「休めないなら、辞めます」

「余暇ファースト」で働きたい若者が増えている。労働者の当然の権利である有給休暇の取得。それができないならカイシャ辞めますけど、何か?

有給取得は労働者の「当然の権利」ではない?

 

 

 

コダモンです。

 

 

 

「『休めないなら辞めます』イマドキ20代が余暇を優先する理由」

 (出典: https://dot.asahi.com/wa/2017060200048.html?page=4, 2017年6月5日時点)

 

 

 

こんなタイトルが目にとまりました。

 

 

 

その中身は、5ページにわたるけっこう長い記事。

 

 

 

記事の中で紹介されているのは、「最近の若者の働き方、働く意識が変わってきた」というもの。

 

 

 

そしてそのキーワードは、「余暇ファースト」。

 

 

 

某国の某大統領の「〇〇ファースト」にかけた造語です。

 

 

 

その意味合いは、「余暇を優先する働き方」という事らしい。

 

 

 

そんな記事の中の「2017年度新入社員意識調査アンケート結果」によると…。

 

 

 

新入社員が会社に望むこととして、今年度初めて、「残業がない・休日が増える」が「給料が増える」を上回ったそうなのです。

 

 

 

これを読んだ時、思わず「おお〜」と感心しました。

 

 

 

最近の若手のみなさんは、わかってらっしゃる…。

 

 

 

社会人をスタートさせるにあたって、最近の新卒者たちは「自分の給料」の良し悪しよりも、「そのカイシャではしっかり休めるか?」という事を重視している。

 

 

 

「社会人になってもワークライフバランスを保てるか?」

 

 

 

それが、就職するにあたって1番大事だと考える若者が増えている。

 

 

 

なるほど…。

 

 

 

その傾向が、記事の中の「余暇ファースト」な考えにつながっているのですね…。

 

 

 

「余暇」は働く上でとても大事な要素

 

 

 

まず、大前提として…。

 

 

 

日本で働くの上で「余暇の確保は必須」です。

 

 

 

そうしないと、ストレスに押しつぶされてしまうから。

 

 

 

「余暇ファースト」を重視する若者たちは、まだ社会人を経験していませんが…。それでも、自分たちを待ち受けるストレスを既に察知している。

 

 

 

ネットやSNSで、簡単にそのカイシャの「労働環境」を見透かせる現在。「余暇ファースト」な若者は、時代を先取りしているとも言えます。

 

 

 

何はともあれ…。ブラック企業なども未だに多くのさばる時代ですので、自己防衛としても、「余暇」を重視する姿勢は間違っていない。

 

 

 

実際に、ブラックなカイシャでは無くても、日々の業務の中でのストレスはヤバい。

 

 

 

エンドレスな残業に、満員電車での怒涛の通勤。1日に何度もあるムダ会議から、社内のどうでもいい煩雑なルールと人間関係まで。

 

 

 

ストレス要因がいくらでも存在するのが「社会人」です。

 

 

 

そして…。

 

 

 

その中でも「ニホンノシャカイジン」のストレス具合は、別格。

  

 

 

ドイツハーフで、日系の大手のカイシャに4年半勤めてみた、わたくしコダモン。

 

 

 

都内の本社勤務2年、欧州駐在2年半を勤め上げる中で…。そんな日本の社会人の姿を、まざまざと見せつけられました。そして、自分でも経験した。

 

 

 

遅くまで何度も残業したし…。

 

 

 

ダメ上司に付き合って、何時間にも及ぶ会議に数え切れないほど参加したし…。

 

 

 

休日出勤もしてみた。

 

 

 

それらの経験を踏まえて言えることは…。

 

 

 

日本のカイシャの「普通」は海外の「スタンダード」ではない

 

 

 

ということ。

 

 

 

カイシャも部署も、見て見ぬふりの長時間労働。社内の雑務とか、古くから存在する意味不明な慣行など。年功序列と集団行動の成れの果てが、そこにはあります。

 

 

 

周りはみんな従順に、それらの全てに従う。

 

 

 

それがどんなに不効率でも、「ウチは昔からこうだから」みたいな理由で、誰も何も意見しない。

 

 

 

通常運転時でも残業で溢れかえる仕事場には、「有給休暇の取得」というスペースが、そもそもハナっから存在しないのです。

 

 

 

そして…。そのような職場環境、そして働き方は、日本では「当たり前」。

 

 

 

「すみません…。今週の金曜日はお休みをいただいています…」

 

 

 

そのような超低姿勢で、「自分が有給休暇を取った事」を報告する同僚たち。

 

 

 

あたかも、何か悪い事でもしたかのように (笑)

 

 

 

マジで普通じゃない。

 

 

 

有給休暇の取得は、労働者全員に与えられている、当然の権利。

 

 

 

ドイツを含めた欧州では、有給休暇は年間を通して全取得するのが「当たり前」です。

 

 

 

ドイツで転職した今、周りの同僚が3週間の長期休暇に出かけたりするのは、いたって普通のこと。

 

 

 

上司も心得たもので…。休暇が部署内でカブらないように調整されていれば、どのような休暇申請も、すんなり通ります。

 

 

 

しかも、ドイツでは週40時間勤務が、ほぼスタンダード化されています。

 

 

 

週38時間勤務なんてトコも、多々ある。

 

 

 

そのため、普段から余暇にまわす時間はたくさん確保できているのです。

 

 

 

残業は基本的にしないし。

 

 

 

それでも、ドイツ人は、年間30日ほどの有給休暇を、しっかりと全消化します。

 

 

 

いくら休んでも、休み足りないドイツ人。

 

 

 

彼らは、長期休暇でリフレッシュしながら、短い労働時間の中で効率良く働くのです。

 

 

 

そして、そのような仕事量でも、しっかりニジネスはまわっています。

 

 

 

適材適所を行う欧州の企業では、長期休暇取得を前提に現場がマネジメントされている。

 

 

 

これが「グローバルスタンダード」なのです。

 

 

 

その反面、日本では…。

 

 

 

「残業ゼロ!」とか「有給消化率98%!」みたいな、アヤしい謳い文句の求人をよく見かけます。

 

 

 

ドイツではこのような企業側のアピールは見かけません。

 

 

 

「有休消化率98%なんて当たり前だから」です。

 

 

 

残業が基本的には無いのも、当たり前。

 

 

 

それが「スタンダード」だから。

 

 

 

…。

 

 

 

日本で働くのなら、「余暇の確保は必須」

 

 

 

納期とか過剰サービスに日々追われて働く日本の現場では、そのストレスがとても大きい。

 

 

 

自分もたくさん経験してきたけど…。マジで心身を消耗しました。

 

 

 

息つく暇もないほど、顧客対応と社内調整に追われながら働く日々。

 

 

 

そんな毎日の中で、有給休暇でリフレッシュしながら働くことは、とても重要です。

 

 

 

そうしないと、こちらが先に潰れてしまう。

 

 

 

「余暇ファースト」の考えは、決して間違ってはいないのです。

 

 

 

 

 


「休みたいときに休めないなら、辞めます」

 

 

 

前述の記事をさらに読み進めると…。

 

 

 

とあるアパレルメーカー勤務の23歳の方(桜木さん; 仮名)の実体験が紹介されていました。

 

 

 

彼女が有給休暇を初めて申請してみた時の一幕です:

 

 

 

「今でも忘れられないのが、申請を受け取ったときの上司の表情だ。あぜんとした後、上司は苦笑いをしながら『有給休暇は、1年目から取るものじゃない』と申請を突き返した。桜木さんは心の中で思わずこう叫んだ。

 

 

『え? だって入社したときには、“休みはしっかり取れ”って言ったじゃん!』

 

 

 周囲に迷惑をかけないよう、休みの前には猛スピードで仕事を進めようと張り切っていたのに。休みが取りやすいという環境も入社の大きな動機だったのに──。反発心に火が付き、収まらず、こう言い放った。

 

 

『せっかく与えられた初めての有給休暇なのに、休みたいときに休めないんなら、辞めます』

 

 

 その瞬間、上司の苦笑いは消え、表情がこわばった。『取得OK』と申請が通ったのは、その翌日のことだった。」(出典は同上、原文ママ)

 

 

 

……。

 

 

 

うーん。なるほど (笑)

 

 

 

けっこうツッコミどころが満載なやり取りですが、「まだ入社1年目なのに…」のような上司のコメントに、マジで闇を感じます。

 

 

 

そして、この上司は…。

 

 

 

「休めないなら、辞めます」とまで言い放ったこの部下のことを、異端児として扱うことでしょう。

 

 

 

「最近の若者は入社1年目なのに有給休暇を取ろうとする…」

 

 

 

「いったい社会人を何だと思ってるんだ…」

 

 

 

そのような声も聞こえてきそうです。

 

 

 

しかしながら…。

 

 

 

何度も言いますが、労働者に与えられる年間有給休暇は、当然の権利として消化されるべきなのです。

 

 

 

日本のカイシャでは、このような「当たり前の権利」がないがしろにされてきたのが普通でした。

 

 

 

たくさん残業して、休日にも働いて…。

 

 

 

誰も休もうとしない。

 

 

 

周りもみんな、「何か見えないルール」に従うように、誰も率先して有給休暇を取ろうとしない。

 

 

 

上司たちは、「仕事ファースト」で、家族と自分の時間をないがしろにして働いている。

 

 

 

彼らは、自分が若手の頃からそのような職場と労働環境で育ってきたので、それを当然のように部下たちに押し付けています。

 

 

 

そのため…。

 

 

 

部下が有給休暇を取ろうとすると、「はぁ?」となるわけです。

 

 

 

まさに、救い難い環境がそこにはあります。

 

 

 

…。

 

 

 

「休めないのなら、辞めます」

 

 

 

このような「最終手段」を提示されてはじめて考えを改める、日本のカイシャ。

 

 

 

今後も、おそらくこの状況が劇的に変わることはないでしょう。

 

 

 

ただ、今回のケースのように「自分の権利をしっかりと主張すること」は、とても大事。

 

 

 

海外でもそうですが、ビジネスの現場では主張が強い者が勝ちます。

 

 

 

周りからウザがられる程自己主張が強い人ほど、成功する傾向がある。

 

 

 

そしてそれは、「自分の当然の権利」を主張するにあたっては、全面に押し出すべきだと思うのです。

 

 

 

有給休暇の取得は、まさに労働者の権利。「自分の当然の権利」です。

 

 

 

だから、「言ったもの勝ち」。

 

 

 

前述のアパレル勤務の桜木さんのような反応は、決して大げさでは無い。

 

 

 

ブラックな上司を相手にする上では、むしろ最良の対処法だったと言えるのではないでしょうか?

 

 

 

無理矢理にでもワークライフバランスをキープすることは、健全に企業勤めをする上では鉄則。

 

 

 

「ニホンノシャカイジン」ならば、なおさらです。

 

 

 

そんな中での、「余暇ファースト」な考えを持つ若者たちの台頭。 

 

 

 

彼ら/彼女らがどんどん「余暇」を重視する労働環境を求め続ければ、カイシャ側もいつか折れざるを得ません。

 

 

 

そして、ドイツハーフは、密かにそのような若者たちに期待しています。

 

 

 

年功序列が支配する職場環境において、「ウチはこうだから」の古い考えを、打破できるのではないか…? 

 

 

 

これから就職していく若者が「余暇ファースト」を前面に押し出していけば、十分に可能性のある話です。

 

 

 

少子高齢化が進み、これからも「売り手市場」が続くと言われている昨今の日本。

 

 

 

これからの若者たちの「新しい働き方」が、思考停止した労働環境にメスを入れることができるのです。

 

 

 

コダモン