欧州の働き方とは? お手本のようなワークライフバランス

30日間ある有給休暇は全部取るし、残業はほぼしない。そんなドイツ人の働き方が正解でしょ…!?

「組織に属する姿勢」に見習う

 

 

コダモンです。

 

 

日本の大手1部上場企業に就職していた4年半。

 

 

そのうちの2年余りは、ドイツに赴任していました。

 

 

「君の語学スキルに期待している!」

 

 

「是非欧州での拡販に一役買ってくれ!」

 

 

そのような有難い言葉を、当時のおエライさんにかけてもらい…。中途採用で日本のカイシャへ入社したドイツハーフ。コダモンには、いつしかドイツへ行くことが約束されたいたのです。

 

 

駐在先は、もう一つの母国にあたる、ドイツ。

 

 

現地のスタッフと母国語でコミュニケーションを取れることは非常に便利で、信頼関係を構築する際にも役立ちました。彼らはみんな英語を話せるのですが…。英語でのコミュニケーションでは得られない情報も、現地語のドイツ語会話だと、容易にゲットできるような状況は多々ありました。

 

 

「ハーフである」という特権でもありますが…。

 

 

大学からドイツだったし、長い海外経験の中で、彼らの文化と思考を理解した上でコミュニケーションが取れる、という事のほうが大きかった。

 

 

同じ企業・組織に属するという中に同属意識が芽生える

 

 

そして、そこからさらに「ドイツ語」でコミュニケーションが取れる…。そんなところに、グローバルコミュニケーションの完全系があると思っています。

 

 

…と、ちょっと前置きが長くなりましたが、今回はその駐在時に経験した、現地のドイツ人の同僚たちの働き方を紹介します。

 

 

残業はしない

 

 

 

日本のカイシャの「残業」。

 

 

ワークライフバランスを語る上では、やはりこのテーマに尽きます。

 

 

そのカイシャ全体で残業が多く、なかなかその違和感に気づきにくいまま…。周りに流されるようにエンドレスで残業。

 

 

「残業が嫌だ…」と思っていても、それを周りに言えない空気感。上司はみんな残業している中、断ってさっさと帰ったら…。「自分へのネガティブな評価に変わってしまうかも?」などと考えてしまう。ワークライフスタイルを自分で決められないカイシャ事情です。

 

 

残業代が出ないサービス残業もある。会社側の色々な事情や決まりから、残業代が出ないようなケースは、最悪です。

 

 

いずれにせよ、長時間残業が続くと、精神的にも体力的にもいつしか限界が来ます。「残業」が働く人の健康を阻害することは明らかなのです。

 

 

日本では、入社の契約時に既に「月20時間のみなし残業代含む」などと、さも当たり前のように、残業が計算されています。

 

 

そんな中、ドイツの残業事情はと言うと…。

 

 

彼らは…。

 

 

「いかに残業をせずオフィスを去るか」という事だけを考えている

 

 

そのような健全な考えで、毎日仕事をしています。

 

 

「早く帰ろう」と意識しながら働いているというわけでは無く…。

 

 

与えられたタスクを与えられた時間内でしっかり終わらせ、残りはプライベートの充実に企てるという意味です。

 

 

そのため、「バリバリキャリアを積んで出世してやる!」というような意気込みの社員以外は、基本的に残業をしません。

 

 

ドイツ人の中で、「仕事」が人生のメインになる事は、あまり無い。

 

 

家族との時間や各々の趣味の時間が中心となり、それらの潤滑な実現のためにお金を稼ぐ。そして、「仕事」はそのお金を得るための分だけ働く。

 

 

だいたいが週40時間勤務。

 

 

そしてこれをしっかり守ります。

 

 

その為…。金曜日は15時にさっさと退社、などというケースは普通でしたし…。

 

 

お客さん側でも、「〇〇さん?今日はもう帰りましたよ」なんて事を、たくさん経験しました。

 

 

そのような「残業をしない」働き方が、効率と生産性の向上へとつながります。

 

 

これらを実際に可能にするのは、欧米の雇用形態。

 

 

まず「ポジション」があり、そこにふさわしいスキルを持つ人を適材適所で「採用」する。

 

 

その「ポジション」を、契約時にしっかり明確にする所からのスタート。その部分が「明らかに毎日残業が発生しそうな内容」では、そもそも合意に至りません。

 

 

仕事が増えてきたからといって…。「あっ、後コレも頼む」というような上司の行動が、そもそもない。

 

 

「決められた自分の仕事」を「決められた時間の中」で、全力で片付けるだけ。

 

 

ドイツでは、その組織とシステムが、「残業が発生しない」ように出来上がっているのです。

 

 

「組織に属する姿勢」が違う

  

 

ドイツ人は日本人と違い…。

 

 

カイシャに拘らない

 

 

そこには、日本人が大好きな終身雇用の制度も年功序列も無いので、社員はいくらでも辞めていきます。

 

 

長年勤めていれば昇給・昇級できる!

 

 

勤続30年以上で退職金がタンマリもらえる!

 

 

このようなカイシャのベースが、そもそもドイツには無い。

 

 

目上の上司に敬語を使わない事など当然だし、社内の人間関係はとてもフラットです。

 

 

そのため、「長く勤めているから偉い」みたいな、勘違い中年上司がいません。

 

 

誰もが、自分の契約内容に則って、粛々とチームの中で働いています。

 

 

ドイツ人が働くベースは、単純にその「職務内容」。

 

 

そのため、同じような職務内容で給料が高いオファーがあれば、社員はいくらでも辞めていきます。

 

 

もちろん例外もありますが、基本的には…。

 

 

同じカイシャに勤める事をメリットとは思わない

 

 

「カイシャが自分を守ってくれる」などとは毛頭思っていない、とてもドライな関係が、そこにはあります。

 

 

実際、ドイツ滞在時の2年半あまりで、幾度となく社員の入れ替わりを経験しました。担当者レベルからマネジメントまで。その人物が実績を残していても、いなくても。

 

 

辞める人はどんどん辞める

 

 

転職することが当たり前な社会ですし、彼らは待遇さえ好条件なら、その「カイシャ」自体には基本的にはこだわりません。 

 

 

逆に、ドイツ人が転職を考えないケースは…。

 

 

「家が職場から最適な距離にある」

 

 

「給料が上がった」

 

 

「昇級して社用車をあてがわれた」

 

 

などなど。ドイツ人が「この企業に残ろう」と思うケースは、ある意味でとても単純です。

 

 

そこには、カイシャへの何の思い入れも束縛も何もない。

 

 

「自分の生活環境にさらにマッチする職場」、または「さらに高給で雇ってくれる職場」。これらを見つけた場合、ドイツ人はしっかり転職を考えます。

 

 

「上司に気に入られないと昇級がヤバい…」

 

 

「このカイシャに居続けないと将来がヤバい…」

 

 

 

そのようなプレッシャーのもと働く日本とは、その思考の自由度が大違いなのです。

 

 

しっかり消化される有給休暇

 

 

 

日本人の平均有給休暇の取得数は8日という調査結果を見た事があります。

 

 

これはヤバい(笑)

 

 

どのカイシャでも、正社員なら平均で18日間とかの有給休暇が付与されているはずです。

 

 

それなのに…。

 

 

有給休暇がまったく消化されてない

 

 

その点、ドイツ人は当然のごとく全ての有給休暇を消化します。

 

 

しかも、その取得数はおよそ30日。

 

 

当時の同僚の中にも、1年で2回くらい長期休暇に出かけるリッチな人もいました。

 

 

 

年間を通しての「有給取得プラン」を事前に上司に提出して、どのタイミングで長期休暇を取得するかを明確にしている。

 

 

そのため…。

 

 

「すみません、この日はお休みをいただきます…」

 

 

みたいな、超低姿勢で、悪い事でもしたかのような態度で有給休暇取得の報告をする日本とは、エライ違いです。

 

 

ドイツ人の中には、連続で20日分の取得をして、丸1ヵ月休みというツワモノもいました。

 

 

それはあくまで特例だとしても、そのような有給休暇の取得も可能なのが欧米の就職スタイルです。

 

 

事前に、部署内で「お互いの休暇時期がカブらない」ように調整して、みんなしっかり有給休暇を取得していくのです。

 

 

「周りに迷惑がかかるから…」

 

 

「休んだら例の案件がヤバい…」

 

 

そのように、「休んだらダメな理由」が、いくらでも存在する日本ですが…。

 

 

ハッキリ言って、心配しすぎ。

 

 

1年を通してまったくリフレッシュできない働き方で、心身をどんどん消耗していきます。

 

 

同僚への配慮というのは理解できますが…。

 

 

誰もが当然のように残業をして、誰も休もうとしない日本のカイシャでは、代替勤務が成立しません。

 

 

部下の仕事量は上司がマネジメントするべきなのに…。

 

 

残業前提の仕事量だからいつまで経っても休めない 

 

 

有給休暇が取りづらい環境にあるのも、残念ながら自然の流れ。

 

 

反面、年間を通して2~3回の長期休暇でリフレッシュしながら、定時帰宅まで時間内で「与えられた仕事だけ」をこなしていくドイツ人。彼らは、日々の業務でも非常にイキイキしています。

 

 

カイシャに留まる時間は必要最低限で、残りをプライベートの充実にあてていくドイツ人。

 

 

ワークライフバランスは、当然のごとくしっかりキープされています。

 

 

…。

 

 

ドイツと日本。

 

 

その「働き方」はまったく違うし、企業の組織体制と、個々の思考回路までもが違います。

 

 

しかしながら、どちらも結局同じサラリーマン。

 

 

そう思うと、日本の状況がいかに「グローバルスタンダード」から外れているかが、見えてくる。

 

 

当時のあの日本のカイシャで経験した働き方には、もう戻りたくありません。

 

 

結局同じサラリーマンなら…。

 

 

絶対に残業が少ない方がいいし、たくさん休める方がいい。

 

 

ドイツ人の働き方は、お手本であると同時に、世界で見ても「当たり前」な働き方なのです。

 

 

コダモン