のカイシャたち。そんな環境で、わたくしコダモンもたくさん残業を経験してきました。

 

 

4年半の日本のサラリーマン時代では、定時で帰る日はほとんど無かったです。

 

 

そんな中、最近になって気になったのが「みなし残業」というテーマ。

 

 

「みなし残業代含む」という言葉。あなたの契約書にも、シレッと入ってきていませんでしたか?

 

 

ドイツの大学を卒業した自分は、中途採用という、いわゆるキャリア採用で日系の一部上場企業に入社しました。

    

 

カイシャの面接では、希望年収は◯◯◯万円とかで示しました。そして、内定という形でカイシャから提示されて来たのは、一見希望通りの総額です。

 

 

でも…。

 

 

よく見ると…アレ?

 

 

「月間20時間。年間240時間の時間外労働手当含む」

 

 

…。

 

 

何コレ。

 

 

残業が勝手に自分の給料に組み込まれている。

 

 

しかも…。それ込みでの年収計算?

 

     

なぜまだ働き始めてもいないのに、残業が前提になっているの??

 

 


そもそも「みなし残業」って何よ?

 

 

みなし残業とは、「固定残業」とも呼ばれるものらしい。

 

 

「企業が一定時間の残業を想定し、残業代をあらかじめ月給に残業代を固定で記載し、残業時間を計算せずとも固定分の残業代を支払うという制度」

(出典: https://roudou-pro.com/columns/14/, 2017年7月9日時点)

 

 

要するに、この「みなし残業代」は、カイシャ側が…。

 

 

「どうせ残業させるんだから初めから給与に組み込むよ」

 

 

と言ってるのと同じ。

 

 

コダモンの場合、「月20時間のみなし残業代含む」となっていました。

 

 

この場合は…。

 

 

「あなたの仕事は最低でも月に20時間残業が発生するから、その分の給与はあらかじめのせておくよ」

 

 

このように決められたのと、同じこと。

 

 

というか、これではそもそも希望の年収額にはマッチしていない(笑)

 

 

残業代込みでの年収提示に、最初は「だまされた」という感覚すら覚えました。

 

 

ドイツハーフにとっては、「みなし残業代含む」は未知の世界だったのです。

 

 

よくよく問い詰めて見ても、「これがウチでは普通」みたいな内容の返答しか無かった。

 

 

「どの社員もこの部分は同じ契約になっていますから」みたいな(笑)

 

 

この時、何となく「不信感」が生まれてしまいました。カイシャ側は、みなし残業代なんて『さも当然』であるかのような説明しかしてくれなかった。



ドイツハーフは、釈然としません。

 

 

だってこの「みなし残業」…。

 

 

「そもそも定時で帰れる日なんてないじゃん!」

 

 

そのように思わせるからです。



「月20時間のみなし残業代含む」と言えば、月の労働日数が20日間なので、毎日1時間残業する計算。

 

 

実際は、毎日1時間キッチリ残業するわけではないので、忙しくない日には提示で帰宅できたりはするのですが。

 

 

しかし…。

 

 

「そもそも何で残業前提の契約になってるの?」

 

 

これに関しては、納得できませんでした。

     

 


「みなし残業」の中身

 

 

気になって調べると…。次のような基準があるようです:

 

 

みなし時間が実労働時間より多い場合

 

「あらかじめみなし時間として定められた時間に満たなかった場合、固定残業代として定められた金額は全額支払う必要性がある。残業時間が少ない月があったからと言って、固定残業代を減らすことはできない。」(出典は同上)

 

 

みなし時間が実労働時間より少ない場合

 

「みなし時間を実際の残業時間が超えた場合、追加で残業代を支払う必要性がある。つまり、固定残業代を払っているからと言って、いくらでも残業していいことはなく、みなし残業時間を超えたのであれば、別途残業代を支払う義務が生じる。」(出典は同上)

 

 

なるほど、要するに…。

 

 

残業が無い(少ない)月でも、カイシャは固定残業代をしっかり払ってくれる!

 

 

残業が多い月は、超過分がしっかり追加で支払われる!

 

 

こうなっているようです。まぁ、これだったらその制度自体はOKです。

 

 

極端な話、仮に残業が無い月でも、カイシャ側は契約書通りの「みなし残業代」を支払う事になります。

 

 

だから、契約の中身もみなし残業代込みの総年収で計算されていたのですね。

 

 

何はともあれ、労働基準で定められた解釈だと、雇われる側にはリスクは生じないようです。

 

 

むしろ、残業が無くてもみなし残業代が自動的にもらえると考えれば、むしろこちら側に有利な内容かも。

 

 

ただ…。

 

 

そんなにカンタンにはいかないのが日本のカイシャです。

 

 

この「固定残業代」の定義と扱いは…。

     

 

カイシャに実際入ってみないとわからない

 

 

そんなケースが多いんです。

 

 


定時で帰ってたら怒られる??

 

 

「みなし残業」でモメるケースは、いくつか想定できます。

 

 

たとえば、こんなカンジです:

 

 

定時で帰ったら『みなし残業代分くらい働けよ!』と叱られる

 

 

実際よくあるケースです。

 

 

「みなし残業」=「一定の残業時間が必ず発生する」

 

 

このような常識が、社内で確立されてしまっているからです。

 

 

社員の給与形態は、誰もが「みなし残業代を含む」となっている。そのため、誰もが絶対に残業をするし、定時で帰宅することはありえないという理解になってしまっているのです。

     

 

そのため、思考停止で「残業しろ!!」という発言につながる上司がいるわけです。

 

 

「少なくとも1日1時間の残業があるだろう!」

 

 

といった具合ですね。

 

 

そして、このような考えがそのまま「みなし残業代分くらい働けよ!!」という発言になる。

 

     

また、「みなし残業」にはそもそも厄介な事がもう1つあります。

 

 

それは…。

 

 

会社は労働者に未実施分の残業をさせることができる

 

 

という事実。

 

 

要するに、カイシャがカイシャだったなら…。社員の月の残業時間と「みなし残業時間」を照らし合わせて不足分の残業をさせることができるのです。

 

 

うーん。

 

 

コダモンは、当時のカイシャでそんな事は経験しませんでした。入社当初は残業も少なく、月20時間以外だったケースもありましたが、そこから「みなし残業代分」を給与から引かれた事はなかったはずです。



しかし、いずれの場合にせよ「社員全員に一定の残業があって当然」というスタンスには、最後まで慣れませんでした。

 

 


「みなし残業」とはうまく付き合うしかない??

 

 

わたくしコダモンは「みなし残業」には反対です。

 

 

まぁ…反対したところで制度自体をどうこうできるわけではないですが。

 

 

ワークライフバランスを重視するドイツハーフは、そもそも毎日「いかに残業をしないか?」そればかりを考えて、日本でサラリーマンをやっていました。

 

 

そのため、「残業代を事前に給与に組み込むこと」には嫌悪感しかなかったです。

 

 

仮にシステム上は問題が無かったとしても、このみなし残業の制度は入社してから地雷になる可能性があります。

 

 

入社して定時に帰ろうと思ったら「みなし残業があるだろう。働け!!」などと言う上司がいたり。そのような人と出会うかどうかは、カイシャに入って配属されてみないとわからないのです。

 

 

カイシャが就業規則で定めている事もあり、残念ながら「みなし残業」を回避できないのが現状でしょう。

 

     

カイシャ側が、この「みなし残業」という固定残業代をしっかりと毎月払ってくれるので、一見悪くない制度のようにも見える。

 

 

そのシステムがしっかり機能していれば、残業が少ない月でも安定した収入源になるし、もし仮に残業が多い月があれば、固定残業代に追加で残業代をもらうことができます。

 

 

しかし…。それはただ単純に「お金がもらえる」というだけの話。

 

 

残業が無くなる訳ではないのです。

 

 

残業が当たり前のように扱われる事。

 

 

そして、社員一人一人の働き方も見ないうちに、「月20時間分の残業代」を最初から勝手に給与に組み込む事。

 

 

ドイツハーフはそこに1番の不安を感じるのです。

 

 

ちなみにこの「みなし残業」は、ドイツなどの欧州でありえないシステムです。

 

 

「仕事は仕事」「私生活は私生活」と、企業に属する姿勢をはっきりと区別するドイツ人たち。

 

 

そんな彼ら/彼女らは「残業」に非常に敏感です。

 

 

ドイツの労働形態は、業界や業種にもよりますが、いわゆる正社員の労働時間は週36〜40時間です。そして、そこには残業が基本的に無い。

 

 

そんなドイツで、仮にもし面接の時に「ちなみにウチは『みなし残業』があるよ」などと言ったら、そもそもその企業には人が集まらないでしょう。

 

 

それほど、ドイツではコンプライアンスが徹底されているし、プライベート優先なドイツ人に「みなし残業」として残業前提の契約を結ばせる事はほぼ不可能でしょう。

 

 

わたくしコダモンが転職した外資系企業でも、日本支社ではしっかり「みなし残業」を導入していました。

 

 

ドイツに本社がある外資系企業の日本支社なのですが、そこでは「日本人」が就業規則を作っているので、しっかりと日本式成り立っているのでした。

 

 

日本にしかない、ガラパゴスな「みなし残業」という固定残業の制度。

 

 

使用者側にも労働者側にも一定のメリットがある制度などと聞きますが…残業とは切っても切れない関係にある事から、マイナスイメージしかありません。

 

 

 

コダモン

 

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