ハーフがカイシャに就職してみた_第11話_配属されてみた

ハーフが「カイシャ」に就職した話。部署に配属されてみた。

ハーフが配属されてみた

 

 

コダモンです。

 

 

ハーフであるコダモンが、日本で日系大手のカイシャに就職してみた話。

 

 

第11話:日本のカイシャで配属されてみた。

  

 


 

 

およそ1か月におよんだ新入社員研修が終了。

  

  

「学生から社会人へ」

  

  

そんな隠れたメッセージが、いたるところで伝わってきた新入社員研修。「社訓の唱和」という、海外ハーフにとっては恐ろしい行事もありました。全体的にちょっと集団行動が過ぎる気もしましたが、研修自体は多くの同期たちにとって刺激になったようです。

  

  

ちなみにコダモン自身は、総評としてリーダーシップを評価されました。

  

  

自分ではそんなつもりはなかったのですが、班員と新卒全員を引っ張るような(ポジティブな)姿勢が目立ったのだとか。

  

  

まぁ…。1人だけ周りよりけっこう年長だったしね……。

  

  

何はともあれ、「『同期ができる』という意味でも、研修に参加してみたら?」というカイシャ側のはからいは、結果的にありがたかった。

 

 

そもそも久しぶりの日本だったので、自分の試運転的な意味合いで、ゆっくりと「日本の社会人」のスタートがきれたので。

  

 

中途採用でしたが、新入社員研修に参加することで、スムーズに「カイシャ」に導入してもらうきっかけにもなりました。

 

 

研修の中でチームとなったメンバーとも信頼関係が築けたし。

  

 

たった1ヶ月の研修期間でしたが、久しぶりに「日本の組織」に属して集団行動する事が、とても新鮮でした。

  

  

…。研修を担当した人事部は、自分にいったいどのような評価を下したのだろうか?

  

  

自分でやってみた感じでは、まぁ悪くは無かったと思う。

  

  

時には、やっぱり周りの新人とは風格がちがうねぇ」と、講師にイジられたり。

  

  

また時には、マジで寝坊して遅刻して怒られたり。(ナイショ)

  

  

そして、研修を通して苦楽を共にした班員と同期たち。その後のカイシャ生活でも幾度となく再会できたし、転職した今となっても、そのどれもが良い思い出です。

  

  

コダモンは、ここから予定通り配属先へと向かいます。

  

  

同期たちは、あと2ヵ月、実地研修が続く。

  

  

しかし、この時点で衝撃の事実を知ることになるのです……。

 

 

配属先が決まっていない新入社員たち

 

 

ドイツの大学を卒業して、ドイツから就職活動をスタートさせた、わたくしコダモン。

  

  

もちろん、面接~採用に際し、しかるべきポジションに、しかるべきタスクありきで入社しました。実務経験もあったため、キャリア採用という形で。

  

  

そのため…… 

  

  

どこの部署でどの業務に就くかが決まっていた

  

  

まぁ、当然ですね。

  

  

いわゆる中途採用の枠にハマった形ですので。

  

  

しかし、日本のカイシャ事情を知らなかったこともあり……。

  

  

新入社員は配属先が決まっていない

  

  

というような事実を、研修を通してはじめて知ったのです。

  

  

これは衝撃でした。

  

  

だってコレ…。目をつぶって大海原に飛び込むようなモノじゃないですか?

  

  

はじめて社会人になる新卒の若者たちには、カイシャに対する免疫も何も無い。彼らは、入社に際してまったく無防備な状態です。

 

 

それなのに、自分がこれからどこで何をするかさえ決まっていない…。

 

 

「経理を目指していた人」が、何かの間違いで「生産管理の部署へ配属」となるかもしれないのです。

 

 

自分がもし新卒だったら…。不安でしょうがない。

 

 

新卒一括採用という日本独特のシステムには、「何年もかけて教育して会社への忠誠心を育てる」みたいな目的もありようですが…。しょっぱなから希望とはまったく違う部署にまわされて、愕然としてしまう若者もたくさんいるでしょう。

 

  

せめて「そのカイシャで何をすることになるのか?」という事くらいは決めておいてあげて欲しい。

  

  

何の取っ掛かりも無いまま、就職活動の流れから、入社してきた新人たち。 カイシャ側のはからいで、長所と短所を見極めた上での配属になるようですが…。まったく自分の希望と沿わない可能性がある以上は、その入社自体が博打のようなものにさえ感じられます。

  

  

こんな恐ろしいことはない……。

  

  

「煮るなり焼くなり好きにしてくれ!」と言って入社するのと同じ。

  

  

新卒一括採用が、終身雇用とセットだった頃の採用方法と、そのシステムから来ているのですね。

  

  

「これから何十年もウチで働くんだから、まずは広く浅く経験してくださいね」

 

 

……ということなのでしょう。

  

  

しかしながら、新卒たちは各々大学で何らかの専門知識を身に着けているはずです。

  

  

それなのに、自分の専攻とは全く関係ない業務に就く可能性もあるなんて……!

  

  

海外ハーフには、まったく理解できなかった。

 

 

ドイツ生活が長すぎたのかな? 

  

  

本当にビックリし過ぎて、当時はついついネットで検索してしまいました。

  

  

すると……。 出るわ出るわ。

 

 

企業における新卒の配属にまつわる書き込みです。

  

  

「希望の配属に配属されて喜んでいる人もいれば、予想外の部署に配属され、困惑している人もいる」

  

  

「自分だけ、本社ではなく、地方の支社に配属となった……」

  

  

「新入社員は、一番最初の配属先で一喜一憂するべきではない!」

  

  

などなどなど……。

  

  

カイシャで最初の「配属」にまつわる経験談から、専門家の新卒へ向けたコメントまで。

  

  

本当に多くのカイシャで行われている事だと知って、衝撃でした。

  

  

カイシャは、新人に対する育成の仕方を考慮しつつ、入社後、具体的には新入社員研修を通して、各々の社内における「キャリアパス」を決めるところが多いらしい。

  

  

こんな状況で……本人の希望はどれくらい考慮されるのでしょうかね……。

  

  

周りの同期たちは、研修が終わりに近づくころ、第1~第3希望部署までを提出したらしい。

  

  

しかし…。

 

 

「○○部署は新入社員の受け入れ枠がない」などの理由で、あっさりと第1希望が断念になったケースも。

 

 

人事(及びそのカイシャの決定者)からすれば、新入社員の配属先希望リストは、ただのアンケート結果くらいにしか見られないでしょう。一応その後面接もあったようですが、希望通りにいった人は少なかったみたい。

  

  

うーん……。

  

  

新卒一括採用という日本独特のシステムがあるうちは、この制度はなくならないのですが、それでも周りの同期がかわいそう。

  

  

コダモンの5班にいた、とても元気で人懐こい男の子の同期。彼は、本人の意思とまったく違う形で地方の支社へ配属となってしまいました。後日相談されたのですが、「すでに転職を考えている」とまで言っていた。そして、その時の彼からは元気のカケラすらも感じられなかった……。

  

  

仮に、カイシャが最適に考慮したキャリアパスだったとしても、本人の意思と180度違うスタートとなってしまっては、さすがにモチベーションは続きません。

  

  

入社3年未満で辞める新入社員が以前よりどんどん増えているようですが、実際にその現状に触れてみて、納得。

  

  

年功序列と終身雇用前提での採用方式は、今後通用しないでしょう…。

 

 

(合わせて読みたい)

出鼻をくじかれた配属先での出来事

 

 

話をコダモンに戻します。

  

  

配属先となるべき部署。

  

  

それは、カイシャ製品のグローバルビジネスにおけるサポートを行っている部署でした。

  

  

そして、そこでのコダモンに期待されていた仕事も決まっていた。

  

  

・営業寄りの知識を身につけたビジネスコーディネート

  

  

・英語とドイツ語を駆使したグローバルビジネスのサポート

  

  

そして…。

  

  

・ゆくゆくは現地ドイツからのビジネス拡大と拡販

  

 

ほほーう…。

 

 

「まさに自分にうってつけじゃないか!」と、この時はやる気マンマンでした。

 

 

オファーされた条件の中に、「将来的にドイツに行く事」が加味されていたのも、決め手でした。

 

 

おおまかに言えば製造業の分野で、そのカイシャが取り扱う製品は、当時ドイツを含めた欧州のマーケットに注力していたのです。

  

  

そのため、コダモンのスキルとカイシャの期待は見事にマッチしていた。

  

  

いつかは、「ドイツへと出向してビジネスを促進させる」こと。そんな将来のタスクにも、テンションが上がります。

  

  

国をまたいで、社内外の潤滑油的な役割を担うこと。

  

  

ドイツハーフが高校卒業と同時に目指していたグローバルに活躍する仕事。それに一歩近づけるような内容でした。

  

  

ドイツ語も生かせるし。

  

  

しかし……。

  

  

現実は、まったくお粗末だったのです…。

 

 

 


英語もできない「グローバル部」

 

 

配属初日。

  

  

面接時にもお世話になった部署のおエライさんに一通り挨拶したあと、今後関連のある技術部などにもまわり、いわゆる「挨拶まわり」をしました。

  

  

「ウチのカイシャにドイツ人ハーフが入社する」

  

  

そんな話が、コダモンが研修を受けている時に、社内ですにでに広まっていたようです。

  

  

どこの誰と話しても……。

  

  

「あっ、君が例の? 」

  

  

「へー本当に日本語上手なんだねぇ」

  

  

「ウチのカイシャにもこういう人が来るようになったかー」

  

  

…みたいな反応が多数。

 

 

こっちは喜んでいいのか微妙なコメントです (笑) 

  

  

他の新入社員に先駆けての配属だったこともあり、どこの誰に挨拶をしても、たっぷり時間を取らされます。中には、生い立ちから何から何まで聞いてくる人も。 やっぱりハーフが珍しいんだな…。顔面は外国人だし。

  

  

まぁでも、とりあえずみんな良い人そう。

  

  

…。そうなのです。

  

  

みんな人は良い

  

  

これは、転職してとっくにカイシャを辞めた今でも、言えること。そこのカイシャには、滅多に「悪い人」はいなかった。

  

  

しかし……。悪気がなくても、そこは日本のカイシャという組織。

  

  

さっそく、衝撃の事実がいくつか判明していきます。

  

  

まず、直属の上司となる人。それは…。

  

  

英語ができない日本人社員

  

  

いや、「日本人」であることは当然なのだけど……。

  

  

その部署は、「グローバルビジネス」をサポートする部署ですよ?

  

  

それなのに英語がほぼできない

  

  

コレは致命的でしょ…。どう考えても。

 

 

ビジネスのサポートも何も、日本語だけでどうやって海外オフィスとコミュニケーション取るつもりなの??

  

  

……不信感。

  

  

その部署は、およそ8人の部員から成り立っていました。

  

  

日本のカイシャでは珍しく、50代前半にして、他社から引き抜かれたばかりの人が部長を務めていました。

 

 

古いカイシャだったので、通常は生え抜きの、勤続ウン十年なんて人たちが部長を勤めているケースが多かったのです。そんな中、その部署では、コダモン同様、新参者の部長さんが取り仕切っていました。

  

  

そのため、その部署は色んな意味で「新体制」だったのです。

  

  

コダモン以外に、外国人は2人。

  

  

インド人と、ドイツ人。ドイツ人の方は、同郷(?)が増えたのを喜んでました。まぁ、コダモンの場合は厳密に言えば「半分同郷」だけど。

  

  

しかし、問題はそこで「課長職」に就いていた、例の英語が話せない直属の上司。彼は…。

  

  

同じ部内の外国人同僚とロクにコミュニケーションが取れていない

  

  

英語がまったくダメなので…。案の定、意思疎通が取れない。 

  

  

外国人の2人の方が逆に気を使って、カタコトの日本語でコミュニケーションを取ろうとしているような始末です。

  

  

なんだコレは(笑)

  

  

拍子抜けしていまいました。

  

  

「グローバル」と名をつけるには、とてもお粗末な体制だったのです。

  

  

コダモンの部署配属の1日目は、「不安」 で始まりました。

 

 


日本のカイシャに触れてみた

 

 

セコさん(仮)という名の、その上司。

  

  

入社初日から、彼には何度もビックリさせられました。

  

  

まずは、コレ。

  

  

コダモンの仕事がまだ決まっていない

  

  

ヤバいですよね? 

 

 

けっこうなラブコールのもと入社したハズなのに。しかも、新入社員研修から、1ヶ月も経っています。

  

  

いや…。でもコレは日本のカイシャでは普通の事なのか……?

 

 

わかりません。

  

  

そりゃあ自分はまだカイシャの体制も戦略も何も知りませんが。でも、与える仕事を何も決めていないって……。

  

  

上司や役員たちから、「君には期待している!」と太鼓判を押されて入社したのは嬉しかったのですが……。部内では、誰一人として「あなたのすべき仕事はコレ」と言えないのです。

  

  

ビジネスをサポートするにも、こちらはまず「導入」してもらえないと、何もできません。

 

  

そんな状況の中、最初の2週間は「とりあえず○○」が続きました。  

  

  

とりあえず何かの会議に連れて行かれたり。

  

  

とりあえず出張に同行させられたり。

  

  

「とりあえずコレやってみてくれ」と言われたり。

  

  

配属後のとある日などは、部署の誰もが出払ってしまって、完全に1日フリーになってしまうような日もありました。

  

  

「話が違うじゃないか…! 」

  

  

と、上司のセコさんに食い下がりたかったけども、ここはグッと我慢。 

  

  

この自由な状況を逆手にとって、ドイツ人同僚に色々と質問したりと、とりあえず何らかの"To Do"を探しながら、その時は自分で仕事をみつけていきました。

  

  

そして、お次はコレ。

  

  

自分のことを「セコ」と言うセコさん(笑) 

  

  

コレも日本のカイシャでは普通なのか…? 

  

  

いや、でもコレを最初に聞いた当時は耳を疑ったし、ぶっちゃけ笑いそうになりました。

  

  

「セコは明日の会議出れます。」

  

  

「セコが聞いた話では違う見解でした。」

  

  

…などと発言する、セコさん(笑) 

  

  

社内で用件を伝える時には、ありえるケースみたいですけど。ドイツハーフには新鮮過ぎて「変わった人だな…」と思ってしまいました。

 

 

というか、マヌケに聞こえた。

 

 

……。

  

  

そして、極め付けはコレ。

  

  

色んな飲み会に連れて行かれた

  

  

……喜ぶべきなのか?? 

  

  

部署内の歓迎会はまぁ当たり前として、その周りの部署というか、上司の横のつながりみたいな飲み会にも駆り出されました。

  

  

新しく入ったドイツハーフは話のネタになるみたい。

  

  

しかし、この時に何度も一気に経験した飲み会で、「カイシャの飲み会」に対する拒否反応が生まれてしまいました。

  

  

年功序列をどこの現場にも持ち出すカイシャの人たち。

  

  

団塊世代のめんどうな思考の持ち主が多かったのですが、案の定「しきたり」にこだわります。

  

  

新しく入ったコダモンは、そのような場で自分が試されていることも理解しているため、率先して、「新入社員」がやりそうな事もしました。

  

  

ビールついだり。

  

  

焼き鳥を串からほぐしたり。

  

  

店員さんに注文する係になったり。

  

  

どうでもいい古参の社員の武勇伝に耳を傾けたり。

  

  

……。

  

  

死ぬほどつまらねぇ

  

  

コレが「日本の社会人」の実態なのか…。

 

 

たかが入社数ヶ月でしたが、こんな事が続くなら地獄だなーと、率直に思いました。

 

 

その場にいた参加者の中にも、無理して参加している人もいたみたいだし。中には、飲み会の後にカイシャに戻って仕事をする人もいました。

 

 

とんだ茶番。

 

 

こんな時間のムダはない

  

  

完全に仕事の延長のような内容とシチュエーションです。気楽に楽しむこともままなりません。

 

 

上司の手前や、部署内の人間関係の手前…。「断れずにいたしかなく参加してる感」が垂れ流しの人が、たくさんいました。 

 

 

そんな飲み会…。いったい誰が得するの?

 

 

チームビルディングにもならないし、余暇はつぶれるし…。

 

  

コダモンは、事前にリサーチしていたこともあって、配属されて最初の数日〜数週間は、このような行事が恒例的に行われることは知っていました。

  

  

それでも、この時の飲み会ラッシュはひいた。

  

  

新入りで「これからお世話になる」手前、無下に断るわけにもいきません。一応善意で誘われてるし。

  

  

ゴマをする気などさらさら無いのですが、これからカイシャでも適当にうまくやっていく為には、最初が肝心。…そのようには思ったのですが、やっぱりその場にいる自分がつまらない。

  

  

しかし、こんなコトも小手調べ。

  

  

コダモンのカイシャ生活は、まだまだ続きます……。