残業が多い人はメール作成に時間がかかっている?

メール作成の速度と残業は関係ナイでしょ。カイシャの残業は「メール作成時間」くらいでは変えられない。

「メールにかかる時間」は残業に影響している?

 

 

コダモンです。

 

  

「ITmediaオンラインONLiNE」が発信していたこの記事:

  

  

「残業が多い人は、ビジネスメール作成に時間がかかっている」

 (出典: http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1706/02/news090.html, 2017年6月1日現在)

 

 

どうやら、「日本ビジネスメール協会」というところのデータをもとに、色々考察している模様。

 

  

「日本ビジネスメール協会」…。

 

 

あ…怪しい(笑)

 

  

それはともかく、その調査結果によると…。

  

  

1日の送信メールは平均12.6通。受信メールは平均39.3通。

  

 

…この数字はどうなのだろうか。

 

 

受信メールが、ちょっと多い気がする。  

 

 

日系の一部上場の大手で4年半会社員をしていた、わたくしコダモン。多い日は1日100通くらい受信メールがあったし、少ない日でも20通はメールがありました。

 

 

そう考えると、平均39通という受信メールの調査結果は、妥当なのかな…。

  

 

業種にもよるのでしょうが、一般的にはどうなんでしょう?

 

 

送信メールに関しては、その都度で変化は大きそうですが、平均およそ13通というのも、まぁまぁ妥当な感じがします。

  

 

そして、記事の中では、こう続きます:

 

  

「『残業時間が多いと感じることがある』と答えた人はメール数が多い傾向があり、メール作成時間も平均7分かかっている。」

  

 

結論から言ってしまうと、この記事は…。

 

 

「メールの数が多い = 残業」

 

 

「メールを書くのが遅い = 残業」

  

 

このように定義しています。

 

 

でも、これにはさすがに異論を唱えたい。

 

 

残業時間と「メール」は関係ない

 

 

中堅のおっさん上司たちが何人もいた、当時の日本のカイシャ時代。

 

 

中途で入社したドイツハーフは、営業関係の部署にいました。

 

 

(合わせて読みたい)

 

 

その部署は、部長以下合計8名ほどのチームから成り立っていた。しかし…。いわゆる課長クラスの40代後半~50代前半の上司が、なんと3人もいる部署だったのです。

 

 

その下には係長が1人いて、他はコダモン含め平社員が3人。

 

 

そして…。

 

 

その部署の誰もがエンドレスで残業していた

 

 

とりわけ、課長クラスの3人が、しのぎを削るようにいつまでもオフィスに残っていた。

 

 

毎日の仕事の中には、明らかかに「必要残業」だったケースも、もちろんたくさんありました。

 

 

18時開始で会議が設定されていたり。大事な案件の調整に時間がかかって、さらに上の人の承認が必要だったり。

 

 

それでも…。

 

 

はたから見てもムダ残業が横行していた

 

 

残業手当目当てかな? でも、管理職のオッさんたちも、いつまで経っても家に変える気配がない。

 

 

彼らを悪く言う気はサラサラ無いのですが、残業というのは、古いカイシャの慣行でもあると思います。

 

 

喫煙所での社内意見交換に時間をかけたり

 

 

お客さんとダラダラ長電話したり

 

 

必要以上に顧客訪問に時間をかけたり

 

 

誰がどう見ても非効率な働き方ですが、それらを「良し」とするような風潮が、そのカイシャにはありました。

 

 

まぁ、ゴリゴリの日系企業だったからね…。

 

 

何はともあれ、このような古参の社員たちがこぞってやっていた事があります。

 

 

それが…。

 

 

「たまっているメールを処理する」ということ。

 

 

定時後、会議なども一通り落ち着いた時間帯を境に、彼らは粛々と「たまっていたメールに返信」をし始めるのです。

 

 

コレがどういうことかと言うと…。

 

 

メールに割く時間を勝手に無駄に作っている

 

 

ということになります。

 

 

要するに…。

 

 

日々の業務に追われた後、19時くらいになってから…。「後は溜まってるメールに返信するだけだー」なんて言ってるダメ上司たちがいるわけです。

 

 

全てのメールに返信/対応しようとする姿勢は立派ですが、これは非効率のど真ん中をいっています。

 

 

メール処理の速度が速かれば、メール自体に対する返信速度が上がり、結果的に自分の労働時間が短縮されるのは、理解できます。

 

 

しかしながら、そのインパクトは微々たるもの。

 

 

メールスキルに個人差があると言えど、「メールの処理が遅いから残業が増える」という結論は、安易すぎます。

 

 

実際に、上司の働き方を見て、断言できる。

 

 

メールの対応速度うんぬんの話ではなく…。「残業ありき」で自分の仕事量を勝手に調整している「働き方」に問題があるのです。

 

 

「後は溜まってるメールに返信するだけだー」というような発言。

 

 

それが16時くらいに出てくれば、まだ納得はできる。

 

 

しかし、実際は定時後になってから「溜まっていたメール」に返信しているのです。

 

 

自分で勝手に日々の業務のルーティーンを「残業ありき」で設定してしまっているがために、いつまで経っても定時で帰れない「働き方」を作り上げてしまっている。

 

 

そして、そこにはメールとの因果関係は、ほぼ存在しないのです。

 

 

「生産性の向上」はメールごときで変わらない

 

 

コダモンが経験した、日系大手のカイシャ。

 

 

そこでは、誰もが「頑張っている姿勢をカイシャと上司に見せる」ために、残業していました。

 

 

定時以降にデスクに残って仕事をしていると…。

 

 

「おっ!こんな時間までやってるかー感心感心」

 

 

…みたいなコトバが、上司から投げかけられるわけです。

 

 

こんな職場環境であるため、遅くまでどうでもいいメールに返信している人もいれば、日々の雑務に追われてメールの返信を後回しにする人が出て来るのです。

 

 

「とりあえず残業」して、評価を上げようとするカイシャの人間たち。彼らも、その上司も、代々そうやって自分の価値を上げようとしてきたので、いつまでたっても残業がなくならない。

  

 

ちなみにですが、前述の同協会…。

 

 

「メール作成の過程は可視化されにくく、費やしている時間も把握しにくい。生産性を落としている原因が、メールにある可能性を考慮し、使い方や作成時間を見直す必要がある」(原文ママ)

 

とも指摘しています。

  

  

いやいやいや…。

 

  

  

生産性を語りたいのであれば、その原因を「メール1通にかかる時間」ごときに探してはいけません。

  

  

「残業の改善」を語りたいなら、もっと別にテコ入れすべきところは、いくらでもあるはず。

 

 

 

何はともあれ、英語と日本語の両方のメールを1日何十通も読み返信してきた、わたくしコダモン。そんな自分の体験から語れば…。メールにかかる時間は、「残業」への直接的なインパクトは、ほぼゼロです。

  

  

「メールにかかる時間」に残業問題解決の可能性を見出すのは間違い

  

  

「カイシャでの残業」をなんとかしたいのなら…。まずは、「繁忙期の残業上限100時間/月」などという、ありえない基準と議論を見直す必要があるかと。

 

 

日系のカイシャの「残業事情」を変えたいなら、もっと大きな、根底からの意識改革と徹底した対策が必要。「働き方改革」の前に「考え方改革」が必要と言ってもいいほど、地道な作業からのスタートになるのです。

  

 

ちょっと論点がずれましたが…。

  

 

コダモンの私見では、メールにかかる時間と残業の関係は、本当に微々たるものだと思います。

 

 

少なくとも、当時所属していた、都内に本社をかまえるそのカイシャでは…。残業が美徳とされる風潮から、「メールにかかる時間」程度では、「残業」は語れない。

 

 

平均5分で書き上げるべきメールにかかる時間が、6分とか7分になったからといって…。そこで短縮される15分程度の時間は、エンドレスで残業が行われているカイシャの中で、日の目を見ることなく消滅していきます。

 

 

「塵も積もれば山となる」とは言いますが…。

 

 

メールのスキル向上で短縮される時間は、それこそ塵となって、日々の残業マラソンの中に埋もれていくことでしょう。

 

 

コダモン